緊急避難型の問題点としては正規社員のワークシェアリングによる収入切り下げが、それだけに留まらず元々低く設定されている非正規従業員の賃金カットにまで及び、生活の維持が困難な水準まで低減されているということがあります。またワークシェアリングを導入した企業では優秀な社員が流出するという怖れも出てきているということです。
一方、国策として多様就労型を採用しているデンマークの取材では、パートなどを含めた多様な働き方を認め合う前提に「同一労働・同一賃金」という業界毎の法整備が必要ですが、一生の安心生活が保証され「世界幸せ度ランキング」第一位(ちなみに日本は90位です)の国民意識を作りだしているということが紹介されていました。しかし、その財源として所得税が64%の高負担となり、ある本によるとオランダを代表するAV家電のフィリップスなどは、その労務管理の負担により祖国であるオランダから企業(人材)流出してしまったということもあります。
雇用を生み出す日本の企業もグローバルな競争に常に曝されています。国の労働政策と国民の意識・選択の方向性がどちらへ向かうべきなのか、広く議論がされる良い機会になるのではないでしょうか。