ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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バレル100ドルが視野に入ってきた原油相場ー学校で教えてくれない経済学

2007-10-20 13:04:28 | 経済学
 今に始まった話でないが、NY原油先物市場で、原油相場(WTI)が、バレル100ドルが視野に入ってきたと騒いでいる。ここ一ヶ月足らずの間に、バレル10ドル駆け上がったきっかけは、トルコがクルド武装勢力一掃に動き出すとの思惑からだった。

昨日、トルコ議会は、正式にクルドゲリラ掃討作戦にお墨付きを与えた。ただ、米国の原油在庫の増加や、IMFが先進国の景気鈍化を示唆したこと、米地区連銀レポートが、米国景気の先行きに警戒警報を発したことから、様子見から、86ドル台まで値下がりしていた。

ところが、バンク・オブ・アメリカが、7~9月の決算で、サブプライムローン焦げ付きの影響を受けて、純利益が前年同期比32%下落したとの情報を材料に、月末に予定されている、米FOMCで、再利下げの可能性が高まったとして、ドルが対ユーロで、売り直されたことをきっかけに、原油相場は再び上昇に転じ、バレル2.07ドル、2.4%上げて、89.47ドルで取引された。

バーナンキ米FRB議長が、10月15日、米住宅市場不振が、10~12月も続き、米国経済全体に影響すると、発言したことも、ドル売りを誘ったと今朝のWSJ紙は解説している。米労働省が、先週末での新規失業者保険申請件数が、予測の7,000件増に対して、28,000件増加して、337,000件に達したとの情報も、嫌気され、ドル売り材料に使われた。

原油、為替、金利、三兄妹が、上になり、下になり、相互にからみ合いながら、三すくみの状態で、相場を形成している。物事を余り短略化して見るのは良くないが、金利が下がれば、米ドルが売られる。米ドルが売られれば、原油が上がる構図がほぼ定着してきた。

10月18日、NY外国為替市場で、1ユーロ=1.4311ドルと、ドルは、一時、対ユーロで、過去最安値を更新した。対ユーロでのドルの値下がりで、ドルは、対円でも値を下げ、1ドル=115.57円前後で取引された。英ポンドも対ドルで買われ、1英ポンド=2.0483ドルで取引された。

原油相場が、バレル90ドル目前に迫っても、米国のガソリン相場は、今年ピークのバレル100ドルから現在90ドル近くまで値下がりしている。これ以上原油相場が値上がりしても、ガソリン相場が上昇しない限り、コスト増を吸収できない。いずれ天井をつける。ところが、1990年当時の過去最高値を、インフレ調整すれば、バレル101ドルに相当するとして、原油相場100ドルシナリオにお墨付きを与えている。

原油急騰は試練である。値上げを吸収し、ドルの目減り(インフレ)に対応出来る、魅力ある商品を提供出来ない企業は、早晩、マーケットからの退場を余儀なくされるだろう。(了)

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ブラックマンデー20周年、NYダウ366ドル安で祝福ー学校で教えてくれない経済学

2007-10-20 08:48:20 | 経済学
ブラックマンデー20周年の記念日を、NYダウは、前日比366ドル、2.5%安で祝ってくれた。投資家は先安を見越して株を売って、さっさと週末の休暇に出かけた人が多かったと今朝のWSJ紙は伝えている。

G-7の会合が、ワシントンで開かれているが、ドル相場に障る声明文は怖くて出せないだろうと見る人が多いようだ。あたりさわりのない文言をならべてお茶を濁すだろう。NY外国為替相場は、先行きを読み難い中、1ユーロ=1.4296ドル、1ドル=114.56円で取引された。

NY株価が暴落した結果、月末の米FOMCの会合で、0.25%の利下げが100%実施されると見る投資家が多いとWSJ紙は紹介している。9月の米新規住宅着工件数が10%以上減ったデータを見て、改めてサブプライムローン問題の影響が大きいことを認識した以上、金利据え置きでは、マーケットが収まりきらないと見ているようだ。

NY原油先物相場は、バレル90ドルを一時、突破した。しかし、あと、利益確定の売りが出て、バレル88.60ドルまで値下がりして取引を終了した。今回の原油急騰は、9月に過去高値の78.40ドルを突破した時からはじまった。

80ドルを越えてからは1ヶ月とかからず90ドルを達成した。このあたりでひと休みしてもおかしくない。1年前は60ドルだった。6合目、7合目まで来て。8合目を超えて9合目を一気にクリアした。10合目の100ドルを頂上と見る人は多いから、山を降りる人が出てきてもおかしくないだろう。

今朝のWSJ紙で面白いなと思ったのは、今の為替相場は、原油を積んで走っている列車のようだと話しているさるアナリストのコメントである。衝突すると危ないから、前の車両から後ろの車両に移動しているというのである。ここが日本人との大きな違いである。

トルコ・イラク国境での紛争やロシアが、核開発を巡って、イランと接近するという、これ見よがしの動きをアメリカに見せ付けた。天上知らずで上げていたインド、中国の株価に変調が見られる。米国景気の先行きも今ひとつ元気がない。株などおちおち買っておれないという雰囲気が、ブラックマンデー20周年に噴出したのかもしれない。

日本人は、人が6合目、7合目に居るのを見つけて裾野から登り始める。その都度大火傷している。外人が、2年も3年も前からお風呂につかっていて、いい湯加減だと風呂から出るタイミングに湯船に入ってくる。しかも、失礼しますと、そっと滑り込むように入って来ない。皆が飛び込むから飛び込む。ここのところを改めないと日本人の将来も心配だ。(了)

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