ぴかりんの頭の中味

主に食べ歩きの記録。北海道室蘭市在住。

【鑑】劉薇ヴァイオリン・リサイタル

2007年05月23日 20時22分58秒 | 鑑賞記録
第2回 室蘭工業大学コンサート ―開学記念日によせて―
劉薇ヴァイオリン・リサイタル 大陸からの調べ
2007.5.22(火)昼の部14:30開演, 室蘭工業大学 大学会館多目的ホール, 入場無料
Violin 劉薇(リュウウェイ) Piano 大築恵[4,5,6,8,enc1]
[チラシPDF]

1.馬思聡(マー・スツォン) 山歌
2.馬思聡 牧歌
3.寺島陸也 奄美の子守歌
4.シューマン 3つのロマンスより op.94-2
5.ラフマニノフ ヴォカリーズ
6.マスネ タイスの瞑想曲
7.ポルムベスク バラーダ
8.モンティ チャルダッシュ
アンコール1.エルガー 愛の挨拶
アンコール2.宵待草
アンコール3.カタロニア民謡 鳥の歌

・室蘭工業大学の開学記念日のイベントとして、また、前学長から寄贈されたピアノを有効活用する意味も込めて開かれた演奏会。ヴァイオリンの劉薇さんは室工大OBのつてにより、ピアノの大築恵さんは室工大名誉教授のお嬢さんだそうで現在エルム楽器でピアノを教えていることから、今回の演奏会の実現に至ったとのことです。
・馬思聡:登場した劉薇さんは、チラシの写真よりもずいぶんとお若くスマートな印象でした。演奏会は曲の合間に劉薇さんによる曲解説を織り込みながら進行。どちらも中国民謡をもとに作曲された曲だそうで、どこか懐かしいメロディー。
・奄美の子守唄:これまたどこか懐かしい。ここまでVnのみで演奏。
・シューマン:ここでピアニスト登場。ここまで聴いた曲のせいか、単なる気のせいか、西洋の曲もどこか中華風に聴こえてくるから不思議。
・ラフマニノフ:前日に『ピアノ伴奏譜がない!』とトラブルがあって急遽楽譜を貸した、という裏話を知人から聞きました。なんだか大変だったようです。
・タイス:Vnが時折ピアノに近づいて、弓先がピアニストの頭に刺さるんじゃないかと心配するような位置まで移動し、ピアノの楽譜を覗き込みながらずいぶん派手なザッツ。なんじゃと思ったら、ピアノの右手。小節の頭が8分休符であるべきところを、頭から8分音符の刻みを弾いてしまい、Vnと見事にずれたところが二カ所。一体どうなることかと息を呑みましたが、どうにか辻褄をあわせてました。譜面を見てないので、単なる私の勘違いで、あの演奏で合ってたのかもしれませんが。。。ともかく、一人でドキドキしながら聴いていました。
・ここで15分ほど劉薇さんのトークコーナー。父親が子供用楽器や楽譜を手作りしてくれた、中国で過ごした子供時代の話や、日本へ留学してきたころの苦労話など、自身の半生について。
・ポルムベスク:資本主義国の文化が御法度の頃の中国で大ヒットした、ルーマニアの映画に使われた曲だそうです。哀愁漂う曲。この曲あたりで、ようやく会場に耳が慣れてきた。
・モンティ:おそらくお二人は初顔合わせのうえ、ほとんど合わせの練習ができなかったのではないでしょうか。曲の後半は、悪い意味でスリル満点。Vnの歌い方はかなり独特で、あれにつけるにはかなりの慣れが必要だと思います。演奏後、椅子から立ち上がる際にピアニストがついた『ハァ…』という小さな息が、その心情を物語っているようでした。
・二人のアンサンブルという点ではちょっとアレでしたが、お二人ともこんな音響環境の悪い会場での無料コンサートだなどとは、とてももったいないレベルの演奏家だと思います。ピアノの出番が少なかったので、もうちょっと聴きたかったところ。
・グァルネリ:プロフィールによると『グァルネリ・デル・ジェスが貸与』とのこと。この日もグァルネリだったのでしょうか。おお~ すぐ目の前でグァルネリが鳴っている~~ すげ~~ 終演後のCD販売コーナーにいたヴァイオリニストのそばのテーブルには無造作に楽器ケースが。人も少なかったので、よっぽど、『見せて』、『持たせて』、『弾かせて』とお願いしてみようかと思いましたが。。。思いとどまりました。弾いてみたいな、グァルネリでキラキラ星。
・演奏会プログラム表紙のヴァイオリンの写真が左右逆だー
・写真:終演後にピアノに群がる工大オケメンバー。ピアノの音はやっぱりモワモワ。てっきり安物と思ってましたが、噂によるとかなり良い品であるとのこと。であれば、なおさらロクに弾かれる機会がないのはもったいない。メーカーはヤマハ。今度型番控えてググってみよう。
・大学会館よりも、音場としては総合研究棟(ドーナツ状の構造の7階建てのビル)の吹き抜けの方がずっといいのではないかと思います。あそこで一度弾いてみたい。
・客数約200名[目測]:会場にちょうどぴったり収まる程度。学外の一般客7割、教職員2割、学生1割くらい。地域の人と大学との交流という意味で、とてもいい機会だと思います。次回がまた楽しみ。
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とどめ ~メロンオケ参加決定

2007年05月22日 23時05分20秒 | 日記2005-10
『あなたの参加申し込みがまだのようなのだけど……?』

期限を過ぎたにもかかわらず、メロンオケ申し込みをほったらかしていたら、"奥様"より直々のお電話。スイマセン。

『"参加"でお願いします』(即答)

 定員80名のところ、現在の申し込み数、70名超えとか… そ、そんなにたくさん… 全国から"オケ・キチガイ"(失礼)が集まってくるということでしょうか… それを迎え打つ(自称)北海道代表としてがんばりたいと思います。一応申し込み締め切りは5/20ですが、まだ融通は利くのではないかと思います。はっきりしたことは言えませんが、これからでも参加可能かどうかは直接事務局にお問い合わせください[連絡先過去日記4/10参照]。
 "奥様"より、

『今年の指導は厳しくビシビシいくそうですから、期待してください(ハート)』

とのことです。参加の方は覚悟してくださいませ。
いや、冗談ですよ。冗談。

(*´∀`*)ハッハッハ
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【演】札幌市民オーケストラ 第64回アトリエコンサート

2007年05月22日 20時58分39秒 | 演奏記録
札幌市民オーケストラ 第64回アトリエコンサート
2007.5.20(日)14:00開演, 札幌芸術の森 アートホール内「アリーナ」, 入場無料
指揮 中山耕一, パート Viola

ハイドン 交響曲 第64番 イ長調 「時の移ろい」 Tempora mutantur
ワーグナー 歌劇「リエンツィ」序曲
ブラームス バイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 op.102
 独奏 Vn 松本佳奈子 Vc 松本瑠依子
ソリスト・アンコール バッハ インベンション BWV779

・前日までの雨があがり、外でお弁当をひろげるにはちょっと肌寒い気温でしたが、当日は爽やかなとってもいい天気になりました。芸術の森の美術館で開催されているディズニー・アート展が盛況のようで、かなりの賑わいでした。
・ロビーコンサート:今回はロビーならぬ会場外の芝生にて、団員有志による弦楽カルテットが開演前に数曲披露しました。案外、外で弾いても音がしっかり聴こえるものですね。もっと音が散って聴こえずらいかと思いましたが。団員含め、結構な人だかりができていました。
・ハイドン:譜面上は簡単に見えますが、実はこの曲が一番危なかったり。単純であるがゆえにアラが見えやすく恐い曲。2楽章が難物でした。ゆったりした音楽で、弾いててもあまりの寝むさに集中力を保つのが大変。大きなミスなく完奏。
・リエンチ:今回のビオラパートは曲ごとにトップを交代するということで、私はリエンチを受け持ちました。トップだからといって特に何をするでもなく、いつも通り必死で弾くだけ。曲の中ほどで、肩当てが外れてしまうという初歩的ミス。『いったいオマエ何年弾いとんねん!!』と心のなかで舌打ちしつつ、残りは肩当て無しで弾きました。外れた反動で、隣の奏者に楽器はぶつけるし、周りからみたらもう迷惑極まりない人間です。出だしの緊張のトランペットはうまくいったと思います。それに続くチェロの入りも。Allegroからは全体的にちょっとテンポが早かったかも。最終部分(molto piu stretto)のテンポが先日のブリランテでのテンポと全く違った(遅い!)ので慣れるのに時間がかかりました。
・ドッペル:ソリストに団員夫妻のお嬢さん二人を迎えての待望のドッペル。まず、聴くのと弾くのとでは大違いでした。楽譜を見、弾いてみて初めて知ったこの曲の仕組み。それに、どうしてビオラにこんな難しいフレーズを要求するのか理解不能。もうちょっと楽に弾かせてくれ。。。 ソロのお二人は、初回のオケ合せの時点で「もう明日本番でも大丈夫では?」と思えるほどの出来でしたが、その後、合わせ練習を重ねる度に演奏の精度が一桁ずつ上がっているのが目に見えるようで、毎回の練習が楽しみでした。へたに有名ソリストだったりすると、合わせは前日・当日のみなんてこともあるので、それを考えると今回はたくさんソロが入って練習してもらえて幸せでした。感謝! 本番のオケの服装は普段着とのことで、まさかソリストも普段着?? などと思いましたが、そんなことはなく、白とピンクのかわいらしいドレスでした。出だし、1小節目4拍目休符での残響がカッコイイ… ジーンときてしまった。2楽章、単純なピチカート伴奏一ヶ所落ちた(コンマス君の巻添え)。最終音弾き終ったあとは、心の中で『ブラボォォーー!!』叫んでました。客席からもガンガン、ブラボーかかっていい演奏だったと思うのですが……そこまではいかずとも、会場からはとても温かい拍手がありました。通常、子供や女性が担当する花束贈呈は、今回はソリストが女性ということで(?)、男性団員2名が担当。プログラムの曲紹介については無かったことに。。。
・アンコール:アンコールはソリストのみ。写真はリハ時、団員の見守る中アンコールの練習をしている様子。Vnの松本佳奈子さんは今年のPMFに参加されるそうです。また来年5月にはKitara小ホールでデュオリサイタルを行う予定とのこと。
・ノイズ:当日リハ時に、それまではなかったノイズ、アジャスターのネジなんかから時々出るいわゆる"ビビリ音"がソロVnから出ているのが気になりました。本番時には減ってはいたが、まだ少し残ってしまっていました。なんだったんだろ… ちょっと残念。
・司会デビューのOさん(Per)。立派な司会っぷり。
・客数約300名[目測]:用意した椅子と二階席もほぼ埋まり、立ち見がちらほら。会場が交通の便が悪いとんでもない僻地のわりにはよく入った。ソリスト効果?
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禁煙一周年

2007年05月21日 23時07分55秒 | 日記2005-10
 いつの間にか、タバコを止めて一年経っていました。だんだん私のタバコを吸う姿を知らない人がまわりに増えつつある今日この頃です。
 ここまで、「また吸いたい」と思うこともなく、タバコに対する思いは「また手をつけたら人生オシマイ」という恐怖のみ。それでもたまに夢を見ます。ものすごーくリアルな、タバコを吸う夢を。あのタバコの香りと、煙を吸った瞬間のタバコに含まれる有害物質が体の隅々まで行き渡り、脳みその奥深くがジーンとくる感覚――
 止めた当時のタバコがホコリをかぶりつつまだ手元にあるあたり、まだ未練があるのでしょうか。これをキレイサッパリ捨てたときが本当の禁煙かもしれません。

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【論】Deutsch,2003,Evolutionary algorithms for find~

2007年05月20日 20時03分56秒 | 論文記録
J. M. Deutsch
Evolutionary algorithms for finding optimal gene sets in microarray prediction
Bioinformatics Vol. 19 no. 1 2003
[PDF][Web Site]

・遺伝子抽出法、GESSES (genetic evolution of sub-sets of expressed sequences) の紹介。遺伝子の集合からランダムに遺伝子を足したり引いたりしつつ、評価関数(LOOCVに類似)に基づいてクラス識別に最適な遺伝子の集合を探索する。
・データ
1.SRBCT (Small round blue cell tumors) Data [Khan]
2.Leukemia Data [Golub]
3.DLBCL (Diffuse large B-cell lymphoma) Data [Shipp]

・結果「we were able to reduce the number of genes needed from 96 to less than 15, while at the same time being able to classify all of their test data perfectly.
・原理「To determine which predictors are most successful, we utilize a scoring function which gives higher scores when more data points are correctly classified, that is the smallest classification error.
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【練】千フィル本番前日リハ見学

2007年05月19日 22時21分00秒 | 練習記録
♪千歳フィル本番前日リハ 2007.5.19(土)15:00-@千歳市民文化センター大ホール
曲:ラプソディー・イン・ブルー 他

 札幌市民オケ本番と重なってしまい泣く泣くお断りした演奏会。中村さんの指揮と佐々木さんのピアノ。どぉぉ~~しても聴きたくて、リハーサルに潜入。誰もいない客席で聴き、オーケストラを貸切にしている気分で新鮮でした[写真]。
 指揮の中村さんは、『教育大教授』ということでその名をちょくちょく目にしていましたが、今回初めてその姿に接しました。会場に少し早めに着いてみると、ステージ上ではホルンパートのシベ2特訓が。そこで細かい指示を与えつつ指導していたのが中村さんでした。客演指揮の先生がパート練習に付き合うというのは、あまり見ない光景です。想像では、『大学教授』の言葉から連想される厳しい雰囲気の人物かと思ってましたが、ユーモアたっぷりの軽いノリで、全く違っていました。指揮っぷりも予想とは違い、手先の指揮ではなく大きく全身を使うスタイルでした。
 ピアノの佐々木さんは、数年前、知り合いのバイオリニストのリサイタルの伴奏をされたときの演奏を聴いた事があります。今日の練習は、どちらかというとオケの練習にピアノが付き合っているという感じで、部分ごとに取り出した練習のみで、通しは無し。おそらく6~7割程度の力加減のように思います。フルパワーの通しの演奏が聴けなかったのは残念。。。とってもノリがよく、この曲にはうってつけのピアノだと思い、楽しみだったのですが。
 練習では、指揮者もピアニストも口をそろえて「(オケが)重い」と言っていましたが、客席で聴いてもそのような印象でした。わりと有名な曲なのでオケの個々人に曲のイメージがまずあって、それと指揮者のイメージが合っていないことと、テンポが目まぐるしく変わるので、「あれ?ここどんなテンポだったっけ??」なんて考えた瞬間にはもう遅れてしまっている、という二点が大きな原因でしょうか。練習しているうちにどんどんよくなっていったので、明日にはバッチリ!だと思います。この曲、過去何度か弾いてますが、「こんなに難しい曲だったっけ??」と、客席から聴くと新たな発見がいろいろ。それから、最初、ホールの中央付近で聴くとイマイチ聴こえずらかったが、後ろの席に移動してみるとよく聴こえた。
 札幌市民オケ練習のため、16:00には会場を後に。

指揮者談『指揮を見てはいけないときは、黒めがねマーク!!』 なるほど~

千歳フィルハーモニーオーケストラ第17回公演 2007.5.20(日)14:30開演@千歳市民文化センター大ホール
~~~~~~~
♪札幌市民オケ練習 2007.5.19(土)17:00-19:00@芸術の森アートホール
曲 ブラームス ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲

 「本番が一年後ぐらいで、それまでずっとこの曲練習できたらなぁ」 ソリストの演奏を聴いていて、ふとそんなことを思いました。さすがに飽きるか。
 音符の密集した難かしい部分はまだいいとして、単純で見た目簡単なピチカートの伴奏部分が一番危ない感じ。指揮に合わせる、ソロに合わせる、コンマスに合わせる、パートリーダーに合わせる、自分の世界に没入、皆さんそれぞれで一体どこに合わせるべきか迷う部分が数箇所。練習後、コンマス君と話した結果、「コンマスに合わせる」ということに落ち着いたが、どこまで意思統一が図れるか。
 いよいよ明日!!
 それにしても、演奏会場が家から近いって幸せ。

本番 札幌市民オケ アトリエコンサート 2007.5.20(日)14:00開演@芸術の森アートホール
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【本】リストラと能力主義

2007年05月18日 21時00分58秒 | 読書記録2007
リストラと能力主義, 森永卓郎, 講談社現代新書 1489, 2000年
・テレビ等のメディアへの露出が多く、顔を見知った著者なので、どんな本を書くのかと、著者への興味のみで手に取った本。いわゆる『ビジネス書』に分類されるような内容で、普段あまり馴染みのない私でもすんなりと読めました。文章が簡潔でわかりやすい。
・言葉のみが先行し、誤解されて世に広まった『リストラ』と『能力主義』について、その本来の意味を問い直し、あるべき姿を提示する。
・「人件費削減が避けられない場合は、賃金調整でやればよいのである。」p.16
・「いま行われているリストラは、従業員をロープでぐるぐる巻きにして海に放り込み、「さあ、自分で泳ぎなさい」と言っているのに等しいのである。」p.29
・「つまり、大規模なリストラを行うと、短期的には早期退職優遇金などのリストラのコストがかさむため、会社の利益は増えない。ところが、中長期的にも、有能な人材の流出や従業員のモラールの低下によって、業績は改善しないのだ。」p.34
・「いちばんよい「リストラ」の方法は、従業員の雇用は守るという大前提の下で、賃金の能力主義化を強化することによって人件費を変動費化し、短期の経営安定を図ると同時に、従業員の個人優先主義を強化することによって知的創造性を確保し、中長期の経営基盤を固めることなのである。」p.35
・「日本的雇用慣行の特徴は、一般に終身雇用、年功序列処遇、企業別労働組合の三つであるというわれる。」p.40
・「つまり、企業内平等主義としての年功序列制と企業優先主義としての終身雇用制、この二つが日本的雇用慣行の最大の特徴なのである。」p.46
・「こうした背景を踏まえると、年功序列制の下で強力な所得再分配が行われ、終身雇用制の下で中央集権的な人材資源の配分が行われるという仕組みは、社会主義のシステムと非常によく似ていることがわかる。」p.48
・「こうして、会社のなかだけでなく、ふだんの生活まで含めて会社のコントロールが行われ、従業員の規格化が完成していくというのが、日本的雇用システムの正体なのである。」p.57
・「恐怖によって、国民の反乱を弾圧する。その政策といま日本の企業が行っているリストラは同じ性格を持っている。」p.71
・「ところが、どんな部門のどんな職種でも、客観的に処遇の格差をつけるのは、実は簡単なことだ。評価に市場原理を採り入れればよいのである。」p.74
・「集団を統治するには二つの方法がある。一つは忠誠心による統治であり、もう一つはアイデンティティによる統治である。」p.116
・「人間は、他人を支配したいという欲求と同時に、権力に支配されたいという欲求を持っている。人間は命令されたり、支配されたい生き物なのである。」p.118
・「企業理念とは企業にとっての憲法のようなものなのである。」p.121
・「一見矛盾する個人の尊重とチームワークを併存させる。これこそがアングロサクソン文化の真骨頂であるプルーラリズム(多元主義)なのである。」p.122
・「知的創造型の企業で経営者がやらなければならないことは、リーダーシップを発揮して自らの判断で会社を引っ張っていくことではない。思い切った権限委譲をしたうえで、一人ひとりの社員が一つの目標を共有できるように、手を替え品を替えて常に企業理念を普及していくことである。」p.123
・「以上のビジョナリーカンパニーが持つ三つの特徴、すなわち思い切った権限委譲と企業理念の維持、そして進化を促す仕掛け作りを行うという間接統治の仕組みは、二つの企業行動に結びつく。利益至上主義の排除と従業員を大切にする姿勢である。」p.134
・「ビジョナリーカンパニー型の経営システムを導入すれば、これまでの権威は失墜し、その権威をかざして会社を支配してきた権力者たちは失脚してしまう。だから多くの日本企業は、本物の優良企業の仕組みを採り入れることができないのである。」p.135
・「リストラと能力主義化が過ったかたちで行われはじめたいま、企業優先ではなく個人優先の、「自由と自己責任」の雇用システムをどう構築するか。」p.136
・「しかも部長や働かない役員のリストラには、もれなく副産物の効果が付いてくる。それは、彼らの存在をなくすことによって意思決定のスピードアップが実現し、それが新しい技術開発を発展させ、企業が活性化するということである。」p.152
・「会社の生産性を上げるためには、人事部は外に出してしまったほうがよいのは明らかだ。問題は、人事部という猫の首に誰が鈴をつけるのかということだけなのである。」p.159
・「ただ、700万円ずつ二年間稼いだときの税金は二年間で80万円なのに、1400万円を一年間で稼ぐと220万円も税金を納めなければいけない。つまり、集中して自己投資をしようとすると、とんでもない税金を払わなくてはいけないというのがいまの税制なんです」p.163
・「でも、経済白書が書いたように、1965年以降に生れた世代は、払った保険料も戻ってこないんです。それだったら、差額分を給料でもらって自分で積み立てたほうがましでしょう。厚生年金の保険料率はこれからもどんどん上がっていくし、これからますます国民年金のほうが有利になっていきますよ」p.163
・「そこで提案したいのが「まだら定年制」である。  まだら定年制は、たとえば45歳から50歳までは「月曜日だけ定年」、51歳から55歳までは「月、水だけ定年」、56歳から60歳までは「月、水、金だけ定年」という具合に勤務日を段階的に減らしていく。」p.184
・「だからいまの段階でサラリーマン自らリストラに備えるためのいちばんよい方法は、副業を持つことだと思う。」p.186
・「しかも、創造性というのは好きなことをしているときにしか生まれない。人間の脳の構造がそうなっているのである。」p.190
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買い物いかないと…

2007年05月17日 21時52分14秒 | 日記2005-10
 ネタが無いのでたまには更新無しもよいかと思いましたが、これだけ毎日書いてると何か書いとかないと落ちつかない気分になってきます。いわゆるブログ病。
 土日も含め毎日帰宅が9時過ぎだと食料品の買い物に行くチャンスがありません。前回の買い物はもしかしてGWにモルエに寄ったのが最後か… 冷凍・乾燥食品でどうにかしのごう。と言っても、もともとそれしか無いんだけど。楽しき一人暮らし♪
 研究は遅々として進まず。いや、進んでるのか? 後退しているのか?? まさしく五里霧中。ここまでやってきた無意味にも思えるあらゆる作業が、一瞬の閃きで全てが意味を成し一つの体系を構築する。そんな瞬間を夢見つつ。
 さて、ドッペル練習。
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【論】Hawkins,1986,An investigation of adaptive beha~

2007年05月16日 20時32分27秒 | 論文記録
Jeff Hawkins
An Investigation of Adaptive Behavior Towards a Theory of Neocortical Function.
July, 1986
[PDF][Web Site]

・脳の新皮質の働きについて。前出書『考える脳 考えるコンピューター』の著者による、論文というよりは読み物的文章。「脳研究を大局的視点から捉える」、「脳の動作原理は単純である」、「記憶による予測の枠組み」等の基本的考え方は20年前からほとんど変わっていないことがわかる。前出書よりはやや専門的な内容であることと、英語であることから、本を読んであったおかげでどうにか大まかな内容がつかめるレベル。

・「There are a great number of people who are interested in how the brain works, but relatively few who study the brain on a regular basis.
・「Our environment contains many consistencies and patterns. These are essential to the usefulness of any behavior.
・「What makes the human brain so special is the complexity of the patterns it can recognize.
・「My primary approach to developing a theory of adaptive brain function is to continually think of brains as recognizing and adaptig to environmental patterns, because that is all that the brain has to work with.
・「The recognition that something is different must correspond to a neural event,
・「The prediction of environmental stimuli is a dominant function of the neocortex.
・「I propose that each cortical unit recognizes associations in its own environment and adapts to predict these associations.
・「Thus "prediction" means using internal state to produce neural activity which is similar to what is expected to happen.
・「A central theme to my thesis has been that the neocortex operates on a single algorithm.
・「"What is conspicuously lacking is a broad framework of ideas " (Francis Crick)
・「Today we are in the "pre-Copernican" era of the understanding of adaptive behavior.」 前出書の私の紹介文と同じ表現が。(苦笑)
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Majiで轢かれる5秒前♪

2007年05月15日 22時20分43秒 | 日記2005-10
 12時間労働の帰途。信号のないT字路の縦棒根元部分を徒歩横断中、横棒の左側から縦棒へ音もなく右折進入してきた白いライトバンが、急ブレーキとともに約50cm手前で止まった。『轢かれる!?』と思ったのは車が止まった後。体は反射的に来た道をそのまま一歩下がっていた。
 車を運転中、目の前に飛び出してきた猫があわてて元の進路を引き返す、または、『何故横によけないのか?』と子ども心に不思議だった某猫が鼠を追い回すアニメーションのワンシーンでの、鼠が切り倒してこちらへ倒れてくる木の直線上をひたすら絶叫しながら逃げる猫の気持ちがちょっぴり理解できた、そんな桜の下での焼肉の匂い漂う夜。
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