ここは花嫁のれん館。酒を飲んでは失態を繰り返すおっさんが入っていいのか?
入り口で断られることもなく、無事に入れました(^益^;
「花嫁のれん」とは、幕末から明治時代にかけて加賀藩で広まった風習です。
ケコーンの際に、花嫁が相手の家に入るときにくぐるという儀式に使うものですね。
係員の女性が説明してくれました。花嫁は結婚して実家を出て行くとき、盃から水を飲んで
その盃をパッカンと叩き割るとか、玄関から出ないで縁側から出るとか、とにかくもう
実家とは縁を切るんだ!という覚悟を示す儀式があるんだと。
そしてその儀式のクライマックスがここ。のれんをくぐったら、相手の家の仏壇にご挨拶。
先祖代々に、「こちらの家に入らせて頂きます」と許可を得るというわけだ。
太古の時代から、女性は生まれ育ったところから他所の部族、藩、村、家に強奪されたり
売られていったり、協議の上でもらわれていったりする運命にありました。行った先で
子供を産んで、そしてそこに葬られるわけです。姓も変わったりしてね。
「これをくぐったら、もう実家とは縁が切れるんだよ」という説明をしているとき、係員の
女性の話し方に女の悲しみ、男に対する〇×がこめられているように感じました。。。
こちらは明治時代ののれんの展示品。さすがに少し古い感じですね。
こちらは大正時代のもの。
そして昭和。少し大きくなったような?
ちなみにこちらの地方の結婚式は、有名な「名古屋式」の影響が強いようです。
私の兄が呼ばれて帰ってきたとき、引き出物には国語大辞典や巨大な鯛の形をした砂糖、
まくらのように大きな蒲鉾が紅白で2つ!「ものすごく重かった」と言ってました。
そのくらい重いことが大事なのでしょう。「蒲鉾を捨てていく人がいた」と怒って
いました。(; ・`д・´)
こちらは平成のものです。やはり大きくて華やか。
生まれ育った家を断ち切って嫁に行く、なんて今どき思う人なんているのか?
そんなのは時代遅れで真っ平御免、てみんな思うでしょうが、きれいなおべべを着て、
華やかなのれんをくぐってみたい、と思う人はたくさんいるでしょう。なにせ「一生に
一回だ!」ってなればやってみたくなるよねェ。