ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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原油急落で泣き笑いー学校で教えてくれない経済学

2007-01-16 13:29:46 | 経済学
お金の流れが2007年にかけて劇的に変わった結果、原油相場は、ここ半年間で高値から31%、年初来13%下がった。1月15日、NY原油先物相場はバレル53ドルで取引された。

金の切れ目が縁の切れ目である。ただ、お金はお足と言うように逃げ足も速いが、利益が出るとなればたちどころに戻ってくる。鳥や動物の生態から学ぶことが多いが、中でも相場の動きや購買動機を観察していると人間様も所詮、動物であることを自ら証明している。

原油相場がだらだらと下げ続けると予測する専門家はほとんどいない。あれだけ騒いでいたイラク問題、イラン核問題、北朝鮮問題はどこへ行ったのか。基本的な政情不安や地政学的リスクは何一つ変わっていない。お金の流れが変わったに過ぎないとの見方もある。

ウインターシーズンが終われば夏場のドライブシーズンが当たり前だがやってくる。そのあとに控えしは、ハリケーンシ-ズン到来である。そのとき原油在庫が減れば当然のごとく平然と騒ぐのであろう。中国の輸入も2007年、割安感からむしろ増える可能性が高い。

現在の相場はヘッジファンドの持ち高が原油はじめ商品市場から姿を消した結果であると見られている。金相場が意外にしっかりしていることは興味深いが、原油急落に加えて、銅の値下がりで痛手を受けたファンドは立ち直れないと今朝のWSJ紙は紹介している。

原油相場が下がればあぶく銭で得た3,000億ドルとも4000億ドルともいわれるオイルダラーが米国はじめ世界に還流しない怖れも出てくる。非OPEC産油国ロシアのプーチン大統領が大きな顔が出来るのも原油高騰でふところが格段に良くなった結果にすぎないだろう。

OPEC11ヶ国合計で、原油高騰のお陰で、国家の収入が、2005年の4,370億ドル(約52兆円)が2006年には5,180億ドル(約62兆円)へ増加した。バレル50ドル原油が実現すると2007年は4,880億ドル(約58兆円)へ落ちるから、トラの子の原油の減産をまじめに考えざるを得ないだろうと、ロンドンのあるエネルギー研究機関のLeoDrolla氏の試算をWSJ紙は紹介している。

WSJ紙は、中国政府は、原油の国際相場急落を受けて、ガソリンの値段がトン4,980元(639ドル)へ220元、4.2%、ジェット燃料用をトン90元下げると発表した。ガソリン相場下落で米国の原油高騰でダメージをうけた自動車、航空は蘇生する。ガソリン安で財布にユトリが生まれた米消費者がレストラン、旅行、買い物にお金を落とせば、米景気に朗報だ。

原油相場急落は、産業金融界にも悲喜こもごもの影響を与え始めた。吉と出るか凶と出るか。原油、為替、金利に限らず、早晩、庶民のふところにも波及して来るに違いない。(了)

江嵜企画代表・Ken



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