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中国買い、石炭相場急騰に拍車(学校で教えてくれない経済学)

2008-02-13 11:28:33 | 経済学
 2月12日の米紙経済紙、ウオールストリートジャーナル一面トップ記事には、「中国、石炭急騰に拍車」という見出しが躍っていた。中国の石炭の手持ち在庫は10日分のみとの情報もある。石炭相場は、2月11日の豪州積み出し値段で、トン125ドルと1月25日から34%上昇、07年1月対比2.5倍である。

 中国が買い始めると、極論すれば、全ての値段が上がる。逆に、中国が大量に供給する商品は値段が上がらない。中国大増産の結果、現在、キロ1ドル40セント前後といまだ浮上できない、ポリエステル綿でさえ、十数年前、中国買いを材料に、キロ5ドルまで急騰した。日本の合繊メーカーの現在の姿は、中国問題とは何かを、わかりやすく教えてくれる。

 バレル90ドル台が常識になった原油相場も、中国買いが入る1993年までは、バレル15ドル前後で10数年間低迷していた。1994年から中国は、発電用にディーゼル用油を積極的に輸入し始めた後、原油相場は上昇トレンドに入った。

 「石炭相場急騰は、原油相場の再来か」と、今朝のWSJ紙は小見出しをつけた。中国は、2007年前半までは、石炭の輸出国だった。それがネット輸入国に転換した。その瞬間から、石炭相場急騰が始まった。中国は世界の石炭消費の25%を占め、さらに消費拡大が予測される。特にここへ来ての急騰は、1月末の大雪と電力不足が拍車をかけた。

 アジアへの石炭供給基地、オーストラリアでは、中国ラッシュにより、積み出し港が機能麻痺を起している。石炭生産国の南アフリカは、自国の電力不足のため、欧州向け輸出をカットした。同じく石炭生産国のロシアでは、貨車が不足して、輸出が減った。

 日本は、世界最大の石炭輸入国である。新潟地震後、原子力発電にブレーキがかかり、発電用の石炭重要が倍増している。火力発電が主力のインドの石炭輸入が増加している。インドネシアでは、良質石炭の輸入を始めた。欧州が、質が落ちるとして敬遠していた米国炭を買い始めた。背に腹は代えられないのであろう。

 米国の石炭積み出し港、ボルチモアでは、07年は20%増加、08年は25%増えると予測している。チャイナブームは、米国の炭鉱労働者に職場を増やし、給料を上げた。InernationalCoalGroup,CEO、BennettHatfieldさんは、「これほどまでの活気は、経験がない」と話したとWSJ紙記事は紹介している。

 日本では、テレビ、新聞に報道されて始めて大騒ぎになる。ほとぼりが冷めるとすぐに忘れる。アレだけ騒いだ赤福が再開初日に長蛇の列ができた。船場吉兆も先週店を開けたが、予約客で満席だそうだ。深刻な石炭相場急騰も新聞に出てはじめて騒ぐのであろう。(了)

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