ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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原油相場急落は、欲ボケへの戒め?-学校で教えてくれない経済学

2007-01-20 09:10:48 | 経済学
2007年になって一番の変化は何かと聞かれたら、原油の値段が80ドルや100ドルまで上がるという人が姿を消したことだけは確かだ。物の値段は需要と供給で決まるというのが経済学のイロハであるが、昨年7月までの原油相場が、需給関係よりも地政学的リスクや天候を材料に、思惑優先で進んでいたことを教えている。

「記録は破られるためにある」といった人の名前をご存知の方は是非教えていただきたい。「予測ははずれるためにある」と言った人がいたらそのひとの名前も知りたい。ただ、「よ・そ・う」は逆に読めば、「う・そ・よ」だよと、言ったひとは昔から結構いた。ただ、世の中には「予想」することで飯を食っている人は結構おられる。彼らにとっては「予想」することが命である。昨今の原油相場急落は笑いごとでは済まされないだろう。

1月19日、NY原油先物相場は、バレル1.51ドル上げて51.99ドルで取引された。2日前には49ドル台まで値下がりしたあとのテクニカルな戻しとして、マーケットは少々の戻りに驚かなくなった。正に様変わりである。

インド、ニューデリーで開かれていた国際石油会議で、サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は、「自国の原油生産能力を2009年までに、現在の1,080万バレル/日を1,250万バレル/日に拡大する」と演説したことが、原油相場に強烈なパンチとなったようだ。

IEA(国際エネルギー機関)は、「OECD(加盟30ヶ国)の2006年の石油消費量が前年比0.6%減少した」と発表した。OECDで世界の石油消費量8,440万バレル/日の60%を占める。ただ、アメリカの石油消費は減っていない。同時に、IEAは「バイオ燃料の開発が進み、2005年の65万バレルが2011年までに170万バレルまで拡大する」と予測した。

今朝のWSJ紙は、原油相場が昨年7月にバレル77ドルをつけ、ガソリン相場がガロン3ドルをつけたときがターニングポイントだったとのDeutscheBankアナリスト、AdamSieminski氏のコメントを紹介している。ただ、同氏は「原油相場が下がり過ぎると、人々は痛みを忘れる。消費が増えれば相場は再び上昇する」と忘れず付け加えていた。

航空会社が原油相場下落で受けにいっていると思いきや、先高を予測して買っていた先物取引が相場急落で裏目に出た。買戻しのために巨額の損失を出していることを材料に米航空株の一部が売られるという皮肉な結果も出ている。

世界的な金余りの中、世界のお金は、より有利な運用先(餌場)を求めて、渡り鳥よろしく、命がけで移動しているから一概に責められない。金の切れ目は縁の切れ目である。年はじめからの原油暴落は、欲ボケだけで動くと危ないことを改めて教えているようだ。(了)

江嵜企画代表・Ken



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