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予想外の米雇用データ改善、ドル90円台へ、金相場急落、NYダウ22ドル高

2009-12-06 09:26:21 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)



『強気相場が崩壊に向かうとき』と題して、直近のニューズウイーク日本版で、ルチル・シャルマ氏(モルガン・スタンレー新興市場責任者)が「商品相場高騰で新興国のインフレ率が高まれば黄信号がともる」と指摘している。

12月4日のNY株式市場は、11月の米非農業部門雇用数がエコノミストの予測の125,000減に対して11,000減との発表を好感、NYダウは一時150ドル以上上げた。つれてNY外国為替市場でドルが対ユーロで上昇し、特に対円では一気に90円台まで値上がりした。

ドル急反発を受けて、原油はじめこのところドル先安を見越して買い上がっていたNY金先物相場がオンス48ドル急落、1168.80ドルで取引を終了した。NY原油(WTI)もバレル75ドルへ値下がりした。ただNYダウは引けにかけて雇用改善は利上げのタイミングが早まるとの思惑から利益確定の売りが出て、結局、22ドル高の10,388ドルで終了した。

「鬼の居ぬ間に洗濯」ということわざがある。鬼(利上げ)はここしばらくは出てこないということで特に金はじめ商品市場へカネが流れていた。雇用改善の時期が早まれば利上げ時期も早まる。ナメクジ(株価)に塩(利上げ)。投資家に警戒感が出たのかもしれない。

5日朝、NHK・BS「おはよう世界」で、ブルームバーグ二ュ―スでガイトナー米財務長官とのインタビューを流していた。そのなかでガイトナー長官は、「経済の現状は十分回復していない。しかし、失業率は徐々に9%台まで低下するだろう」と語っていた。

先のニューズウイークの記事は、「世界各国の景気刺激策によって生まれた膨大な過剰流動性は商品に「実体のない需要」をもたらしている。エネルギー商品の1日当りの先物契約高は、5年前は実際の需要の4~5倍だった。今は15倍と見られている。」と書いている。

「現在の原油(WTI)の適正価格はバレル当り50ドルだが、米FRBによる景気刺激策を背景にバレル当り25~35ドルが上乗せされている」と書いた。さらに「金価格の上昇はマイナスのバロメーター。金融システムに対する信頼が揺らぐと安全な資産である金への投資が増える。」「08年に原油など商品相場が急騰した。一部の途上国の中央銀行はインフレ警戒から利上げに走った。今回の金融危機の一因となった。」と警告している。

「商品市場の投機に群がり、中央銀行がそれを抑えるために利上げに踏み切れば、10年は08年同様、強気派が弱気派に代わり、予想以上に早く相場が下落する。」と結んでいる。

3日欧州中央銀行のトリシエ総裁は政策金利を1.0%に据え置いたが、金融機関への期間1年の資金供給を年内で打ち止めと発表した。バブルを警戒するスタンスが垣間見える。(了)

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