続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)蚊不死の。

2021-05-13 07:22:45 | 飯島晴子

   蚊不死の見たくない山ばかりなり

 蚊不死のはブン・フ・シと読んで、文、封、詞。
 見たくない山はゲン・サンと読んで、現、三。
☆文に封(閉じ込めた)詞(言葉)には、現れる三つがある。

 蚊不死のはブン・フ・シと読んで、文、附、詞。
 見たくない山はケン・センと読んで、兼、選。
☆文に附(付き従う)詞(言葉)は、兼ねて選んでいる。

 蚊不死のはモン・フと読んで、悶、怖。
 見たくない山はゲン・サンと読んで、言、惨。
☆悶(もだえ苦しむこと)を怖れ、死を言う惨(傷ましさ)。

 蚊不死のはブン・ブ・シと読んで、文武、志。
 見たくない山はケン・サンと読んで、兼、賛。
☆文武(学問と武芸)を志し、兼ねることを賛(称える)。


若林奮『1-2-2』

2021-05-13 06:41:01 | 美術ノート

   『1-2-2 中に犬・飛び方』

 中に犬・・・囲まれている、何に?
 飛び方・・・確かに浮いている(かも)。
 How  to fly、飛び方。

 この条件を満たす答えは何だろう、飛ぶとはどういうことだろう。地上から離れる、すなわち、重さに比してとんでもないほどのエネルギーを要する行為である。
 犬を自身の謙称として、通常地上において安息を得る生物(自身)が、空中を浮上し、しかも移動を可能とする方法。
 中間にあるものを犬だと認めて、上部の鉄板には泡状の膨らみがある。これは下からのエネルギー(力)によるものだと理解でき、この二つには因果関係があるような想定がある。けれど、犬には吊り上げられているような線条もあるが、他方には下降を加速させる重しのような塊もある。
 落下せざるを得ない重し(重力)と、引き上げるかの線状はこの作品においては均衡がとれている。

 中に犬、存在するものは空気中に在る。この条件下での飛翔は重力との戦いであり、重力を突破するエネルギーの確保である。
『1-2-2 中に犬・飛び方』とは、希望というより現実の残酷な、抵抗の過多ではないか。にもかかわらず、《飛んでみせる》という静かな反骨、噴射のエネルギーへの憧憬、現実突破の鍵、…悟りへの道筋さえ感じてしまう。絶望(決して飛べない)への静謐な眼差しがある。


 写真は若林奮『飛葉と振動』展より 神奈川県立近代美術館


『城』3650。

2021-05-13 06:24:22 | カフカ覚書

だいたいー」と、ここで悪寒のようなものが、彼女の全身を図走ったらしかった。「だいたい、あなたがわたしの衣裳のことなど気になさるのがおかしいじゃありませんか。そうでしょう」
 Kが無言のままふたたび行きかけようとすると、お内儀は、「いったい、あなたはどこで衣裳のことなどお知りになったの」と、たずねた。
 Kは、わたしはなにも知っちゃいませんよ、というように肩をすくめてみせた。


☆それはそれとして、この際、それはぞっとするような伝説ですね。
 わたしの氏族を作り上げるなんて、あるべきではありません。
 Kは無言のまま引き返そうとすると、「どこで氏族のことを知ったんですか」と、訊ねたので「小舟のことは知っています」と、肩をすぼめて見せた。