1月12日、NY原油(WTI)先物市場は、OPECが1月20日に、これ以上の値下がりを食い止めるために、緊急総会を開くとの情報を材料に、前日19ヶ月ぶりの安値、バレル51.65ドルから買戻しが入り、前日比1.11ドル高、バレル52.99ドルで取引された。
バレル50ドルは心理的な壁であるといわれている。しかし、相場の世界には地獄と極楽が同居している。一度箍がはずれると、上がる時は天井知らずで、バレル90ドルいや100ドルまでいくとはやした。いつまた上がり始めるか予測が全く付かないから実に厄介だ。
下がり始めると47や48ドルまで下がると同じ人間が平気でいう。日本人が相場を嫌う理由もその辺りにありそうだ。OPECは11月1日からに120万バレル/日の減産を決めた。今年2月1日から追加減産50万/日、さらに緊急会議で50万/日上乗せを決めるという。
マーケット関係者の多くは、OPECは減産を守っていないという。タンカーの数が増えている。減産ではなく、むしろ増産しているのではないかとする専門家が多い。OPECは既に信頼感をなくしたと指摘するディーラーの意見をWSJ紙は紹介している。
ところで、原油相場上昇には、中東の政情不安が根底にあった。しかし、原油急騰の火付け役は中国の輸入急増である。中国は2007年も原油輸入は10%伸びると見られている。理由の第一は高値78ドルから52ドルへの大幅値下がりで、好機到来と積極的に戦略備蓄用原油輸入を増やすからだ。第二に2007年のGDP伸び率が9.5%と高水準にあり、中国国内の石油需要は今年も伸び続けると見られている。
1月12日、中国政府は、2006年の原油輸入が前年比14.5%増の1億4,500万トン(バレル換算:290万BL/日)と発表した。2005年の輸入は3.2%増だった。一方、原油輸出は,5% の輸出課徴金と中国国内での原油需要増から前年比21.4%減、630万トンへ減少した。
一方、コーン相場が史上最高値を日々塗り替えている。1月12日、シカゴ商品取引所で値幅制限一杯の20セント上げてブッシェル3.965ドルを記録した。7月末の相場が2.ドル50セントだった。コーン急騰の背景のひとつは旱魃による米国コーンの20%の減産、第二に米政府が米酪農農家に対して積極的に進めているエタノール用需要への急激な転換である。
第三に2006年、中国からのコーン輸出が前年比60%減少したことが挙げられる。これは中国国内でのエタノール生産の増加と中国での肉の消費増加でコーンの国内消費が増えたからだとWSJ紙は紹介している。
中国が輸入を増やし、輸出を減らすことが国際相場を左右する構図が定着してきた。(了)
江嵜企画代表・Ken
バレル50ドルは心理的な壁であるといわれている。しかし、相場の世界には地獄と極楽が同居している。一度箍がはずれると、上がる時は天井知らずで、バレル90ドルいや100ドルまでいくとはやした。いつまた上がり始めるか予測が全く付かないから実に厄介だ。
下がり始めると47や48ドルまで下がると同じ人間が平気でいう。日本人が相場を嫌う理由もその辺りにありそうだ。OPECは11月1日からに120万バレル/日の減産を決めた。今年2月1日から追加減産50万/日、さらに緊急会議で50万/日上乗せを決めるという。
マーケット関係者の多くは、OPECは減産を守っていないという。タンカーの数が増えている。減産ではなく、むしろ増産しているのではないかとする専門家が多い。OPECは既に信頼感をなくしたと指摘するディーラーの意見をWSJ紙は紹介している。
ところで、原油相場上昇には、中東の政情不安が根底にあった。しかし、原油急騰の火付け役は中国の輸入急増である。中国は2007年も原油輸入は10%伸びると見られている。理由の第一は高値78ドルから52ドルへの大幅値下がりで、好機到来と積極的に戦略備蓄用原油輸入を増やすからだ。第二に2007年のGDP伸び率が9.5%と高水準にあり、中国国内の石油需要は今年も伸び続けると見られている。
1月12日、中国政府は、2006年の原油輸入が前年比14.5%増の1億4,500万トン(バレル換算:290万BL/日)と発表した。2005年の輸入は3.2%増だった。一方、原油輸出は,5% の輸出課徴金と中国国内での原油需要増から前年比21.4%減、630万トンへ減少した。
一方、コーン相場が史上最高値を日々塗り替えている。1月12日、シカゴ商品取引所で値幅制限一杯の20セント上げてブッシェル3.965ドルを記録した。7月末の相場が2.ドル50セントだった。コーン急騰の背景のひとつは旱魃による米国コーンの20%の減産、第二に米政府が米酪農農家に対して積極的に進めているエタノール用需要への急激な転換である。
第三に2006年、中国からのコーン輸出が前年比60%減少したことが挙げられる。これは中国国内でのエタノール生産の増加と中国での肉の消費増加でコーンの国内消費が増えたからだとWSJ紙は紹介している。
中国が輸入を増やし、輸出を減らすことが国際相場を左右する構図が定着してきた。(了)
江嵜企画代表・Ken