車中風景：母と息子-スケッチ&コメント

ノボテル甲子園に所用があり御影で特急に乗った。
前の席におそらく息子だろう母親の腕にしっかりと
手を巻きつけて顔半分は母親にうずめるように
眠りこけている姿がなんともほほえましく
思わずスケッチしたくなった。

夏の甲子園が終わり特急も通常ダイヤに戻ったので
甲子園に停まらない。御影、魚崎、芦屋と来れば次は
西宮だからせいぜいその間7分か8分はかからないから
スケッチを急いだ。

今年の夏はことのほか暑かった。車内の二人も
夏の疲れがどっとでたのであろうか。西宮、西宮の
アナウンスにもぴくりともしなかった。

西宮で急行に乗り換え甲子園で降りた。
甲子園駅は時間帯にもよるだろうが、午後の5時前にも
かかわらずつい2日前がまるでうそのような静けさだった。

阪神タイガースの甲子園での試合をまだ十何試合も
残してこの静寂は一体なにを意味しているのかと
つい考えてしまう。

ノボテル甲子園の宴会係の女性に景気はどうかと
尋ねたら多くも少なくもないという当たり障りない
答えがはねかえってきた。そういえば人もまばらである。

このホテルは甲子園球場とほぼ隣接している。
タイガースの試合とセットにした宿泊パックも設定して
いるが中日とのゲーム差がこうも開いてしまえば
商売にも力がはいらないだろう。

今年は特に、高校野球で燃えに燃えた甲子園だけに
タイガースが戻ってきて余計しらけムードが出たという
話だけは勘弁してもらいたい。（了）



Kenさんのスケッチは、ブログ容量の関係で削除させて頂きましたが、１１月１日に、「かんぽう」さんから『ユニークに乾杯』というタイトルで出版予定です。定価2.000円。
ISBN978-4-904021-03-3　　C0071 1905E　
株式会社 かんぽうサービス　℡06-6443-2173
大阪市西区江戸堀1-2-14　肥後橋官報ビル６Ｆ（〒550-0002）

7月米住宅販売件数前月比4.1%減、ＮＹダウ41ドル安ー学校で教えてくれない経済学

からだを冷やすことが健康に一番良くないことはよく知られているが、経済でもそれは同じである。昨今の米国での住宅事情の冷え込みが米国経済のからだ全体の健康をじわじわと悪化させそうで、無視できない。

8月23日、全米不動産協会は、7月の中古住宅の販売高が前月比4.1%減少、年ベースで633万件と発表した。アナリストは減少を見込んで655万件と予測していたが、予測以上に減少したことでショックも大きいようだ。これは4ヶ月連続の減少であり、2004年以降2年半来最低を記録した。

売れずに残って在庫となった7月の物件が、386万件と過去最高を記録した。このままのペースで販売不振が続けば、新規着工件数次第であるが、在庫が生産分の7.3ヶ月分になるだろうとエコノミストは予測している。売れないから値段を下げる。値段を下げるから買い控える。買いを控えるから在庫が増える。在庫が増えるから値段が下がる悪循環である。

ＩＴバブルが崩壊したのは2000年である。それを深傷にならずに食い止めたのが前米ＦＲＧ議長のグリーンスパンの功績として評価される低金利政策であった。ＦＦレートを年1.0%へ下げた過程で住宅ブームを起こしたとも指摘できる。

ところが物事にはいいことばかりでない。行き過ぎた住宅ブームにブレーキをかけるべく実施した0.25%きざみの連続17回の利上げが、ボディーブローよろしく住宅需給にダメージを与えたのだから皮肉である。

8月23日のＮＹ株式市場は、予想外に悪い住宅データが重くのしかかり、ＮＹダウ、ナスダック指数、Ｓ＆Ｐ500種平均株価いずれも値下がりした。このままのペースで進めば住宅需要に急ブレーキがかかる。結果として米国経済のソフトランディングへのほのかな期待も消えてしまうとの危機感がマーケットに弱気虫を呼び覚ましたのであろう。

米国景気の先行きにブレーキをかける要素に原油相場の動向が指摘できる。この日のＮＹ原油先物相場は在庫増加を嫌気してバレル1.60ドル値下がり、71.50ドルで取引された。ただ、イラン核問題の先行き不透明で原油相場がこのまま収まる可能性は薄いであろう。

ＮＹ為替市場は、米住宅需給の悪化は利上げ見送り期待から本来ならドル売り材料だが、大きな影響を与えず、1ドル＝116.50円、1ユーロ＝1.2796ドルで取引された。

からだを冷やすことは健康に一番よくない。原油高止まりと米住宅落ち込みによる個人消費冷え込みをどこまで食い止められるかどうかが米国経済の健康状態を決めそうだ。（了）

江嵜企画代表・Ken

早実再試合制し初優勝：夏の甲子園-スケッチ&コメント

早稲田実業が決勝戦再試合で駒大苫小牧を
４－３で破り第８８回全国高校野球大会の覇者となった。

昨日の１５回にわたる息詰るような投手戦とは
違い早稲田が先行し、苫小牧が追いかける展開と
なった。苫小牧は土壇場の９回、ノーアウトで出塁、
なんとあと２ランホームランである。しかし後続が
早実の好投手斉藤にかわされた。

高校野球連盟の脇村会長が挨拶の中で、今年の大会を
総括されたが、逆転、再逆転、また逆転と文字通り
手に汗握る好試合が続いた。

好ゲームが続き、満員札止めの日が５日もあった。
あまり記憶にない出来事である。決して諦めない
高校野球の原点を改めて思い起こさせてくれれて
大いに元気をもらった。

平日だから今日は入れるだろうと思ったが、それでも
試合開始１時間半前に甲子園球場に着いた。ところが
売り切れが迫っています。売り切れの場合はご容赦願いますと
アナウンスしているではないか。小走りで入場券売り場に
駆けつけ辛くも一塁側内野特別自由席を手に入れることが出来た。

内野席に入ったものの座る場所が全く無い。所在なさそうに
うろうろしていたらほぼ最上段の場所近くまでたどり着いたところ
ひとつ席が空いてますよとご婦人の声。ラッキーだった。

お隣に大阪から今日で今大会四度目の甲子園という
老紳士が声をかけてきた。スケッチをしているのを見ていたのだそうだ。
どうしてこんな大きな甲子園がハガキ大の手帳におさまるのかと
おっしゃる。

それがきっかけでいろいろ話かけてきた。生まれは横浜なので
横浜を応援したが横浜が負けた。次は２０年来住んでいる大阪の
代表大阪桐蔭を応援したが負けた。最後は隣の東京の早実を
応援しに来たと話してくれた。

ご婦人の姿も多く見られたが、今年の甲子園は団塊の世代というか
比較的お年をめした男性が目立っていたように思う。
夏の甲子園球児が思い起こさせてくれた最後まで諦めないという
貴重なお土産をいただいて甲子園球場を後にした。

夏の甲子園が終わると関西には一気に秋が訪れる。
今年も残り４ヶ月強を残すのみとなった。（了）



Kenさんのスケッチは、ブログ容量の関係で削除させて頂きましたが、１１月１日に、「かんぽう」さんから『ユニークに乾杯』というタイトルで出版予定です。定価2.000円。
ISBN978-4-904021-03-3　　C0071 1905E　
株式会社 かんぽうサービス　℡06-6443-2173
大阪市西区江戸堀1-2-14　肥後橋官報ビル６Ｆ（〒550-0002）

車中風景：ベビーカーースケッチ&コメント

京都山科へ出た帰りＪＲ新快速を芦屋駅で普通電車に
乗り換えたとき若い母親がベビーカーの赤ん坊を
あやしていた。よく見かける光景である。

芦屋から住吉までものの５分とかからないがいつも
ポケットに忍ばせているスケッチブックを取り出して夢中で描いた。
不思議なもので娘に初孫が３年前に生まれてから
ベビーカーをみるとつい描きたくなる。

世間では少子化が叫ばれているが指摘されるだけで
子供を安心して産み育てられる社会的環境づくりが
具体的にどこまで整備されているかという抜本的解決策を
見い出せないまま時日のみ経過しているようだ。

もうひとつは、健康上の問題がどうしても気になる。
当然個人差もあるのだろうが若い女性の肌が余り輝いて
見えないことと赤ちゃんの顔がひ弱な感じを
どうしても受けてしまう。

栄養が偏っているせいだという説や野菜不足のせいだという
見方もあるが、実態がどうなっているかわらないが気になる
現象のひとつである。

母体に問題があって着床が難しくなっている話や
お父さんのほうにも問題があって本来突撃しなければ
ならない精子がマイマイコンコンして目的を達成しないと
いう話も聞いた。

産婦人科が少ないことと多くの病院で小児科をなくす話も
特に地方では最近急激に増えているようだ。
孫が生後一年の間に三度も肺炎を経験したが、幸い
小児科の先生に恵まれ命拾いした経験がある。

こんなことを考えていたのではスケッチなどとても
出来ないがひごろから思っていることを蛇足ながら
つい書いてしまった。（了）



Kenさんのスケッチは、ブログ容量の関係で削除させて頂きましたが、１１月１日に、「かんぽう」さんから『ユニークに乾杯』というタイトルで出版予定です。定価2.000円。
ISBN978-4-904021-03-3　　C0071 1905E　
株式会社 かんぽうサービス　℡06-6443-2173
大阪市西区江戸堀1-2-14　肥後橋官報ビル６Ｆ（〒550-0002）

車中風景：僧侶と青年ースケッチ&コメント

京都山科で午後１時から日本画の猪熊佳子教室があり
ＪＲ京都線高槻駅で新快速に乗り換えたところドア側に
僧侶と青年が隣リ同士で座っていた。

高槻、京都間はおよそ９分、上手下手言っていたのでは
勝負にならない。青年からスケッチを始めぎりぎり僧侶を
入れてなんとか格好をつけたと思ったら京都、京都の
アナウンスである。

青年は足元にカバン、バッグ、ひざの上に見開きのノートを
置き、なにやら必至に書きとめていた。おそらく学生であろう。

一方、僧侶のほうは寝ているようで寝ていない。薄目を開けている
ようで開けていなかったが、京都に着くなり坊さんのほうはガバッと
席を立ち、またたくまに姿を消したからわかった。

家内の里は京都であるが、義父の仕事の都合で大阪へ
後年引越しした。それで盆暮れと年二回京都から坊さんに
お参りいただいている。

現在９２歳の義母が仏さんのお守をしているが、
先日京都のお寺さんから朝７時半に出向くと一方的に
連絡があったとぼやいていた。

僧侶の立場から言えば遠方からお参りの時間を設定する。
一日最低５軒回ると大阪の仏さんはそれくらいの早い時間帯でないと
回りきれないのだという。

若者も京都に着くなり席を立った。実は若者の席の後ろに
頭だけ見えるのも僧侶である。ご無礼な言い方をお許しを
いただければお坊さんにとっては今はまさに稼ぎ時
であるに違いない。

前の席の僧侶はかなり高齢とお見受けした。
からだに比べて法衣がだぶだぶに見えた。気のせいか
カバンを抑えた左手が妙に大きく見えた。おそらく中には
大事なものが入っているのであろうとついよからぬ想像を
働かせた次第である。（了）



Kenさんのスケッチは、ブログ容量の関係で削除させて頂きましたが、１１月１日に、「かんぽう」さんから『ユニークに乾杯』というタイトルで出版予定です。定価2.000円。
ISBN978-4-904021-03-3　　C0071 1905E　
株式会社 かんぽうサービス　℡06-6443-2173
大阪市西区江戸堀1-2-14　肥後橋官報ビル６Ｆ（〒550-0002）