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原油100ドルキープ、米FRB議事録発表後、NYダウ90ドル高(学校で教えてくれない経済学)

2008-02-21 10:28:57 | 経済学
 NY原油先物相場が、2月20日、終値で、バレル100.74ドルを記録した。100ドル台をキープしたことで、相場自身が上がりたがっていることを確認した。泣く子と地頭には勝てぬと、最近の子供に話しても、怪訝な顔をされるのは落ちだが、泣きたいときには泣かせた方がいいと、昔のひとは教えていたのではなかろうか。

 原油相場が値上がりしたと騒いでいるが、米ドル表示で値上がりしたに過ぎない。値打ちが既にないか、それとも先で下がると思われている通貨で、換算すれば、物の値打ちが仮に同じでも、値上がりする。

 米FRBは、1月29,30日に開かれたときのFOMC(連邦公開市場委員会)議事録を発表した。利下げに反対意見があったことと利下げした後も、住宅市場の回復に時間を要すること、金融不安は残ることを明記していた。

米労働省は、2月20日、1月の米消費者物価指数(CPI)が、前月比で、まるめて0.4%(0.395%)上昇したと発表した。食料・エネルギーを除いた、コア物価指数は0.311%上昇した。一年前と比べれば、4.3%、コア指数は2.5%上昇した。

原油相場がバレル100ドル台で目先、定着するとの見方が出てきたが、コア指数は、利上げ・利下げのもの指しに米FRBは使っている。ガソリンのスタンド売りがガロン3ドルを突破した。小麦、大豆、トウモロコシも史上最高値を行使している。金はじめ貴金属、銅、錫など非鉄金属相場も値上がりしているから、コア指数の上昇は避けられないであろう。

NY株式市場は、原油が100ドルをキープすればインフレ懸念から、マーケットが折り込んでいた次回FOMCでの0.5%利下げが無理と判断して、売り先行で始まった。ところが、先のFOMCの議事録を読んだあと、バーナンキさんは、インフレ懸念もあるが、どちらかといえば景気失速をより怖れていることを確認したあと買いに転じ、前日比90ドル高い、12,427ドルで取引を終了した。

NY外国為替市場では、ドルが対ユーロで売られ、1ユーロ=1.4708ドルで取引された。ドルも買えない、円も買えない中で、CPI発表後、対ドルで円が売られ、1ドル=108.15ドルで取引された。対ユーロでも円が売られ、1ユーロ=159.28円で取引された。米国の衰退が目には定かに見えずとも、確実に進みつつあることを教えている。

日本ではテレビのどのチャンネルもイージス艦である。中国産餃子問題はすぐ忘れる。吉兆も赤福も取り上げない。忘れていいことと忘れてはいけないことがあるはずだろう。(了)

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