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先見性、独創性、大原聡一郎から学ぶもの(学校で教えてくれない経済学)

2009-12-28 15:33:54 | 経済学
経営の神様と呼ばれた松下幸之助から「美しい経済人」と称されたという大原聡一郎、倉敷レイヨン(現クラレ)社長の経営指針や人となりを27日正午から約1時間、BSJapanの放送を興味深く見ることが出来、幸いだった。

当社が日本独自の技術でビニロン繊維を開発したことは良く知られている。ビニロンプラントの中国向け輸出の一件については、冷戦時代だった当時、ありとあらゆる政治的障害を克服して、見事初志貫徹して実現した経緯が、特に印象に残った。

なぜ大原聡一郎は中国向けプラント輸出にこだわったのか。それには日本が起こした戦争に対する贖罪の意味があった。しかしそれ以上に自らの企業にも利益をもたらす。ひいては社員にも還元されるとの深い洞察があったものと思われると紹介していた。

プラント建設中、派遣された職員は家族を離れる。聡一郎は従業員の家族に「ご迷惑をおかけしております。もう一寸で帰るから我慢してほしい」と書いた。その手紙が家族の手もとに残されていると紹介していた。

聡一郎は美術にも音楽にも造詣が深かった。絵画では大原美術館展示作品に岸田劉生など著名画家の作品も多い。しかし、20代で夭折した関根正二、松本俊介など自分独自の世界を出して善戦健闘したアーチストの作家の作品も展示している。聡一郎の先見性と独創性を尊ぶ心意気が垣間見える。

ポバールはビニロン繊維の原料である。現在ポバールは当社経営の屋台骨を支えている。富山工場で創業期に参加した元従業員(78)は「ポバールは将来世界をかけめぐるよと話していた。言われたことが現実のものとなった」と感慨深げに番組の中で話していた。

聡一郎は大学で哲学を学びたいと思っていた。創業者、父の孫三郎は許さず経営学部へ進んだ。企業は手段を選ばず儲ければいいというものではない。社会的責任の重要性を50数年前に指摘した。「社会的責任と人間道」というテーマで講演する映像が紹介されていた。

松下幸之助は、「関西財界の花やったんや。美しいい経済人。指導者やった。」と語っている言葉が番組の中で流れていた。当社の和久井会長は「哲学のある経営者。質的にものを考える人」と番組の評していた。

いま日本経済はリーダー不在で漂流している。混迷の時代の今こそ経営者に限らず日本人一人一人が、聡一郎自ら示した先見性、独創性の大切さを学ぶ必要があるだろう。当社のコマーシャルが再々流された以外は示唆に富む優れ物の番組であった。感謝したい。(了)

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