続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)高く低く。

2021-05-14 07:10:36 | 飯島晴子

    高く低く茄子親身に顕はるゝ

 高く低くはコウ・テイと読んで、構、程。
 茄子はカ・シと読んで、苛、至。
 親身に顕はるゝはシン・シン・ケンと読んで、芯、進、件
☆構(組み立てる)程(みちのり)は苛(厳しい)。
 芯(中央/本題)に進む件(ことがら)がある。

 高く低くはコウ・テイと読んで、高、弟。
 茄子はカ・シと読んで、嘉、師。
 親身に顕はるゝはシン・シン・ケンと読んで、親、請、遣。
☆高弟は嘉(すぐれている)。
 師が親(みずから)請(たのみ)遣(つかわせている)。

 高く低くはコウ・テイと読んで、講、綴。
 茄子はカ・シと読んで、化、詞。
 親身に顕はるゝはシン・シン・ケンと読んで、新、真、兼。
☆講(話)を綴り、化(形、性質を変えて別のものになる)詞(言葉)は、新しい真(真理)を兼ねている。

 高く低くはコウ・テイ はと読んで、更、訂。 
 茄子はカ・シと読んで、可、私。
 親身に顕はるゝはシン・シン・ケンと読んで、信、芯、見。
☆更訂(出版物などの内容を改正すること)を可(よいと認める)。
 私信(内密の通信)の芯(物の中心)が見えてくる。


鈴木しづ子(私的解釈)御身愛し。

2021-05-14 06:56:34 | 鈴木しづ子

   御身愛しリラの押花送られたし

 御身愛し、ご自分がいちばん愛しいのは当たり前、ごもっともでございます。リラの押花でもお別れの言葉の代わりに送ってくださいな。二人の置かれた微妙な位置関係。別離(終焉)を前提の恋。

 でもね・・・湧き起こる未練との葛藤、消し去ることの難しさ。いっそ、あなたから告げられるのなら、気持ちの整理も付くでしょう。


若林奮『1-2-3』

2021-05-14 06:25:17 | 美術ノート

   『1-2-3 犬から出る水蒸気』

 犬から出る水蒸気・・・犬の呼吸? 生きて在ることのエネルギーの放出。存在者の周囲(世界)とのかかわり、関係性。
 見えないものを固形化する、しかも、それと知るようなイメージを排除した鋼鉄、きわめてイメージから遠いものに置き換えている。

 上へ立ち上る蒸気、それを抑え込む圧。端にはバランスを崩しかねない重し(引力)がある。犬は自身であり、生きとし生きるものの任意の呼称であるが、犬の存在はない。ただ、水蒸気めく泡(球体)の形状を暗示するのみである。

 犬から出る水蒸気は単純に上方へ立ち上っていかない。平板な板(圧力/抵抗)がのしかかり、行く手を遮っている。
 水蒸気、すなわちエネルギーの放出は生きる証であり、不透明な主張である。
 任意の犬、誰でもないが誰かである犬は、確かに生きている。生きて世界との競合を図っている。ごく小さな泡状は世界へ発信しているはず・・・けれど、留まらざるを得ない。世界(平板な板)はそれを制御し、わずかに泡の突起が残存の形跡を見せるのみである。

 任意の生き物、仮に犬(人間)として、その周囲(世界)との関係性を問うている。見えない圧(批判・中傷・嘲笑)があり、しかもそれに加担する重し(引力)まである。
 水蒸気は何時かは消失する主張(叫び)であり、日常の泡である。


 写真は若林奮『飛葉と振動』展より 神奈川県立近代美術館


『城』3651。

2021-05-14 06:14:29 | カフカ覚書

「なにもご存じないのね。それじゃ、知ったかぶりをなさるのは、おこがましいことですよ。むこうの帳場へ来てごらんなさい。あなたに見せてあげたいものがあるの。それを見たら、そんなずうずうしい口をきくことは、たぶん永久におやめになるでしょうよ」


☆「小舟があります、小舟を自分のものにするべきです。向こう、反対側をごらんなさい。あなたは勇敢にも常に止めるでしょう。」と、言って彼女は先に立って出ていった。