昨日のNHKで、「回転寿司」の世界チェーン展開をして
いるイギリスの企業を取り上げていた。
イギリス式の回転寿司だ。
中東にも進出して、かなりの勢いで成長しているらしい。
しかし、当然、出すものは日本とは違う。
その中身だが、これが日本人からするととても魅力的
とはいえない代物だ。
今、日本人と一般化して言ったが、実際は個人的には
と言ったほうがいいかもしれない。
というのは、日本でも創作料理と言われるものはこれ
に近いものがあるので、一般化して魅力的でないとは
言えないのだ。
だから、伝統的なすしを基準にしたら、と言い換えた
ほうが良い。
で、どういうすしなのかというと、巻物中心だ。
ある時期から「カリフォルニアロール」という、アボ
カドを入れたすしがアメリカで流行って今や定着して
いるが、あんな感じの「すしロール」が中心的メニ
ューである。
海苔も内側に巻き、黒い部分が外側に来ないというの
もポイントらしい。
その他の具というと、海老フライとか揚げ物も多い。
そして、これもポイントだが、醤油だけで食べるとい
うのが駄目らしく、それぞれの具に合わせたソースが
重要らしい。
と言っても、見たところ基本はマヨネーズで、それに
何かの調味料で変化をつけるといったもののようだ。
要するに、旨味を足すといった方向である。
素材の味を楽しむというすしからは、方向としては外
れているから、どうしても、本来のすしとは違うとい
う印象を受けるのである。
こんなジャンク的にも受け取られるようなすしだが、
日本のコンビニやラーメン屋で鍛えられた舌には、違
和感はないのではと思えるのが悲しい。
日本の若者にとって、この味は充分いけるのではとさ
え思える。
また、その企業がイギリスというのも納得である。
食文化の貧しいところならではの発想である。
経営者は、欧米ではこの味が受けると言っていたが、イ
ギリス、アメリカでは、と言ったほうが良いのではな
いか。
中東、アジア、ロシアでも受けるとは思うが、フラン
ス他のヨーロッパではどうなのだろう。
気持ち的には、拒否してほしいと思ったが、最大公約
数的受ける味というのは、間違いなくこういうジャン
ク的なものなので、今ひとつ受けないという自信は持
てない。
これが、食のグローバル化か。
それと、そもそも回転寿司というシステムそのものが、
こういうものを生み易いシステムであるという気もす
る。