ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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穀物国際相場急騰は、他人事か(学校で教えてくれない経済学)

2008-02-16 12:31:51 | 経済学
 2月15日のウオールストリートジャーナルは、一面トップで、米国経済は、全体としては、リセッションのがけっぷちに向かって直進しているが、穀物相場急騰で、米中部の穀倉地帯は、ブームを謳歌していると掲載している。

 春作小麦の値段は、2月14日、ブッシエル18.53ドルと過去最高値を更新した。トウモロコシは、5ドルを越え、大豆は、13ドルを突破、それぞれ一年前と比べて、ブッシエルあたり、2倍以上値上がりした。

 農家の実収入は、ここ10年平均で、611億ドルだったが、08年には51%増の923億ドルと予測されている。地域の失業率は平均以下であり、住宅ブームが依然として続いている。CreditSuisse,食糧問題アナリスト、RobertMoskow氏は、「農業の黄金時代がやってきた」と語った。「トウモロコシのブッシエル2.10ドル時代への逆戻りはないだろう」とMoody’sEconomy,ディレクター、MikeHelmar氏は話したとWSJ紙は紹介した。

 国連食糧農業機構(FAO)直近のレポートで、08年1月の食料の国際相場は、前年同月比83%上昇した。セネガル、メキシコなど低所得国では、穀物高騰と品不足から、暴動が頻発していると報告している。

 ネブラスカ州中部、アルビオン(Albion)は、人口2000人以下の群であるが、新築の家が次々建てられ、エタノール工場が建ち、24時間制の歯科医院が開業、昨年11月には宝石店、次いで農家資本のスターバックスのコーヒー店で開店一周年記念をお祝いした。

 トウモロコシ、大豆農家、55歳、BradBeckwithさんは、「アルビオンのビズネスは、いまや、沸きたっている。土地の賃貸料、種子、肥料、燃料代が上がったが利益がでている。」と話した。同じく農家、49歳、JerryCarderさんは、「農家は大金が出来た。4万ドル(430万円)の2008年型、メルセデスベンツML350を買った」と話した。

 アイオワ州、ニュートンで9,000エーカーの耕地を持つ、トウモロコシ、大豆農家、BillTalsmaさんは、「世界経済全体が沈没してしまうと、穀物も酪農も成り立たない。アメリカから輸出が止まり、米国以外で金が枯渇すれば、豚の餌代も払えなくなるだろう。今はいいが、お金は使わないようにしている」と話したとWSJ紙は紹介している。

 日本では、農水省が、小麦の売り渡し価格を、今年4月から30%値上げすると発表した。国際相場は、2倍、3倍のスピードで値上がりしている。税金で小刻み補填するのもいいが、早晩、行き詰ることが目に見えている。お金をいくら出しても食糧が手に入らない時代が
意外に早い時点で日本列島を襲うかもしれない。穀物急騰は他人事ではないであろう。(了)

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リチャードクー講演

2008-02-16 00:38:50 | 経済学



リチャードクー講演

江嵜企画代表・Ken



 リチャード・クーさんが、サブプライムローン問題をどのように捉えておられるか知りたく、大阪の京セラドームで開かれた、大手証券会社主催のセミナーに出かけた。
 
9時受け付け、10時開演だったが、少しでもいい予約席で話を聞きたかったので、8時40分過ぎに現場に着いた。開演までの小1時間は、ゴールドマンザックス証券≪米国の立場≫とドイツ証券≪ユーロ圏の立場≫のブースで、当然ながら、それぞれのお国が将来をリードするという視点でのミニ・解説を聞いた。

 リチャード・クーさんは、今、世界で、まともに機能している金融市場は、日本だけだと、口火を切った。

 「戦後はじめての、最悪の不況」と言ったという、ジョージ・ソロスの言葉が紹介された。
米国の住宅の値段は、この先まだまだ、下げ続けるだろうから、サブプライムローン問題の解決には、少なくとも2~3年はかかるだろうと、悲観的だった。
 
 中国産餃子が入っているかもしれないというだけで、誰も餃子を食べなくなった。
それと同じで、サブプライムローンに関連した商品を扱っている金融機関と言うだけで、誰からも相手にされなくなった。世界トップの金融機関がアラブや中国の資金に頼らざるを得なくなったのもそのためだ。
 
 解決の方はひとつある。それは日本がかって経験した、政府資金を投入することである。
ところがアメリカの世論がそれを許さない。バーナンキさんは、この先、利下げをゼロ金利まで続けるだろう。多少の効果はあるだろうが、抜本的な解決に繋がらないと話した。
 
 日本については、内閣府による「国民生活に関する世論調査」で、「お宅の生活
は、これから先、どうなっていくと思いますか」という質問に対する回答の割合が、「悪くなっていく」29.1%、「良くなっていく」8.3%の数字が、全てを物語っていると説明した。
 
 財務省「通関統計」によれば、中国からの輸入(労働集約的)が「中国への輸出」(資本集約的)を上回っている。日本の10倍の人口の国が、日本の10分1の給料で、日本からの最新鋭の機械を使って出来た製品を日本が輸入している。これが日本の現実である。
 
 日本では面白いことを言う人間は変人といわれる。日本は、まだ、変人が主流になっていない。
変人が主流にならないと、消費も増えない.。株も上がらないと結んだ。
 
 ゴールドマンザックス証券の話では、日本の輸入率は、石炭100%、石油99.7%である。
自給率は、牛肉43%、穀物28%、大豆5%である。円安の危機に備える必要があると、外貨への分散投資を勧めていた。
 
 ドイツ証券のブースでは、通貨ユーロが着実に力を付けてきていると話していた。
 
 日本人はひたすら郵便貯金である。国民のなけなしの預金を彼らは何で運用しているか。
日本国債と米国債による運用が大部分である。
 
 どこの講演会でもそうだが、筆者も含めて、老い先短い老人が会場を埋め尽くしている。
50年、100年先の日本の行く末を考えて施策を講じる政治家の出現が待たれてならない。(了)


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