最近、数学に関する本が売れていると聞きました。微分積分とか数字的なことよりも、数学的な考え方とか一般人にも興味が持てるアプローチをしている内容のようです。僕が本当にすごいと思え信頼できる人は、評論家で言えば概念や印象だけで議論するような人より、実際の数値データに強くその上で経済提言や予測をしてくれる人ですが、そのような評論家はとても希少です。
この『大人の科学』の“読者”も多くは前者の一般人を対象に、かなり受けている企画だと想います。僕自身も近くの本屋で見ると毎回手にとって暫く考えさせられます。最新号の懐かしい2眼レフ・カメラは少し玩具っぽく写ったのですが、ミニ・ギター(4本弦だからウクレレでしょうか)は食指が動きました。結局買わなかったのですが、その後アーティストの本などで話題になっているのを読み、今でも興味を持っています。
この種の本は僕らの子供の頃の小学生向けの科学・実験付録が前身で、その後も好奇心を持ち続けている大人を対象に企画されたものでしょう。
梅田の紀伊国屋のショーウィンドーに『大人の科学』の歴代号が実物展示されて、多くの通行人の目を留めています。音楽・楽器では他にテルミンやプラ・コップ蓄音機があったり、電子回路のマイコンキットが時代を感じさせます。中には暫く佇んで楽しそうに見入っている人もいました。こうして並べて見ると何となく『男の科学』的に思ったのは僕だけでしょうか。