今に始まった話でないが、NY原油先物市場で、原油相場(WTI)が、バレル100ドルが視野に入ってきたと騒いでいる。ここ一ヶ月足らずの間に、バレル10ドル駆け上がったきっかけは、トルコがクルド武装勢力一掃に動き出すとの思惑からだった。
昨日、トルコ議会は、正式にクルドゲリラ掃討作戦にお墨付きを与えた。ただ、米国の原油在庫の増加や、IMFが先進国の景気鈍化を示唆したこと、米地区連銀レポートが、米国景気の先行きに警戒警報を発したことから、様子見から、86ドル台まで値下がりしていた。
ところが、バンク・オブ・アメリカが、7~9月の決算で、サブプライムローン焦げ付きの影響を受けて、純利益が前年同期比32%下落したとの情報を材料に、月末に予定されている、米FOMCで、再利下げの可能性が高まったとして、ドルが対ユーロで、売り直されたことをきっかけに、原油相場は再び上昇に転じ、バレル2.07ドル、2.4%上げて、89.47ドルで取引された。
バーナンキ米FRB議長が、10月15日、米住宅市場不振が、10~12月も続き、米国経済全体に影響すると、発言したことも、ドル売りを誘ったと今朝のWSJ紙は解説している。米労働省が、先週末での新規失業者保険申請件数が、予測の7,000件増に対して、28,000件増加して、337,000件に達したとの情報も、嫌気され、ドル売り材料に使われた。
原油、為替、金利、三兄妹が、上になり、下になり、相互にからみ合いながら、三すくみの状態で、相場を形成している。物事を余り短略化して見るのは良くないが、金利が下がれば、米ドルが売られる。米ドルが売られれば、原油が上がる構図がほぼ定着してきた。
10月18日、NY外国為替市場で、1ユーロ=1.4311ドルと、ドルは、一時、対ユーロで、過去最安値を更新した。対ユーロでのドルの値下がりで、ドルは、対円でも値を下げ、1ドル=115.57円前後で取引された。英ポンドも対ドルで買われ、1英ポンド=2.0483ドルで取引された。
原油相場が、バレル90ドル目前に迫っても、米国のガソリン相場は、今年ピークのバレル100ドルから現在90ドル近くまで値下がりしている。これ以上原油相場が値上がりしても、ガソリン相場が上昇しない限り、コスト増を吸収できない。いずれ天井をつける。ところが、1990年当時の過去最高値を、インフレ調整すれば、バレル101ドルに相当するとして、原油相場100ドルシナリオにお墨付きを与えている。
原油急騰は試練である。値上げを吸収し、ドルの目減り(インフレ)に対応出来る、魅力ある商品を提供出来ない企業は、早晩、マーケットからの退場を余儀なくされるだろう。(了)
昨日、トルコ議会は、正式にクルドゲリラ掃討作戦にお墨付きを与えた。ただ、米国の原油在庫の増加や、IMFが先進国の景気鈍化を示唆したこと、米地区連銀レポートが、米国景気の先行きに警戒警報を発したことから、様子見から、86ドル台まで値下がりしていた。
ところが、バンク・オブ・アメリカが、7~9月の決算で、サブプライムローン焦げ付きの影響を受けて、純利益が前年同期比32%下落したとの情報を材料に、月末に予定されている、米FOMCで、再利下げの可能性が高まったとして、ドルが対ユーロで、売り直されたことをきっかけに、原油相場は再び上昇に転じ、バレル2.07ドル、2.4%上げて、89.47ドルで取引された。
バーナンキ米FRB議長が、10月15日、米住宅市場不振が、10~12月も続き、米国経済全体に影響すると、発言したことも、ドル売りを誘ったと今朝のWSJ紙は解説している。米労働省が、先週末での新規失業者保険申請件数が、予測の7,000件増に対して、28,000件増加して、337,000件に達したとの情報も、嫌気され、ドル売り材料に使われた。
原油、為替、金利、三兄妹が、上になり、下になり、相互にからみ合いながら、三すくみの状態で、相場を形成している。物事を余り短略化して見るのは良くないが、金利が下がれば、米ドルが売られる。米ドルが売られれば、原油が上がる構図がほぼ定着してきた。
10月18日、NY外国為替市場で、1ユーロ=1.4311ドルと、ドルは、一時、対ユーロで、過去最安値を更新した。対ユーロでのドルの値下がりで、ドルは、対円でも値を下げ、1ドル=115.57円前後で取引された。英ポンドも対ドルで買われ、1英ポンド=2.0483ドルで取引された。
原油相場が、バレル90ドル目前に迫っても、米国のガソリン相場は、今年ピークのバレル100ドルから現在90ドル近くまで値下がりしている。これ以上原油相場が値上がりしても、ガソリン相場が上昇しない限り、コスト増を吸収できない。いずれ天井をつける。ところが、1990年当時の過去最高値を、インフレ調整すれば、バレル101ドルに相当するとして、原油相場100ドルシナリオにお墨付きを与えている。
原油急騰は試練である。値上げを吸収し、ドルの目減り(インフレ)に対応出来る、魅力ある商品を提供出来ない企業は、早晩、マーケットからの退場を余儀なくされるだろう。(了)