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中国0.27%利上げ、為替市場は反応せずー学校で教えてくれない経済学

2006-08-20 05:52:01 | 経済学
中国銀行は、先週金曜日(8月18日)、一年物貸し出し金利、預金金利それぞれで0.27%利上げした。利上げは今年2回目である。貸出金利は6.12%へ、預金金利は2.52%となった。

NY為替市場では、中国銀行の利上げは極めて小幅であったため、ドル相場への影響はほとんど見られなかった。1ユーロ=1.2830ドル、1ドル=115.78円で取引された。ドルは昨年8月時点と比べ対ユーロで5.4%下げ、対円では5%値上がりしたが、当面、狭いレンジ内での動きで推移するとの見方が多いようだ。

WSJ紙(8月19日)によれば、今回の中国の利上げは、特に道路、発電設備など特に地方でのインフラへの過熱投資を抑えることを目的として実施されたといわれている。

ただ、中国のGDPは2006年4~6月期11.3%増加した。今回程度の小幅利上げでは過熱投資にブレーキをかけられないとの予測が多く、中国政府は年内に再度利上げするとの専門家の見方を紹介している。

一部の見方では、今回の中国の利上げは、中国銀行が、低金利継続を嫌気して、銀行からの預金引き出しが加速化することを怖れて実施したと言われている。その一方で、今回の0.27%の利上げ程度では、インフレ率を勘案すれば事実上ゼロであるとして、証券不動産投資への歯止め効果は期待できないとの香港筋の見方を紹介している。

世界銀行、北京駐在エコノミスト、Louis Kuijs氏は,民間政府機関ともに最近の中国の投資は、教育、ヘルスケアを含む製造業に対する健全な投資であり、十分利益を上げているから過剰反応する必要はないと指摘しているとWSJ紙は紹介している。

NY外国為替市場でも今回の中国の利上げは冷静に受けとめられたようだ。為替市場は、ミシガン大学の8月中間調査で、米国の消費者信頼感指数が7月の84.7が78.7へ低下したことをドルに弱材料となるとWSJ紙は紹介している。

中国の利上げは日本の金利との関連で、どちらかといえば対ドルでの円高要因とされ易い。ただ、日銀は再利上げには慎重な姿勢を堅持していることから、今の段階で円高が一気に進むとする見方は少ない。対ユーロでも欧州景気が米国経済の減速の影響を受ければECB(欧州中央銀行)は再利上げを見送る可能性が高い。

8月も残りわずかとなった。次回9月20日開催の米FOMCまでは大きなイベントは見当たらない。ドル相場は、中国利上げも飲み込んで、当面小康状態が続きそうだ。(了)

江嵜企画代表・Ken


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