7月雇用統計が早々と発表されたので速報をいれ安心して寝たが、今朝目が覚めてみたらNYダウは前日比ほぼ横ばいの2ドル安で取引を終了していた。
米国の雇用数が、5月10万増、6月12万1,000増、7月11万3,000増と来て、失業率が4.6%から4.8%へ増加すれば、米FOMCに利上げ打ち止めの余地を与えても、むしろ景気悪化が再確認されたわけだから当然先行き企業業績が悪化する。
マーケットは利上げ打ち止めは期待するが、石油の値段はFOMCの手の内に無い。仮に8月8日に利上げを見送っても、インフレが進めば見送った分、年末にかけて再利上げを迫られるからその分舵取りが難しくなり、むしろ禍根を残すかもしれない。
そもそもの米国の利上げの目的はインフレ(ドルの目減り)が行き過ぎないようにインフレの芽を摘み取るための手立ての一部にすぎない。景気が悪化して、同時並行的にインフレはお構いなく進む可能性が否定できない今の段階で、バーナンキ議長は利上げ打ち止めに踏み切らない可能性も十分あるとマーケットは頭を冷やしたようだ。
8月4日のNY株式市場の相場の流れは、相場というものは人の心の鏡であることを改めて教えてくれた。条件反射的に行動してみたものの、ひとの心の中身まで変えられなかったとも見ることも出来る。からだは動いても心はなかなか動かない。
8月8日のFOMCの会合でFOMCは利上げ継続を見送りますか?と問われてそのチャンスは50:50だと答える人がまだ15%いると今朝のWSJ紙は紹介している。
ただ、先日発表の2006年4~6月期の米GDPが予想を大きく下回り2.5%を記録したときは利上げ見送りの見方は50%だった。それが今回の7月の雇用統計発表後は15%まで大きく減ったことは事実である。馬券のオッヅと同じで「利上げ継続」に賭ける人もいる。
一方、この日のNY為替相場は、7月の雇用統計の発表を受けて、ドルは売られ、1ユーロ=1.9078ドル、1ドル=114.40円で取引された。同じ日、債券相場は値上がりして、10年物国債の利回りは年4.903%へ低下した。対欧・日で金利差拡大と為替市場はみたようだ。
NY原油先物(WTI)相場は、フロリダ沖まで接近していたChrisの勢力が衰え、ハリケーンに発達せずとして、これを材料に売られた。中東紛争も局地の戦闘にとどまり戦争にまで発展しないと見て、目先売り先行のムードが強まり、バレル74.65ドルで取引された。
相場は人の心の鏡である。相場も賭け事も同じである。高をくくると失敗する。(了)
江嵜企画代表・Ken
米国の雇用数が、5月10万増、6月12万1,000増、7月11万3,000増と来て、失業率が4.6%から4.8%へ増加すれば、米FOMCに利上げ打ち止めの余地を与えても、むしろ景気悪化が再確認されたわけだから当然先行き企業業績が悪化する。
マーケットは利上げ打ち止めは期待するが、石油の値段はFOMCの手の内に無い。仮に8月8日に利上げを見送っても、インフレが進めば見送った分、年末にかけて再利上げを迫られるからその分舵取りが難しくなり、むしろ禍根を残すかもしれない。
そもそもの米国の利上げの目的はインフレ(ドルの目減り)が行き過ぎないようにインフレの芽を摘み取るための手立ての一部にすぎない。景気が悪化して、同時並行的にインフレはお構いなく進む可能性が否定できない今の段階で、バーナンキ議長は利上げ打ち止めに踏み切らない可能性も十分あるとマーケットは頭を冷やしたようだ。
8月4日のNY株式市場の相場の流れは、相場というものは人の心の鏡であることを改めて教えてくれた。条件反射的に行動してみたものの、ひとの心の中身まで変えられなかったとも見ることも出来る。からだは動いても心はなかなか動かない。
8月8日のFOMCの会合でFOMCは利上げ継続を見送りますか?と問われてそのチャンスは50:50だと答える人がまだ15%いると今朝のWSJ紙は紹介している。
ただ、先日発表の2006年4~6月期の米GDPが予想を大きく下回り2.5%を記録したときは利上げ見送りの見方は50%だった。それが今回の7月の雇用統計発表後は15%まで大きく減ったことは事実である。馬券のオッヅと同じで「利上げ継続」に賭ける人もいる。
一方、この日のNY為替相場は、7月の雇用統計の発表を受けて、ドルは売られ、1ユーロ=1.9078ドル、1ドル=114.40円で取引された。同じ日、債券相場は値上がりして、10年物国債の利回りは年4.903%へ低下した。対欧・日で金利差拡大と為替市場はみたようだ。
NY原油先物(WTI)相場は、フロリダ沖まで接近していたChrisの勢力が衰え、ハリケーンに発達せずとして、これを材料に売られた。中東紛争も局地の戦闘にとどまり戦争にまで発展しないと見て、目先売り先行のムードが強まり、バレル74.65ドルで取引された。
相場は人の心の鏡である。相場も賭け事も同じである。高をくくると失敗する。(了)
江嵜企画代表・Ken