ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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バイオ燃料の行方と原油相場ー学校で教えてくれない経済学

2007-01-30 21:50:01 | 経済学
米ブッシュ大統領は、2007年の年頭教書で、2017年までに、バイオ燃料を5倍に増やすと宣言した。環境問題と結び付けて民主党多数の米議会へのリップサービスとの冷めた見方もあるが、果たしてバイオ燃料がすんなり米国でも受け入れられるかどうかについては意見が分かれているようだ。

1月29付のWSJ紙は、バイオ燃料はじめ代替燃料をめぐる様々な問題点を指摘している。

第1に、お金をかけた割に身入りが少ない。エタノールへのとうもろこしからの転換が一挙に進み、その結果、コーン相場が暴騰した。コーン相場はブッシエル2ドルが2年間で4ドルを越えた。一方、エタノール相場は、まるで裏返しで、バレル2ドルから4ドルまで上げた後現在再び2ドルまで急落している。

第2に、バイオ燃料への転換で、作付け面積が増え、水不足、土地不足を起している。さらに、食料や飼料用の農作物相場が急騰した結果、輸入できない国が出てきた。原油相場が、バレル45~50ドルで安定すれば、バイオ燃料への投資が、2000年のドットコム投資の反動でITバブルが崩壊した、同じ徹を踏む怖れがあるとの見方も指摘している。

その他、水や土地資源に影響が少ない、太陽や風力を活用したエネルギー源への移行が指摘できる。さらに、インドではjatophaから食物油の生産が盛んになってきた。このような植物は痩せた土地でも問題なく成長するため今後栽培が増える。

1月29日、NY原油先物相場は、バレル56ドルを抜けなったことから失望売りが出て反落バレル54.64ドルで取引された。目先の原油相場はさておき、バイオ燃料に対する投資熱は今後の原油相場の動静に大きく影響されることだけははっきりしている。

いまのところ原油相場がこのままずるずると値下がりを続けるとの見方は専門家の間でも少ない。その根拠の第一に、中国の存在を指摘する声が多いことだ。

中国は2006年のGDP伸び率が10.6%と発表した。2008年オリンピックを控えて2007年も2桁成長が続く。特に自動車生産が前年比15%増820万台を超える。さらに、戦略原油備蓄に伴う輸入が上乗せされる。中国は4箇所で備蓄基地を建設中であるが、年内に全て完成するため、輸入に占める備蓄分の比率が現在の2%が10%を占めるとの見方が多い。

中国は50ドル原油を絶好の買い場と心得ているようだ。原油輸入量が原油相場に見事に連動している。その一方で、コーンからのエタノールへのバイオ燃料への布石も打っていると伝えられる。美しい国日本も結構だが、石油資源外交ゼロの国の行く末が心配だ。(了)

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米景気堅調で、米マネーに備えはあるかー学校で教えてくれない経済学

2007-01-30 21:47:34 | 経済学
米国の景気指数が予想以上に堅調で、エコノミスト含めて戸惑いが出ているようだ。

一番懸念された住宅市場で、12月の新規住宅販売が前月比4.8%増となった。2006年10~12月期の GDPも当初予測の2%台から3%前後まで回復した。その結果、利下げ期待が後退、2月のFOMCで利上げはないだろうが、正に様変わりである。

11月の米貿易赤字が減った。失業率が4.7%から4.5%へ低下した。原油相場が7月のピークから30%以上下落した。12月の耐久財受注が3.1%と増加した。次々と予想外のデータが出てきた。米国経済にとっての死角は地政学的な突発事件以外見当たらない。

米GDPは、2006年4~6期2.6%、7~9期2%と来て、MorgannStanleyは、 10~12期で3.5%増と大幅修正を発表した。このままの調子だと2007年1~3月期も2.5%前後は達成可能だというから予測は当てにならないとは言うものの米国経済は元気である。

米国経済が景気が予想外に元気がいいものだから、利下げどころか、利上げがあるのではないかとの心配も出始めている。NYダウが上値の重い展開がここ2日続いているのも、投資家の気迷い気分が、相場に微妙に現れているようだ。

それにしても、米国という国は懐の深い国だ。底が広いというか、それは復元力とでも言うのだろうが、沈みそうで沈まない。GDP第二位の日本と彼我の差は歴然としている。

話は飛ぶが、日本トップの大手金融機関2行が、米金融当局から業務改善命令を受けたと1月26日朝刊に出ていた。マネーロンダリング(資金洗浄)への監視体制が不十分だったという。真相ははっきりしないが1月26日の読売新聞は「対テロ、危機感欠如」と指摘した。

北朝鮮が6ヶ国協議のテーブルに付くかつかないかは、マカオに隠し持っているとされる「北」の軍資金の扱い次第との見方が多い。米国はマカオ資金解禁というエサを「北」にちらつかせることくらい朝飯前だろう。一方、日本は拉致問題一点張りのように外からは見える。このところ「北」制裁問題は一切マスコミに出ない。なぜなのだろうか。

お金は経済で言えば血液のようなものである。狩猟民族の視点からすれば金蔓を絶つことが常識だ。米金融当局から業務改善命令を受けた日本の大手二行は、米国の視点からすれば「北」と五十歩百歩だとすると実に情けない。特に外交では、日本は後進国だが、金融面でも後手を踏むと命取りになる。戦略はもとより戦術も権謀術数もない国は怖い。

5月には三角合併が解禁される。元気回復の米経済、豊富な米国マネーに備えはあるか。(了)

江嵜企画代表・Ken



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