2月9,10日開催予定のG7サミットで円安問題が取り上げられるだろうと欧州高官が語ったというReuter電の報道が、対ユーロ、対ドルの円相場を小幅引き上げたと今朝のWSJ紙が伝えている。
1月24日のNY外国為替市場で、ドルは、1ユーロ=1.2956ドル、1ドル=120.98円で取引された。ユーロは、1ユーロ=156.75円で取引された。特にユーロは、対円で前日の158.41円から一時1ユーロ=156.75円まで値下がりした。
RBS GreenwichCapital,為替ストラテジスと、AlanRuskin氏は、「欧州政府高官は、G-7サミットでも、再三再四、日本円は安いと指摘していた。なにも目新しいにユースではない」と話したとWSJ紙は紹介している。Ruskin氏は、「中国に対して為替の弾力性を主張するなら、円相場の対応は不誠実だ(disingenuous)」と話している。
金利が低すぎることが円相場引き下げている。金利は経済の基礎的条件(fundamentals)を反映する。アジア通貨はファンダメンタルに沿って動いていないとのアナリストのコメントをWSJ紙は付記している。ただ、アナリストの中には、G-7会合で日本を特定して問題視すると見るには時期尚早であると指摘している。
日本の金利が低過ぎということが、円相場が安過ぎる要因だとして、G-7の議題になると
日銀の金融政策に影響が出てくる可能性があるかもしれない。日銀の独立性についても議論が多い。今回の利上げ見送りは日本の新聞に意図的にリークしてマーケットと対話するポーズをとった。それが裏目に出て、政治に屈服したという印象を煽ったのだろうか。
今朝のロイター電も新聞にリークして反応を見ようとしていたに違いない。シヨックを和らげる狙いもある。新聞の方も、日本同様、飯の種だから当局のリークは歓迎だろう。持ちつ持たれつの関係だからだ。ただ、米FRB議長のグリーンスパン氏はマーケットとの対話が実にうまかったようだ。というより氏はそういうことが巧まずして出来たのだと思う。
日銀総裁が株式投資をしていた。村上ファンドを援助していた。中身を公表していなかったとしてマスコミにたたかれた。それ以来福井総裁の迫力がなくなったようにどうしても思ってしまう。公表すればいいとなり後付けで公表されたが時既に遅しだった。グリーンスパン氏と比べれば気の毒だが一度信用を失うと信認の回復は難しいことを教えてくれる。
G-7を控えて当局の口先介入が盛んになりそうだ。米国ではJawboningといって特に議会活動での自説有利への働きかけに使われる。日本では肝心の情報が筒抜けになったり、今回の利上げ見送りのように余りにも露骨なリークが多い。まだまだ後進国なのだろう。(了)
江嵜企画代表・Ken
1月24日のNY外国為替市場で、ドルは、1ユーロ=1.2956ドル、1ドル=120.98円で取引された。ユーロは、1ユーロ=156.75円で取引された。特にユーロは、対円で前日の158.41円から一時1ユーロ=156.75円まで値下がりした。
RBS GreenwichCapital,為替ストラテジスと、AlanRuskin氏は、「欧州政府高官は、G-7サミットでも、再三再四、日本円は安いと指摘していた。なにも目新しいにユースではない」と話したとWSJ紙は紹介している。Ruskin氏は、「中国に対して為替の弾力性を主張するなら、円相場の対応は不誠実だ(disingenuous)」と話している。
金利が低すぎることが円相場引き下げている。金利は経済の基礎的条件(fundamentals)を反映する。アジア通貨はファンダメンタルに沿って動いていないとのアナリストのコメントをWSJ紙は付記している。ただ、アナリストの中には、G-7会合で日本を特定して問題視すると見るには時期尚早であると指摘している。
日本の金利が低過ぎということが、円相場が安過ぎる要因だとして、G-7の議題になると
日銀の金融政策に影響が出てくる可能性があるかもしれない。日銀の独立性についても議論が多い。今回の利上げ見送りは日本の新聞に意図的にリークしてマーケットと対話するポーズをとった。それが裏目に出て、政治に屈服したという印象を煽ったのだろうか。
今朝のロイター電も新聞にリークして反応を見ようとしていたに違いない。シヨックを和らげる狙いもある。新聞の方も、日本同様、飯の種だから当局のリークは歓迎だろう。持ちつ持たれつの関係だからだ。ただ、米FRB議長のグリーンスパン氏はマーケットとの対話が実にうまかったようだ。というより氏はそういうことが巧まずして出来たのだと思う。
日銀総裁が株式投資をしていた。村上ファンドを援助していた。中身を公表していなかったとしてマスコミにたたかれた。それ以来福井総裁の迫力がなくなったようにどうしても思ってしまう。公表すればいいとなり後付けで公表されたが時既に遅しだった。グリーンスパン氏と比べれば気の毒だが一度信用を失うと信認の回復は難しいことを教えてくれる。
G-7を控えて当局の口先介入が盛んになりそうだ。米国ではJawboningといって特に議会活動での自説有利への働きかけに使われる。日本では肝心の情報が筒抜けになったり、今回の利上げ見送りのように余りにも露骨なリークが多い。まだまだ後進国なのだろう。(了)
江嵜企画代表・Ken