続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

カフカと賢治。

2014-06-02 06:43:26 | 日常
 二人の作家は酷似した見解を抱いている。

 作品の構造の主軸を天に置き、北極星(カフカ)や北十字(賢治)を、現世と来世の転換点としている。
 そして精神は平等と尊厳である。賢治はドットド ドドウドと歌うように同(ドウ)/平等を願い、カフカは人としての平等であるべき尊厳を願っている。

 賢治は来世はみな星(太陽)になるといい、カフカもまた、星(太陽)の羅列の眩しい場所に驚愕している。賢治は来世での幸福を夢想しているが、カフカは母なる子宮に向かうという蘇生を暗示している。

 二人とも死を機軸におき、現世を七つ森(賢治)、七つの山の向こうには(カフカ)というように、七つの海を逆さに捉えた描写をしている。

 悲しみのない自由で平和な世界への憧憬が作品の根底を支えていると思う。

 賢治の平等への賛歌に対し、現世での憤り(復讐)が底深く流れるカフカの作品には原罪を感じざるを得ない。


 ただ賢治の言葉『毒蛾』→独我(どこまでもわたくし一人の見解でございます)というに尽きる、わたしの見解であります。

『城』1641。

2014-06-02 06:17:22 | カフカ覚書
だって、わたしが知っているかぎろでは、あなた自身が助手をお求めになったんですもの。だから、いまだって、こうしてあなたのそばについているのですし、これからだって、手もとに置いておかなくてはならないでしょう。いちばんいいのは、事実そのとおりなんですが、このふたりをあっさりやくざな手合いだと決めこんでしまうことです。そうするのが、この人たちを我慢するいちばんいい方法ですわ。


☆わたしが知るかぎりでは、K自身が助手(脳、知覚)を必要としたんです。だからあなたの傍らにいて記憶しているんです。いちばんいいのは、死体を仲間にいれることです。氏族の死体もまた存在なのですから。耐えることがいちばんの方法ですわ。