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ユーロ史上最高値更新、1ユーロ=1.5ドル目前(学校で教えてくれない経済学)

2008-02-27 09:08:39 | 経済学
 NY外国為替市場で、2月26日、ユーロが対ドルで史上最高値を更新、1ユーロ=1.4968ドルで取引された。米国景気の先行きスローダウンを裏付けるデータが相次ぎ発表された一方で、ドイツの景況感指数が予想以上に強かったことがユーロ買いに弾みをつけた。

 今朝のWSJ紙によれば、米FRB(米中央銀行)が3.0%からの追加利下げ、一方、ECB(欧州中央銀行)が現行利率4.0%堅持すれば、利回り格差拡大から、3月末時点では、1ユーロ=1.51ドルから1.52ドルへ、ドル売りが対ユーロで確実に進むとの二ユーヨークメロン銀行、Samarjit Shankar氏の見解を紹介している。

 ユーロの対ドルでの高値更新につれて、日本円も対ユーロで売られ、1ユーロ=160.46円で取引された。異常な低金利の日本でお金を借り、円を売ってユーロを買う、円借りキャリートレードも対円でのユーロ高を助けたようだ。一方、円は対ドルでは買われ、1ドル=107.30円へ上昇した。ただ、弱い者同士での比較の円高は素直に喜べない。

 ドル売り材料のひとつに、米景況感の悪化がある。米民間調査機関のコンフエレンスボードは、2月26日、2月の米消費者信頼感指数が、1月の87.3ポイントから、2003年のイラク戦争開始時点を除けば、15年来低い75ポイントまで一気に低下した。

2月の米主要都10都市の住宅価格が07年10~12月期前年同期比8.9%値下がりしたとの情報もドル売りを助けた。家の値段が上がり、買い替え、買い替えで、消費にゆとりが生まれた。ところが2年前から家の値段が下がりはじめた。下がるから売る、売るから下がるで、米国で1月の差し押さえ住宅は昨年対比57%増の23万件に達した。

2月26日、NY原油先物市場で、ドルが売られたことを嫌気して、4月物WTI(軽質油)相場は、バレル1.65ドル、1.7%上げ、100.88ドルと終値で史上最高値を更新した。ブレント原油(重質油)もつれて上昇、99.47ドルで取引された。原油値上がりには、ナイジエリア、イラクでの政情不安も買い材料に使われた。

原油相場は米インフレのシンボル指標でもある。米労働省は、2月26日、1月の卸売り物価指数が、エコノミストの予測の倍以上の1.0%上昇と発表した。インフレとはお金(ドル札)の値打ちが下がることである。資産の目減りを防ぐために、自然の成り行きで、ドル建て価格は上がる。3~4年前トン30ドルだった石炭がトン100ドルの声も出て来た。

医者の世界でも、日本では、俗に専門バカと呼ばれる人が最近多くなったそうだ。企業でも同じで、自分の守備範囲以外は手を出さない。グローバル(地球規模)という言葉だけが一人歩きしている。ユーロの対ドル史上最高値更新を、他人事で済まさないで欲しい。(了)

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