近所のH君が唐突に「ハーフアンドハーフって飲んだことあります?」と電話をかけてきた。いきなりハーフアンドハーフってなんだと思ったら、テレビでやっていたのを見たH君は、興味がわき飲みたくなってしまったようなのだ。それで、缶ビール二本分となるとちょっと多いので、こちらにお相伴をしてほしいということのようだった。要するに、余りを飲んでもらいたいのだ。早速、ギネスではなくサッポロの黒と普通のを携えやってきた。「世の中ハーフアンドハーフって普通ですか?」と聞くので「黒の生ビール扱ってる所では普通じゃないの」と答える。確かに、田舎ではあまり扱ってる所もなさそうなので知らなくても不思議ではないが、初めて飲んだのはやはり缶ビールのものを自分で混ぜて飲んだときで、もう20年以上も前の話だと思うと、やはり普通の田舎の人達のそういうものに対する感覚はちょっと鈍いと言わざるを得ない。
「混ぜ方とかあるんですかね?」と言うので、「正式にはあるかもしれないけど、ただ混ぜればいいんじゃない」と言って同時にグラスにどぼどぼと注いだ。黒だけだとちょっときつい人も、この飲み方だとこくが出て飲みやすくなり新鮮に感じるようだ。H君も「これ、いいですね」とご満悦。小さなグラスに二杯飲んだところで「じゃあ、僕、これから中国に出張なんで」と言い残しさっさと帰っていった。後には全体の三分の二ほどのビールが。仕方なく昼間からそれを飲み干しすっかり良い気分となってしまった。