選挙の場面をかぶりつきで見ていた観客は、宴が終わると、当然の如く、企業業績、金利、原油へ場所を移動し始めた。11月10日のNYダウは前日比ほぼ横ばいの5ドル高の12,108ドルで取引を終了した。
企業業績は比較的堅調に推移するというエコノミストの予測は多い。そうなれば目先は12月はじめに予定されている米FOMCの会合でバーナンキ議長がいかなる裁量を示すかが注目される。よほどの波乱要因がなければ、今のところFFレート年5.25%据え置きで様子見を続けるとの予測が一般的な見方のようだ。
次は原油の行方である。11月10日の原油相場は、前日比1.58ドル下げ59.58ドルで取引された。前日61ドルまで戻したが早くも反落した。国際エネルギー機関(IEA)が、2006年から2007年の世界の原油需要予測を下方修正したとのニュースを嫌気したためと今朝のWSJ紙は紹介している。原油相場は当面バレル60ドルをはさむ展開が予測される。
日本サイドから見れば3番目に為替動向であろう。ドルの値段が下がるということはドルというお金の値打ちが落ちることであるが、円相場は今のところ1ドル=117円前後で推移しているから、原油が上がっても日本の消費者も直撃弾を受けずに事なきを得ているのは誠にラッキーというほかないであろう。輸入大国の日本は円安になれば痛手だろう。
原油にしろ、為替にしろ実に変わり身が早い。変わり身の早い人はどちらかというと政治家でも一般人でも風見鶏というニックネームを頂戴して日本では余り尊敬されない。特に相場は毛嫌いされる。ところが、エサがとれなくなれば一巻の終わりの遊牧民族は遺伝子が覚えているから、欧米人には比較的動くものへの対応がすばやくかつうまいようだ。
材料がどこにあるかを求めて動くのがお金である。それも突き詰めて見れば所詮、人の心の自然の流れであるから分かりやすい。物の値段もお金がどこに向かうかで決まるが、お金は人の心の鏡でもある。本来うつろい易いものだと心得ておけば腹もたたない。
今朝の読売新聞に大丸の奥田務会長が、お金が旅行や健康など目に見えないものに回る『消費のサービス化』が頭の痛い問題だとインタービューの中で率直に述べておられた。その中で、同氏は、景気は全体として良いといわれるが、企業は仕事を増やしたり残業を増やしていないので、企業業績の結果が直接家計に回りにくくなったと指摘している。
信越化学の金川社長が昨日、テレビ東京の番組で、市況には変動はつきもの、不慮の災害、突破事態に備えて、早目、早目に対応することが欠かせないと話しておられた。スピード感覚の乏しい企業も人も変わり目の激しい時代には生き残っていけないだろう。(了)
江嵜企画代表・Ken
企業業績は比較的堅調に推移するというエコノミストの予測は多い。そうなれば目先は12月はじめに予定されている米FOMCの会合でバーナンキ議長がいかなる裁量を示すかが注目される。よほどの波乱要因がなければ、今のところFFレート年5.25%据え置きで様子見を続けるとの予測が一般的な見方のようだ。
次は原油の行方である。11月10日の原油相場は、前日比1.58ドル下げ59.58ドルで取引された。前日61ドルまで戻したが早くも反落した。国際エネルギー機関(IEA)が、2006年から2007年の世界の原油需要予測を下方修正したとのニュースを嫌気したためと今朝のWSJ紙は紹介している。原油相場は当面バレル60ドルをはさむ展開が予測される。
日本サイドから見れば3番目に為替動向であろう。ドルの値段が下がるということはドルというお金の値打ちが落ちることであるが、円相場は今のところ1ドル=117円前後で推移しているから、原油が上がっても日本の消費者も直撃弾を受けずに事なきを得ているのは誠にラッキーというほかないであろう。輸入大国の日本は円安になれば痛手だろう。
原油にしろ、為替にしろ実に変わり身が早い。変わり身の早い人はどちらかというと政治家でも一般人でも風見鶏というニックネームを頂戴して日本では余り尊敬されない。特に相場は毛嫌いされる。ところが、エサがとれなくなれば一巻の終わりの遊牧民族は遺伝子が覚えているから、欧米人には比較的動くものへの対応がすばやくかつうまいようだ。
材料がどこにあるかを求めて動くのがお金である。それも突き詰めて見れば所詮、人の心の自然の流れであるから分かりやすい。物の値段もお金がどこに向かうかで決まるが、お金は人の心の鏡でもある。本来うつろい易いものだと心得ておけば腹もたたない。
今朝の読売新聞に大丸の奥田務会長が、お金が旅行や健康など目に見えないものに回る『消費のサービス化』が頭の痛い問題だとインタービューの中で率直に述べておられた。その中で、同氏は、景気は全体として良いといわれるが、企業は仕事を増やしたり残業を増やしていないので、企業業績の結果が直接家計に回りにくくなったと指摘している。
信越化学の金川社長が昨日、テレビ東京の番組で、市況には変動はつきもの、不慮の災害、突破事態に備えて、早目、早目に対応することが欠かせないと話しておられた。スピード感覚の乏しい企業も人も変わり目の激しい時代には生き残っていけないだろう。(了)
江嵜企画代表・Ken