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米GDP上方修正好感、NYダウ90ドル高ー学校で教えてくれない経済学

2006-11-30 08:25:30 | 経済学
NY原油先物相場(WTI)が、11月29日、米連邦エネルギー情報局が、原油及びガソリンなど石油製品在庫が軒並み減少したとの発表を受けて急騰、バレル62ドルを突破した。
ブレント原油も上昇しバレル63ドルへ復活した。

一方、米商務省は同日、2006年7~9月期の米GDP統計が速報値の1.6%増から2.2%増への上方修正を発表した。米GDPは住宅需要の冷え込みもあり、2006年1~3月期5.6%増、4~6月期2.6%増についで前期2.2%増へと減速を続けている。

ところが、GDPが上方修正されたことを素直に好感して、この日のNYダウは、一時伸び悩む場面も見られたが、原油高を飲み込み、前日比90ドル高、12,266ドルで取引を終了した。Exxon(2.9%)、Alcoa(2.5% )、AT&T(2.3%)の値上がりがNYダウを押し上げた。

GDP統計の中身を見れば、住宅需要は4~6期11.1%減についで7~9期18.0%減少したが、設備投資が4~6月期4.4%増から7~9月期10.0%増加した。GDPの約2/3と最大シエアを占める個人消費が速報値の3.1%増が2.9%増に下方修正されたが、4~6月の2.6%増から増加した。在庫積み増し分での修正がGDP上方修正の要因であるとWSJ紙は説明している。

米商務省は、2006年10月の米新住宅着工件数が、季節調整済みで3.2%減少したと発表した。ただ、新規住宅平均価格は9月の293,600ドルから309,700ドルへ約2%値上がりしている。9月に続く価格改善は住宅需要の冷え込みも底入れの兆しかもしれない。

GDP統計の上方修正を受けて、この日のNY為替市場では、ドルの下落にブレーキがかかった。ドルは、1ユーロ=1.3149ドル、1ドル=116.31円で取引された。NY債券市場は、債券が売られ、10年物国債利回りは4.52%台へ若干ながら上昇した。

円相場は日銀総裁発言を受けて買われる場面もあったが後買いは見送られた。今朝のWSJ紙によれば、「年内の日本の利上げはない。個人消費に力強さが見られない。利上げがあるとしても来年1月だろう。」との一部アナリストの見方を紹介している。

米FRBは、11月29日、レポートの表紙がベージュ色をしていることから俗にBeige Bookと呼ばれるが、そのベージュブック・地区連銀報告書を発表した。小売が増加しホリデーシーズンの売り上げも警戒感を残しながらも概ね好調と米経済を楽観的に報告した。

都都逸(どどいつ)の世界ではいやよ、いやよは好きよの反語という。米FRBバーナンキさんはインフレ懸念をしつこく口にする。利上げを再々におわす日銀総裁の発言も反語かもしれない。原油高、NYダウ急騰。このなぞなぞをどう読むか。興味は尽きない。(了)

江嵜企画代表・Ken


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