どうやら川南造船所が解体されるらしい。
(2007・10・1と10・2の記事を参照してみて下さい)
めちゃくちゃショックだ。
「壊せばいい」という安易で浅はかな考えは歴史や遺産に対しての
思いの何と軽いことか!
壊すのは簡単ですが、二度と作ることはできません。
今まで、不思議な運命をたどり、奇跡のように微妙なバランスの上に
朽ちながらも残っていたこと自体、すごいことなのでしょうね。
やはり、とても残念でなりません。
長崎とも関係があります。実は香焼町にも「川南造船所」の本社が
あったのです。現在は三菱造船所の香焼工場となっていますが、かつて
は東条英機とも接点のあったらしい川南氏が経営し、また造船学校も
作り、その学校こそ現在の「長崎総合科学大学」(旧造船大学)の礎と
なっています。
いろいろと調べて行くとネタが出てきそうな、そんな好奇心く
すぐられるところでしょう。
こうなれば、まさに「軍艦島」を壊す、ということとほぼ
同じ心境です。
軍艦島はあれだけ観光資源にもなっていますので、この造船所も
上手くやれば活かせるとは思うのです。
学徒動員で特攻兵器「震洋」を作った場所として、戦争の歴史と
して、無言の生き証人としての場所、その時から時間が止まり
不思議な空間、時間が流れる・・・数少ない貴重な遺跡です。
保存運動も起きないのでしょうか?
もちろん騒いで迷惑をかけたり、落書きをしたり、肝試し、とかは
明らかにマナー違反ですし問題があるでしょう。
しかし、こんな場所で心落ち着き、黙考し、感じ、時間を味わう・・・
そんな素敵な魅力が失われます。
正直、これがなくなった伊万里市なんて魅力ありませんし、もうきっと
行くこともないでしょうねぇ。(ちょっときつく書いておきます)
「1年以内に撤去」ですから、はっきり言います。
心に刻むなら今のうちです。