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ドル安止まらず、英ポンド14年ぶり高値ー学校で教えてくれない経済学

2006-12-02 08:33:14 | 経済学
強いドルは米国の国益とPaulson米財務長官は繰り返し発言しているが、ドル相場に反発する兆しはない。ただ、強いドルを米政府は表明するが、腹の中では歓迎しているようだ。

12月1日、ISM製造業指数が2003年4月以来始めてとなる49.5ポイントとの発表を聞くと、たまらずドル相場は下げ足を早め、対ユーロで1ユーロ=1.3320ドル、対円で1ドル=115.31円で取引された。ドルはその他欧州通貨に対しても下げ、対スイスフランで、1ドル=1.1941スイスフラン、対英ポンドで、1ポンド=1.9797ドルで取り引きされた。

ISM指数が50ポイントを割ると利下げのきっかけになるとして、2007年3月にも、米FOMCは現在5.25%のFFレートを0.25%下げるだろうと一部の為替アナリストは顧客レポートで流しはじめた。欧州では利上げ、米国で利下げのタイミングが早まると金利差からドルは買えない。米政府がドル安を容認していると市場は見透かしているのだろう。

米商務省は、建設支出が9月の速報値0.3%減が0.8%減へ下方修正され、さらに10月に1.0%減と発表した。1.0%減は2001年9月以来の最大の減少である。一般住宅支出は9月の1.1%減に続き1.9%減少した。建設支出の減少は関連する他の産業にもマイナスに波及するとして米景気減速懸念を強めた。

NY債券市場も弱い米景気指数に反応し、債券相場は上昇、利回りは10年物国債で前日の4.46%から4.41%まで低下した。NYダウも景気減速予測を嫌気して125ドル強下げたが、引けにかけて買戻しが入り前日比27ドル安で取引を終了した。興味深い動きである。

一方、シカゴ連銀総裁、Michel Moskow氏は、12月1日、「インフレ圧力は依然として消えていない。利下げは必要ない」と発言した。Bernannke FRB議長もエネルギー・食料を除いたコアインフレ率が年2.8%となお心地よくない水準と再利上げにも含みを残した。

ドルが値下がりして悲しんでいる人ばかりではない。特に欧州から米国を訪れる観光客はユーロ高、14年ぶりのポンド高の恩恵に浴していると今朝のWSJ紙は紹介している。

英国の小売店でBurberry short raincoatを買えば465ポンド(914ドル)が米国では695ドルで買える。Tiffany lace braceletは英国で6,775ポンド(13,318ドル)だが米国では9,800ドルである。WashingtonDCのFour SeasonsHotelのホテル代は2005年の495ドルが595ドルへ20%値上がりした。ポンドで払えば昨年の419ポンドが449ポンドへ7%の値上がりで済むといった具合である。米企業も海外投資では莫大な利益を稼いでいる。

ドル安は資源輸入大国の日本にもプラスである。ドル安を前向きで受け止めたい。(了)

江嵜企画代表・Ken


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