ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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2007年上半期米GDP2.6%増へ減速:エコノミスト予測ー 学校で教えてくれない経済学

2006-08-14 16:43:09 | 経済学
先週末のWSJ紙に2006年後半から2007年前半をエコノミスト56人の米国経済に関する展望が出ていたので紹介したい。ご関心のある向きはご一読願えればありがたい。

「学校で教えてくれない経済学」と「スケッチ&コメント」の投稿を始めたのが2004年10月だった。そろそろ2年目を迎える。その間いろいろな事件が起こり、内外経済も大きく転換してきた。読者の反応もまちまちで、『スケッチ&コメント』は転送無用という率直な意見もあれば、経済問題は興味が無いし、読んでもよく分からないとおっしゃる方もおられて、受け止め方は人様々なようだ。

そのなかでもいつも楽しく読ませていただいているとお便りをいただくとよしがんばろうと元気が出てくるから不思議である。書き手にとってなしのつぶ手というのが一番こたえるがそれとても一方的に手前勝手に送っているのだから責められない。

本題に戻る。米国経済を一口で言えば先行き曇り空、この日のWSJのタイトルも“Paint
Gloomier Picture”となっていた。米GDPで見れば、2006年1~3月から四半期順に5.6%、2.5%、2.8%、2.6%、2007年1~6期はならしで2.6%とがエコノミストの平均値である。

米国経済は、減速傾向を徐々にはっきりさせてくるが、一挙にリセッションに突入する、ハードランディングはないだろうとの見方がエコノミストでは一般的なようだ。世界経済が米国の動向に影響を受けることは明らかだから、米景気減速でもソフトランディングしてくれれば贅沢はいえないのかもしれない。

2006年の景気指数でエコノミストの予測が外れたものがひとつあった。それが原油相場である。エコノミストは2006年6月末の原油相場(WTI)をバレル67.27ドルと予測した。結果は73.93ドルだった。エコノミストは概して原油相場を低めに見積もる傾向が以前から見受けられる。その意味ではBPアラスカ油田のパイプライン油漏れは今年3月に発覚していた。米議会でも取り上げられた。それを過小評価したのではないかと思う。

米経済減速シナリオでは、原油はじめ商品相場上昇を小売・流通へ向けた価格転嫁が進み、その分インフレ率が上がる。CPI(消費者物価指数)の伸び率を5月時点の2.5%から2.8%へ上方修正した。ただ、住宅需要の鈍化、住宅価格の値下がりから担保価値低下、それが個人消費にも影響するとの見方もある。失業率は4.6%から4.9%へ増加すると見ている。

株式市場も注目している米FOMCの利上げ見通しについては、エコノミスト56人のうち
29人が0.25%再利上げが年末までにあると見る一方、27人が年末まで5.25%据え置きもしくは利下げもありうると予測している。景気判断に見方が分かれているのであろう。(了)

江嵜企画代表・Ken


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