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原油相場は世界景気の信号機かー学校で教えてくれない経済学

2006-08-18 14:02:31 | 経済学
原油相場は世界景気の信号機かー学校で教えてくれない経済学
このところ、原油相場の値下がりが目に付くようになってきた。8月17日、NY原油先物(WTI)相場は、バレル1.83ドル値下がりし70.06ドルで取引された。

ブレンド物相場もバレル1.24ドル値下がりして、71.59ドルで取引された。ガソリン相場もガロン4.65セント値下がりして1.9150ドルで取引された。

イスラエルとへズボラとの紛争が一時的にしろ収まり、BPアラスカ油田で一部操業が再開されたことも影響しているようであるが、2007年の世界景気がスローダウンすることを原油相場が織り込み始めた結果かもしれないとWSJ(8月17日)は一部エコノミストの見方を紹介している。

原油相場は、基本的には油田開発にはコストも時間もかかる。急場の対応が出来ない。一方,需要サイドは中国が相変わらず輸入増加を続けており、需給バランスから見れば買い先行の流れである。

仮に原油相場が値下がりすることがあれば、世界景気が落ち込み原油消費の伸びにブレーキがかかるときだけだろうと見られていたから、米景気減速から世界景気のスローダウンが確認されるようになると、中東で突発事件が無い限り、売りが出易いかもしれない。

原油相場は今年7月、一時バレル78.40ドルまで急騰した。その背景には地政学的リスクが相場がプレミアム分としてバレル10ドルは積み上がったといわれていた。単純に計算してバレル65ドル前後まで一時的であろうが、値下がりすることは十分考えられるであろう。

8月17日付のWSJ紙は、209名、投資総額6,370億ドルを運用するファンドマネジャーを対象に8月4日から10日期間、Merrill Lynch社が実施した調査結果によれば、世界景気が鈍化すると見る率が増え、より安全な債券投資へ資金シフトしていると紹介した。

世界景気減速との回答者は、7月調査では60%が、8月調査では70%へ増加した。質問の中で最も関心が高かった事項は、米FRBが①更なるインフレリスクを懸念しているかそれとも②景気減速の進行リスクを懸念しているか、③更なるインフレと景気減速ともに懸念しているかの設問であった。①が回答の27%、②が33%、③が37%をそれぞれ占めた。

世界景気減速に伴い、回答の52%が企業業績が低下すると見ており、53%が利益率は低下すると見ている。その比率は7月調査からそれぞれ10ポイント増えたと紹介している。

原油相場の動向は2007年の世界景気を占う指標としても目が離せない。(了)

江嵜企画代表・Ken


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