ここは七尾の「一本杉通り商店街」、鳥居醤油店です。大正14年創業だそうです。
老舗の雰囲気。醤油の小瓶を2本買いました。
なんか幼稚園の机と椅子か? 醤油のお代を払うとき、なんか見たことのあるお顔?
そぉ~だ、ここの女将さん、「ふらり旅・新居酒屋百選」に出てきて、太田和彦と
一緒に飲みに行ってたぞ。思い出したので、「テレビに出ていましたよね?」と聞くと、
嬉しそうに「収録のとき、スタッフにあまり飲むな、と言われちゃったのよ~!」と
嬉しそうに語っていました。楽しく飲んでいれば、酔っ払った感じのほうがいいじゃ
ないかと私は思うのだが。
ひょお~、万年筆の店か。カッコイイねえ。
古そうな建物が並んでいます。
こちらは明治25年創業の和ろうそくの店です。花柄のロウソクが人気だそうで。
会津若松でもこういう店があったなあ。いまや災害時ぐらいしか使いそうにないねェ。
静かできれいな町ではないですか。
ここは花嫁のれん館。酒を飲んでは失態を繰り返すおっさんが入っていいのか?
入り口で断られることもなく、無事に入れました(^益^;
「花嫁のれん」とは、幕末から明治時代にかけて加賀藩で広まった風習です。
ケコーンの際に、花嫁が相手の家に入るときにくぐるという儀式に使うものですね。
係員の女性が説明してくれました。花嫁は結婚して実家を出て行くとき、盃から水を飲んで
その盃をパッカンと叩き割るとか、玄関から出ないで縁側から出るとか、とにかくもう
実家とは縁を切るんだ!という覚悟を示す儀式があるんだと。
そしてその儀式のクライマックスがここ。のれんをくぐったら、相手の家の仏壇にご挨拶。
先祖代々に、「こちらの家に入らせて頂きます」と許可を得るというわけだ。
太古の時代から、女性は生まれ育ったところから他所の部族、藩、村、家に強奪されたり
売られていったり、協議の上でもらわれていったりする運命にありました。行った先で
子供を産んで、そしてそこに葬られるわけです。姓も変わったりしてね。
「これをくぐったら、もう実家とは縁が切れるんだよ」という説明をしているとき、係員の
女性の話し方に女の悲しみ、男に対する〇×がこめられているように感じました。。。
こちらは明治時代ののれんの展示品。さすがに少し古い感じですね。
こちらは大正時代のもの。
そして昭和。少し大きくなったような?
ちなみにこちらの地方の結婚式は、有名な「名古屋式」の影響が強いようです。
私の兄が呼ばれて帰ってきたとき、引き出物には国語大辞典や巨大な鯛の形をした砂糖、
まくらのように大きな蒲鉾が紅白で2つ!「ものすごく重かった」と言ってました。
そのくらい重いことが大事なのでしょう。「蒲鉾を捨てていく人がいた」と怒って
いました。(; ・`д・´)
こちらは平成のものです。やはり大きくて華やか。
生まれ育った家を断ち切って嫁に行く、なんて今どき思う人なんているのか?
そんなのは時代遅れで真っ平御免、てみんな思うでしょうが、きれいなおべべを着て、
華やかなのれんをくぐってみたい、と思う人はたくさんいるでしょう。なにせ「一生に
一回だ!」ってなればやってみたくなるよねェ。
七尾に到着しました。左の線路、のと鉄道七尾線はここまで。ここからは止まっている
右のJR線になります。
七尾駅前。
宿泊予定は、正面に見えているしょぼくれたビジネスホテル。すぐ近くの和倉温泉には
有名な加賀屋があるのだが、そんなところにひとりで泊るわけもない。こちらは
「昭和の香り漂う・・・」というすごいレトロなホテルですぅ~w
入り口は路地裏の、裏口ではないかと思うようなところ。「ジネホテル」じゃんか。
狭く薄暗い階段を上がると、勝手口のような小さい窓があり、おばーさんがひとり
座っていました。思わず「ここがフロントなんですか?」と聞いてしまいました。
チェックインタイムより少し早くても部屋に入れてもらえましたよ^^
なんか前時代的でしょ^^ 狭すぎないところが救われる。あとで出るとき、また
違うおばーさんがフロントにいました。「明日の朝食は7時ですから!」と言われる。
「日曜なのに早いな。しかし7時からじゃなくて、7時ぴったりに来いってことか?」
と考えて一瞬迷ったら、「朝食のこと!わかった?!」と怒られる。
ちなみにこれでもWifiは使える。しかしとぎれとぎれで恐ろしく遅い。対面だと
返事が一瞬遅いだけでも怒られるところなのになー。。。
まあさっさと町の散歩に出る。
商店街は人っ気がないぞー。
まーた看板があるぞー。信者は意外にあちこちにいるのか?それともオロナミンCの
ように、ただ宣伝で貼ってあるだけなのか?
人間は罪深いものです。アダムがリンゴを食べたのが関係しているかどうかはわかり
ませんが、俺に関しては罪深いことは認めざるを得ません。しかしキリストにすがって
解放されたいとは思わんなー。
こういう考え方があります→「俺は貧乏でひどい目にあったまま死んでゆく。しかし
ずるくて金持ちで横暴な奴がのさばっているのは許せんな。しかし俺は天国に行くんだ。
悪いやつは永遠の地獄で苦しむんだ。ふっふっふ。ざまを見ろ!」という論法。それは
「ルサンチマン」(まあ恨み節)といって恥ずべき作り話。「それがキリスト教だ」と
ニーチェは言いました。
天国がなくちゃあ救われんぜ、というのもわかります。しかし私は「地獄もあって
頂きたい」と思ったりもするのです。それはルサンチマンではなく、俺自身のためです。
なにせ「すみません・・・!謝罪のしようもないんですが・・・」ということが
たくさんあるんだよ!罰を受けて針の山で痛い目にあえば、それが清算されるのか?
肉体的な痛み苦しみならば、まだ救いがあるってもんだよ。「永遠」はさすがに勘弁
してもらいたいけれどw
おおお、古い酒屋の看板。
何かの老舗だな。敷居が高くて入らないけれど。こういう古い街並みは、車の侵入禁止に
すればいいと思うんだけどなー。
穴水の散歩も終わり、のと鉄道七尾線に乗って七尾へ向かいます。俺が乗るやつは
萌え系じゃないんだなw
富山湾は能登半島にぐるりと囲まれている地形ですが、このあたりはそれがまた
さらに奥まった湾になっています。
マンホールのデザインにも使われている「ボラ待ち櫓」が見えました。あそこから
見ていて、網にボラが入ったらサッと引き上げるらしい。
鹿島神社だそうです。
ううむ、いいところにあるなあ。ちなみにここは湾のぐっと入り込んだところだから
日本海の荒波もないと思われる。Green Bush on the Seaなんて名前をつけた家が
なかにあったりしたら素敵だな。
あれは能登島にかかる橋か。
そういえば四国も橋でつながっているし、天草もつながるようになったもんなあ。
住んでいる人にとっては、車でそのまま行けるわけだから格段に便利になったこと
でしょう。旅好きの部外者は、無責任にも風情がなくなっちまうと寂しくなるのでした。
そして電車は内陸部に入って行きます。
おっと、ぽつんと一軒家だ。上下水道や電気は来ているのか?ブロードバンドは
たぶんないと思われるが。こういうところに住んでみたいなあー。まわりから離れた
一軒家はお化けが怖い、という人がいるけれど、こんなところまでお化け来ないよね?
あ~でも、真冬の雪景色のなかだったら、深夜に「トントン・・・」なんて~♪
ちなみに小泉八雲の「雪女」、すごい美女に冷凍にされてしまいます。じーさんは
凍死しますが、若者は殺されなかったどころか、雪女が化けてお嫁さんになってくれます。
俺は中年だから微妙だな。。。 お嫁さんにはなってくれそうにないぞ。いまはまだ
死にたくないので、ヨレヨレじじーになったら、現れて凍らせてもらいたい。
こんな安楽死、男の夢じゃなかろーか。息を吹きかけそうになったら、「Chu~で
お願いします!」って言ってみようっと♪ (^益^)b
ちなみにまわりが田んぼだと見晴らしがよくていいけれど、農薬散布はどうなんだろ。
以前にすごく撒いているいるのを見たことがあります。虫なんかがみんな死ぬんだから、
人間にもいいわけがない。田んぼの近くに住んでいた友人は、夏になるとカエルの
合唱がものすごくうるさいけれど、農薬を撒いたその夜からピタッと静かになると
言っていたので、毒素は強いように思われるが。。。 でも米は食ってるからなー。
ちなみに農家出身の人は、自分の食べる分は農薬撒かずに作って、よけておくのだとか。
ううむ、米で作った日本酒も飲みまくっているけどなー。
穴水駅に到着しました。この町ではよく「遠藤知ってるでしょ?!」と聞かれます。
おらが村の英雄なのです。ちなみにローカルニュースでは、場所中には必ず地元力士の
勝敗を伝えるものです。しかし↑これにおっさんが顔を出したら変だよねw
さあて次の電車まで、しばらく町を彷徨うことにしよう。知らない町を歩くのは
旅の醍醐味。「能登ワイン」なんてのもあるようだが、歩いては行けなそう。
町を通る川を下れば港に出るはずだ。小さい町だから歩けばすぐだろう。
中州にお寺か。こんなところに住めたらいいよなあ。
マンホールに描かれているのは「ボラ待ち櫓」です。
この画像は、あとで穴水から電車に乗ってすぐに見えてきた櫓。ウィキペディアによれば、
「ボラは警戒心が非常に強いため、漁師はこの櫓の上から海底に張ったフクロ網の上を通るのを待ち、網を通るとすぐさま引き上げる。この漁方は江戸時代に始まり、かつては、湾内に多数の櫓を見ることができたが、1970年代から急速に減少し、現在は観光用に残されているのみで1996年を最後にこの漁は行われていない」ということだそうです。
ホレ、橋にも「ぼら」の絵が。
さてこの先が海で、湾が見渡せて、そこには「蔵カフェ」があるようだ。そこで
何か食べようかな。ム、しかし向こうから人がぞろぞろ歩いてくるぞ?何かあるのか?
シャー!「秋の収穫感謝祭」をやってたかー。じじばばばかりで、役員のじーさんが
なにやら挨拶をしていました。
品評会?なにかヲヴァ~サンたちが並んで戦戦兢兢としていたので、安売りでもするの?
いろんな出店がありました。田舎らしく、ストーブやら農機具なども陳列されています。
うわー、こんなのもたくさん売られていました。あとじじばばが乗る電気三輪車なんかも
売っていて、ばーちゃんが嬉しそうに試乗していました。
イベントのせいか、カフェも閉店だったので、しかたなく町へ戻る。
なんかオサレな喫茶店があるぞ。「営業中」なので入ってみる。ちなみに隣の洋菓子店
とは、中でつながっていました。
おわっ!家族で干し柿を作成中。ばっちゃんと目が合ったので「営業中ですよね。。。?」
と聞くと、「どうぞどうぞすみません~」と入れてもらう。
取り込み中なので、はじっこの懐かしいゲーム機のテーブルに座る。
ミックスサンドにコーヒーをいれてもらう。知り合いから山ほど柿をもらったので、
せっせと作っているそうです。2週間くらいで食べられるようになるんだって。
白い粉が出てくるくらいまで、固くなるまで干したりもするけれど、ばっちゃんは
柔らかくてトロトロくらいが好きなんだって。俺もそうだと意見が一致しました^^