株式市場の動きはそれぞれの地域の経済の動きを写す鏡として見れば面白いが、ただ売ったり買ったりの繰り返しの鉄火場の話として読むとこれほど味気ないものはないであろう。
1月2日付けのWSJ紙は、2006年のアジアと欧州の株式市場を総括している。
アジア株式市場は一口で言えば、中国とインドは期待どおりの成果を出したが、「陽はまた昇る」と期待した日本市場は、4月高値のあと5月にメルトダウンしあと年末にかけて多少戻したが、完全に空振りに終わった。「日本株はもうたくさんだ。一部の例外のみで、2007年も見送りを継続する。」とGaveKalResearchアナリスト、PierreGave氏は警戒的だ。
これに対して欧州株式市場は、ドイツもフランスも英国も結構パフォーマンスは良かったと多くの投資家からのご機嫌なコメントが目立った。
売りが売りを呼ぶ狼狽売りで、4月7日の高値からその後の2ヶ月間で、日経225平均の時価総額が8,800億ドル(約100兆円)消滅した。ライブドアショックが大きく影響したようだと日本株に対する慎重なコメントをWSJ紙は紹介している。
欧州市場は、年間通して見れば、欧州600種指数が前年比18%、英国FTSE100が11%、ドイツDAX30が22%、フランスCAC400が18% それぞれ値上がりした。2007年についても強気が多い。PERで見てNYダウが15.4倍に対して欧州は13.7倍で欧州株の割高感はまだないと強気しているとWSJ紙は紹介している。
アジア市場では、日本が6.9%増、韓国がウオン高の影響で4%増にとどまった。その他市場は全て好調だった。インドが2005年の42%増に続いて2006年も47%上昇した。中国もMSCIのA指数は128%値上がりした。香港ハンセン指数も34%上昇、インドネシア55%、フィリピン42%、シンガポール27%、台湾20%、マレーシア22%それぞれ値上がりした。
欧州株好調の要因には、堅調な企業業績、大型M&Aが市場を刺激した、景気の底堅さが指摘された。過去5年のGDP平均伸び率が1.4%に対して2006年は2.7%増加したが、2007年については、利上げ継続、ユーロ高、特にドイツ及びイタリアの引き締め政策が予見されるがなぜか概して楽観的だ。ただ、「好事魔多し」だから深追いは危険だろう。
一方、日本はどうか。団塊世代の定年資金が株式に流れると期待も大きいが、参院選、統一地方選、安倍内閣の支持率低下、北朝鮮問題、米国景気など不透明要因も並んでいる。
リーダーがしっかりしないと国も企業もうまくいかない。丸腰で攻め込むと危ない。(了)
江嵜企画代表・Ken
1月2日付けのWSJ紙は、2006年のアジアと欧州の株式市場を総括している。
アジア株式市場は一口で言えば、中国とインドは期待どおりの成果を出したが、「陽はまた昇る」と期待した日本市場は、4月高値のあと5月にメルトダウンしあと年末にかけて多少戻したが、完全に空振りに終わった。「日本株はもうたくさんだ。一部の例外のみで、2007年も見送りを継続する。」とGaveKalResearchアナリスト、PierreGave氏は警戒的だ。
これに対して欧州株式市場は、ドイツもフランスも英国も結構パフォーマンスは良かったと多くの投資家からのご機嫌なコメントが目立った。
売りが売りを呼ぶ狼狽売りで、4月7日の高値からその後の2ヶ月間で、日経225平均の時価総額が8,800億ドル(約100兆円)消滅した。ライブドアショックが大きく影響したようだと日本株に対する慎重なコメントをWSJ紙は紹介している。
欧州市場は、年間通して見れば、欧州600種指数が前年比18%、英国FTSE100が11%、ドイツDAX30が22%、フランスCAC400が18% それぞれ値上がりした。2007年についても強気が多い。PERで見てNYダウが15.4倍に対して欧州は13.7倍で欧州株の割高感はまだないと強気しているとWSJ紙は紹介している。
アジア市場では、日本が6.9%増、韓国がウオン高の影響で4%増にとどまった。その他市場は全て好調だった。インドが2005年の42%増に続いて2006年も47%上昇した。中国もMSCIのA指数は128%値上がりした。香港ハンセン指数も34%上昇、インドネシア55%、フィリピン42%、シンガポール27%、台湾20%、マレーシア22%それぞれ値上がりした。
欧州株好調の要因には、堅調な企業業績、大型M&Aが市場を刺激した、景気の底堅さが指摘された。過去5年のGDP平均伸び率が1.4%に対して2006年は2.7%増加したが、2007年については、利上げ継続、ユーロ高、特にドイツ及びイタリアの引き締め政策が予見されるがなぜか概して楽観的だ。ただ、「好事魔多し」だから深追いは危険だろう。
一方、日本はどうか。団塊世代の定年資金が株式に流れると期待も大きいが、参院選、統一地方選、安倍内閣の支持率低下、北朝鮮問題、米国景気など不透明要因も並んでいる。
リーダーがしっかりしないと国も企業もうまくいかない。丸腰で攻め込むと危ない。(了)
江嵜企画代表・Ken