続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)草上に。

2021-05-19 06:57:37 | 飯島晴子

   草上に秋の醤油を垂らす琴主

 草上はソウ・ショウと読んで、宗匠。
 秋の醤油はシュウ・ショウ・ユと読んで、衆、照、由。
 垂らす琴主はスイ・キン・シュと読んで、推、筋、趣。
☆宗匠(俳句などの師匠)は衆(大勢の人)を照(見比べること)を由(経て)推しはかるのは、筋(すじ)の趣(志すところ)である。

 草上はソウ・ショウと読んで、層、章。
 秋の醤油はシュウ・ショウ・ユと読んで、収、衝、愉。
 垂らす琴主はスイ・キン・シュと読んで、遂、勤、取。
☆層(幾重にも重なる)章を収めると、衝(重要なところに出くわす)愉(楽しみ)がある。
 遂(やりとげて)勤めて取(手に入れる)。

 草上はソウ・ジョウと読んで、争、状。
 秋の醤油はシュウ・ショウ・ユと読んで、醜、傷、諭。
 垂らす琴主はスイ・キン・スと読んで、推、金、須。
☆争う状(ありさま)は醜く傷(心が痛む)。
 諭(教え導くこと)は、推(ゆずることこそ)が金(美しく立派)であり、須(必要)であると。

 草上はソウ・ジョウと読んで、葬、場。
 秋の醤油はシュウ・ショウ・ユと読んで、愁、傷、諭。
 垂らす琴主はスイ・キン・シュと読んで、衰、緊、修。
☆葬場(葬儀場)で愁傷(愁い悲しむ)。
 諭(悟る/言い聞かせること)は、衰えることが緊(差し迫っていること)を修(学ぶこと)である。


若林奮『Ⅰ-4-7』

2021-05-19 06:30:11 | 美術ノート

   Ⅰ-4-7 Untitled

 正立方体のようなものがびっしり隙間なく縦横に並んでいる。しかし、下部に角柱状の空洞がある。貫通しているか塞がれているかは分からないが地下の空洞である。
 空洞はトンネル状(円形で通路面のみを水平に切ってある)でない限り、力学的に見て崩壊を免れ得ない。つまり極めて崩落の可能性が高い構造である。

 この示唆するものは何か。
 地上からは決して見えない危険の内包である。しかし、これは自然にはあり得ない景色であって人為の成せる光景である。自然の営為は力学的に説明がつくが、この形状は観念的であり、未来(時間の経過)を待たないほどの壊滅である。

 一見、静かな光景の持つ恐怖。
 作家は一寸先の闇の脅威に杞憂している。見えないが、確かにあるに違いないという空想上の恐怖である。
 心理的な動揺の起因は闇に潜んでいる。見えないが確かにあるに違いないという憶測は、時を選ばず出現する誰しもが抱く不安である。


 写真は若林奮『飛葉と振動』展より 神奈川県立近代美術館


『城』3654。

2021-05-19 06:18:48 | カフカ覚書

ゲルステッカーが、玄関のところで待っていて、Kと話したいことがあるというのだった。彼を振りはらうのは、容易ではなかった。お内儀も、助けに来てくれて、あつかましすぎると言って、ゲルステッカーを叱りつけた。


☆ゲルステッカーが災禍のことでとどまり、Kと話したいというのだった。彼を振りはらうのは容易ではなかった。女主人も助けてくれ、ゲルステッカーを非難した。

※ここで話の裏を暴露すると、ゲルステッカーは《死》、女主人は《生》。生と死のいざこざ?である。