「楳図かずお」の景観訴訟は、楳図かずお側の勝訴と
なった。
この手のものは、受け取り様で、それぞれの人の感じ
方によるもなので、なかなか線を引くのは難しい問題
だ。
どこからが景観を損なうのか、その基準は客観的には
決められない。
で、今回の建物は、赤と白のストライプ。
誰が見ても目立つ建物である。
その目立つという点だけを考えれば、確かに周りとの
調和は取れてないということになる。
が、調和は取れてないが、問題は、それ以前にその周
辺の風景が景観的にすばらしいかという前提があるか
どうかである。
これが例えば、古い街並みを残して、しかもそれを保
とうとしている場所であれば、明らかに問題建物であ
ると言える。
しかし、見る限り、ちょっと高額そうな建物が建って
いるが、別にどこでも見られるような統一感のない町
の風景であるように見える(実際見てないのであくま
でも映像に拠る推測だが)。
どうということ無い建物が多いし、共通しているのは
色が全体的に地味であるというだけで、これも全国共
通の没個性的な街並みである。
住民にとっては、この地味さ、よく言えば落ち着いた
雰囲気が重要なのだろう。
しかし、判決のポイントは、結局この周辺の景観その
ものが元々どうだったのか、という点であった。
個人的には、思ったほどひどくは無いと思うが、セン
スが良いとも思えない。
が、見ようによっては可愛らしいかもしれない。
それと、くっきり目立ち、ランドマークとして、周辺
で迷った人には役立つ建物になるのではないだろう
か。
暫くは、見物人も多く来るだろうが(これも、地元民
からすれば気分の悪いことだろうが)。
そんなストライプハウスなど比べ物にならない、凄い
建物を昨日見てしまった。
住居がショッキングピンクで、横の倉庫らしき建物が
ペパーミントグリーン。
昔、清里辺りで見た色合いの建物だ。
しかも、それがあったのは、完全に昔の田舎の集落の
中。
異様な風景に、一瞬目が止まった。
趣味が悪い、センスが無い、周りの風景に溶け込まな
い、これだったら訴訟でも勝てると思えた建物であっ
た。
建物自体は、普通の建売なのだ。
色だけが、そういう色。
一体誰が住んでいるのだろう。
会いたくはないが、つい興味は持ってしまう。