1ドル=114円台までドル安が進み、日本でも話題にされるようになってきた。問題が出でくると思い出したように取り上げる日本人のいつものパターンである。
原油問題でも同じである。相場がバレル55ドルまで下げると日本人はケロッと忘れる。原油相場は、既に62ドルまで回復しており、来年は70ドル原油も視野にいれておきたい。
ヒューストンで12月5日開かれた専門家フオーラムで、新たな油田開発で環境問題が障害となり特に欧米では自然保護団体の動きもありスムーズに進んでいないと指摘された。
需要面では、最大の消費国米国での消費が伸び率は鈍化するものの年率1.7%、日量30万増え、全体で1,500万バレルに達する。さらに2007年には中国の原油需要が日量70万増え、700万バレルに達する。この傾向は少なくとも1~2年は続くと発表した。
一方、為替問題では、昨日安倍総理と福井日銀総裁が会談したと報道されている。何が話されたのか知るよしもないが、日銀総裁は、今の金利水準が欧米に限らず諸外国と比べて余りにも異常であると思っていることだけは確かで、総裁の発言内容を聞いているだけで十分察しがつく。いずれにしろ、12月15日発表される日銀短観が注目される。
海外の動きではユーロ高、ポンド高が話題になっているが、今後はアジア通貨、中でも人民元の行方が注目される。ポールソン米財務長官が来週、再び中国を訪問する予定と伝えられているので、中国人民元の動き次第では、円買い圧力がかかるかもしれない。
人民元は2005年7月に、突然、1ドル=8.11元まで約2%切り上げられた。変動幅が0.3%という狭いレンジの中であるが、ジリジリとドル売りが続き、現在、1ドル=7.8218元まで元高が進んでいる。
中国の歴史が教えているように、遠来の客人を迎えるにあたり、何がしかのお土産を持たせて帰らせるのではないかと思われる。それがなになのかわからない。独断と偏見をお許しいただければ、現在の変動幅0.3%のいくばくかの拡大で、お茶を濁すのではないか。
為替の変動率を広げれば、幅一杯のところまで、ドル売り・元買いが進む。人民元が上がれば当然のことながら、円買い圧力になる。相場は理屈どおりに進まないが、もし元が拡大変動幅一杯まで高くなればその分ドル売り・円買いの流れを支援することが予測される。
繰言かもしれないが、原油・為替・金利動向に、国民もいま少し関心を持って欲しい。(了)
江嵜企画代表・Ken
原油問題でも同じである。相場がバレル55ドルまで下げると日本人はケロッと忘れる。原油相場は、既に62ドルまで回復しており、来年は70ドル原油も視野にいれておきたい。
ヒューストンで12月5日開かれた専門家フオーラムで、新たな油田開発で環境問題が障害となり特に欧米では自然保護団体の動きもありスムーズに進んでいないと指摘された。
需要面では、最大の消費国米国での消費が伸び率は鈍化するものの年率1.7%、日量30万増え、全体で1,500万バレルに達する。さらに2007年には中国の原油需要が日量70万増え、700万バレルに達する。この傾向は少なくとも1~2年は続くと発表した。
一方、為替問題では、昨日安倍総理と福井日銀総裁が会談したと報道されている。何が話されたのか知るよしもないが、日銀総裁は、今の金利水準が欧米に限らず諸外国と比べて余りにも異常であると思っていることだけは確かで、総裁の発言内容を聞いているだけで十分察しがつく。いずれにしろ、12月15日発表される日銀短観が注目される。
海外の動きではユーロ高、ポンド高が話題になっているが、今後はアジア通貨、中でも人民元の行方が注目される。ポールソン米財務長官が来週、再び中国を訪問する予定と伝えられているので、中国人民元の動き次第では、円買い圧力がかかるかもしれない。
人民元は2005年7月に、突然、1ドル=8.11元まで約2%切り上げられた。変動幅が0.3%という狭いレンジの中であるが、ジリジリとドル売りが続き、現在、1ドル=7.8218元まで元高が進んでいる。
中国の歴史が教えているように、遠来の客人を迎えるにあたり、何がしかのお土産を持たせて帰らせるのではないかと思われる。それがなになのかわからない。独断と偏見をお許しいただければ、現在の変動幅0.3%のいくばくかの拡大で、お茶を濁すのではないか。
為替の変動率を広げれば、幅一杯のところまで、ドル売り・元買いが進む。人民元が上がれば当然のことながら、円買い圧力になる。相場は理屈どおりに進まないが、もし元が拡大変動幅一杯まで高くなればその分ドル売り・円買いの流れを支援することが予測される。
繰言かもしれないが、原油・為替・金利動向に、国民もいま少し関心を持って欲しい。(了)
江嵜企画代表・Ken