『オルメイヤーの阿房宮』
『オルメイヤーの阿房宮』という小説があるらしい。父と娘の愛の葛藤、不条理劇である。父と娘…親あるいは子への執着、偏執ともいえる愛の形の悲劇。
背景はオレンジ色のベタ…つまりは時代を特定しない時空であり、過去から未来における永遠に発生しうる現象としての『オルメイヤーの阿房宮』である。
一本の樹(宮)は空洞と化し疲弊しひび割れている。その根幹はどれなのか定め兼ねる混迷、因果関係は複雑に絡み合い地中深く残存している。しかし、総ては形骸化し果てた空想の産物としての笑いもの(否定)である。
どんなに恋い慕っても返ることのない絆。亡母への執着、それは『オルメイヤーの阿房宮』に酷似した思いではないか…マグリットの琴線に触れた小説を換言した哀しいまでの愚行を象徴的にイメージ化したのだと思う。
(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)
「さあ、呑むよろしい。これながいきの薬ある。ああ呑むよろしい。」とやつてゐます。
「はじめた、はじめた。いよいよはじめた。」行李のなかでたれかが言ひました。
☆呑(他を取り込む)約(取り決め)があり、貪(欲張ると)講(話)の裏(反対側)が現れる。
貪(欲張って)再び読み、呑(他を取り込むこと)。
それで、あの子の希望は、いまでは官服を支給してもらいたいというところまで高まっているのですがわたしは、たとえば、二時間足らずであの子のズボンを仕立てなおしてやらなくてはなりませんでした。
☆たとえば、それにもかかわらず、先祖の使命の提案を希望するところまで高まっているのですが、わたしは、と言えば、疑惑の死期を改めなくてはなりませんでした。