毎日株や債券を売ったり買ったりしている立場から見れば、上げたり下げたりめまぐるしく動く相場はやりきれないかもしれない。ところが、門外漢の立場で眺めていると、相場の世界がいかに微妙な心の動きで左右されていることが見えてきて面白い。
1月8日、NYダウは気重い感じでスタートした。米FRBの高官がインフレ懸念が収まったと判断するのは時期尚早だと発言したと伝えられたことが影響した。ウオール街のお膝元マンハッタンで異臭がするとの当局への通報も不安人気を一層掻き立てたようだ。
FRBの高官とは、FRB副議長で平たく言えば議長のバーナンキさんの次のえらいさんのDonaldKohn氏のことである。コーンさんのAtlntaRotaryClubでの演説での発言が試合の途中経過よろしく刻々伝えられたのであろう。利下げ時期がさらに遅れると読んで投資家は売りで対応した。NYでの異臭騒ぎも悪夢の9:11を思い起こさせて当然だろう。あと事実無根とわかった。NYダウは結局25ドル上げ12,423ドルで取引を終了した。
今朝のWSJ紙によると、J.P.Morgan,エコノミスト、MichaelForoli氏は、「今回のコーンスピーチは最近の彼の発言と比べればインフレ懸念が少なくなっている(less worried about inflation)」、「米景気は諸事順調に進んでいると読めば、彼の発言は良い信号である」と話したと紹介している。
米国のエコノミストのなかでは、債券相場のイールド・カーブの話題で持ちきりだという話も今朝のWSJ紙が紹介している。
長期金利が短期金利の下に位置して以来26ケ月目に入った。本来、リスクに対するリターンを求めるため長めの金利は短めの金利より高いことが常識である。それが逆になり長期化している。長期金利が短期のそれを下回ったケースが60年代以降で7回あり、その内6回はリセッションに突入した。だから米景気後退を予見しているという見方がある。
ところが、長期金利が低いのは、外国人がお金の行き場がなく、より安心な停泊地として米国の長期債券を買っている結果に過ぎない。イールド・カーブに拘泥することはないとの一部エコノミストの見方もWSJ紙は紹介している。
1月8日、NY原油先物相場は、前日比バレル22セント下げ、56.09ドルで取引された。ロシアがベラルーシへのガス供給を止めた話もOPECの減産強化の発言も無視した。
相場が上がりたがっていると上がる。休みたがっていると相場は下がるから面白い。休みたがっているときは休むに限る。人の健康にとっても適度な休養が一番だろう。(了)
江嵜企画代表・Ken
1月8日、NYダウは気重い感じでスタートした。米FRBの高官がインフレ懸念が収まったと判断するのは時期尚早だと発言したと伝えられたことが影響した。ウオール街のお膝元マンハッタンで異臭がするとの当局への通報も不安人気を一層掻き立てたようだ。
FRBの高官とは、FRB副議長で平たく言えば議長のバーナンキさんの次のえらいさんのDonaldKohn氏のことである。コーンさんのAtlntaRotaryClubでの演説での発言が試合の途中経過よろしく刻々伝えられたのであろう。利下げ時期がさらに遅れると読んで投資家は売りで対応した。NYでの異臭騒ぎも悪夢の9:11を思い起こさせて当然だろう。あと事実無根とわかった。NYダウは結局25ドル上げ12,423ドルで取引を終了した。
今朝のWSJ紙によると、J.P.Morgan,エコノミスト、MichaelForoli氏は、「今回のコーンスピーチは最近の彼の発言と比べればインフレ懸念が少なくなっている(less worried about inflation)」、「米景気は諸事順調に進んでいると読めば、彼の発言は良い信号である」と話したと紹介している。
米国のエコノミストのなかでは、債券相場のイールド・カーブの話題で持ちきりだという話も今朝のWSJ紙が紹介している。
長期金利が短期金利の下に位置して以来26ケ月目に入った。本来、リスクに対するリターンを求めるため長めの金利は短めの金利より高いことが常識である。それが逆になり長期化している。長期金利が短期のそれを下回ったケースが60年代以降で7回あり、その内6回はリセッションに突入した。だから米景気後退を予見しているという見方がある。
ところが、長期金利が低いのは、外国人がお金の行き場がなく、より安心な停泊地として米国の長期債券を買っている結果に過ぎない。イールド・カーブに拘泥することはないとの一部エコノミストの見方もWSJ紙は紹介している。
1月8日、NY原油先物相場は、前日比バレル22セント下げ、56.09ドルで取引された。ロシアがベラルーシへのガス供給を止めた話もOPECの減産強化の発言も無視した。
相場が上がりたがっていると上がる。休みたがっていると相場は下がるから面白い。休みたがっているときは休むに限る。人の健康にとっても適度な休養が一番だろう。(了)
江嵜企画代表・Ken