どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

(超短編シリーズ)50 『いのち一尺』

2011-06-07 00:12:00 | 短編小説
     (いのち一尺) 月極め駐車場のコンクリートの上に、それは白白と横たわっていた。 折からの雨に打たれ、輪郭をぼかし、もともと備えていただろう生き物の容を失っていた。 宮脇は駐車場の中央に立ち、その光景に見入った。 (なぜ、子猫が・・・・) 打ち捨てられた毛皮の首巻のように、生気を失くした骸が打ち捨てられている。 不自然に伸びた腹に、一筋の線が見えるのはなんだろう。 ぺしゃんこになってはいた . . . 本文を読む
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