料理の中身に何が入っているかよくわからないで食べているケースが増えている。例のサブプライムローン問題で焦げ付いたベアスターンズ証券も似たようなケースである。どこに原因があるかわからない。不安心理が増幅して、世界同時株安にまで発展した。
世界の中央銀行が、相次ぐ資金供給をして金融市場の動揺を少しでも鎮めようとする努力が続けられている。米FRBが公定歩合を0.5%引き下げたことで、週明けのアジア市場、欧州市場の株価は大きく反発した。一息ついたが、先行きについては不透明である。
NY株式市場では、8月20日、ベアスターンズ証券1.6%、レーマンブラザース1.8%、J.Pモルガン1.5%、ドイツバンク2%とそれぞれ値下がりし、金融株に値を下げるものが目立った。NYダウは、一進一退を続けたが、前日比42ドル高で取引を終了した。
病院の待合で時間待ちして居ると、看護士が大量のカルテを抱えて、診察室に運び込んでいるお馴染みの光景をよく見る。今回の世界同時株安についても、過去の病歴を、カルテで調べて、病気の診断の参考にしようとしている。
今朝のWSJ紙電子版は、E.S.Browning記者が、1987年のITバブル崩壊、1998年のLTCM破産、ロシア経済破綻に伴うそれぞれの株価暴落と今回のケースを比較している。
1987年の時は、金利上昇が、1998年はLTCM破綻により債券市場暴落が株価下落の引き金となった。今回は、住宅ローンでの不良貸し出しが原因で資金繰りがつかなくなり、資金ショートを来した関係金融機関が株を換金売りしたが、巨額の売りを吸収仕切れなかった。資金繰りに困った象(金融機関)が狭い出口に殺到してパニックになったと解説している。
87年と98年の株価暴落を避けるために、多くの金融機関が、売りと買いをバランスさせて設定するベバリッジ取引でリスクを平均化する手立てをとっていたが、皮肉にも商品の中身を複雑にさせ、プログラムをつくった当人がコントロール不能になった。病気の原因がつかみきれず、病状が悪化していたにも関わらず対策が後手に回ったと解説している。
87年、98年いずれのケースも利下げで対応したが、結果として、借金乱用を招いた。バーナンキ米FRB議長が、利下げに踏み切れず、公定歩合引き下げという電撃的処置に至るまで時間がかかったのは、インフレを警戒する気持ちがいかに強いかも証明している。
動物の世界では、群れが同じ方向に殺到するスタンピードという現象が見られる。動物は本能で動くから責められない。人間様も所詮動物だということを忘れないで欲しい。(了)
世界の中央銀行が、相次ぐ資金供給をして金融市場の動揺を少しでも鎮めようとする努力が続けられている。米FRBが公定歩合を0.5%引き下げたことで、週明けのアジア市場、欧州市場の株価は大きく反発した。一息ついたが、先行きについては不透明である。
NY株式市場では、8月20日、ベアスターンズ証券1.6%、レーマンブラザース1.8%、J.Pモルガン1.5%、ドイツバンク2%とそれぞれ値下がりし、金融株に値を下げるものが目立った。NYダウは、一進一退を続けたが、前日比42ドル高で取引を終了した。
病院の待合で時間待ちして居ると、看護士が大量のカルテを抱えて、診察室に運び込んでいるお馴染みの光景をよく見る。今回の世界同時株安についても、過去の病歴を、カルテで調べて、病気の診断の参考にしようとしている。
今朝のWSJ紙電子版は、E.S.Browning記者が、1987年のITバブル崩壊、1998年のLTCM破産、ロシア経済破綻に伴うそれぞれの株価暴落と今回のケースを比較している。
1987年の時は、金利上昇が、1998年はLTCM破綻により債券市場暴落が株価下落の引き金となった。今回は、住宅ローンでの不良貸し出しが原因で資金繰りがつかなくなり、資金ショートを来した関係金融機関が株を換金売りしたが、巨額の売りを吸収仕切れなかった。資金繰りに困った象(金融機関)が狭い出口に殺到してパニックになったと解説している。
87年と98年の株価暴落を避けるために、多くの金融機関が、売りと買いをバランスさせて設定するベバリッジ取引でリスクを平均化する手立てをとっていたが、皮肉にも商品の中身を複雑にさせ、プログラムをつくった当人がコントロール不能になった。病気の原因がつかみきれず、病状が悪化していたにも関わらず対策が後手に回ったと解説している。
87年、98年いずれのケースも利下げで対応したが、結果として、借金乱用を招いた。バーナンキ米FRB議長が、利下げに踏み切れず、公定歩合引き下げという電撃的処置に至るまで時間がかかったのは、インフレを警戒する気持ちがいかに強いかも証明している。
動物の世界では、群れが同じ方向に殺到するスタンピードという現象が見られる。動物は本能で動くから責められない。人間様も所詮動物だということを忘れないで欲しい。(了)