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米FOMCサプライズ無し、NYダウ10ドル安、原油72.66ドル(学校で教えてくれない経済学)

2009-12-17 10:31:48 | 経済学
「アメリカが落ちた没落の方程式」(An Empire at risk)と題して、二―アル・フア―ガソン(ハーバード大学歴史学教授)が直近のニューズウイーク日本版に「巨額の景気刺激策が国防費を圧迫し「帝国」に終焉が訪れる」と興味深い長文の原稿を掲載していた。

氏は「借金がGDPの2倍に?」、「米国債の買い手がいない」、「インフレより怖いもの」と続け、「利子負担が招く悪循環」と進め、古くはスペインのハプスブルク王朝、革命前のフランス、オスマン帝国、大英帝国を例示して、これが「帝国破滅の公式」と断じていた。

一方、同号には、「メガ雇用回復がやってくる!」と題して、ダニエル・グロス記者(ビズネス担当)が、①米国政府は、景気対策7,879 億ドルの30%しか使っていない、②ドル安が輸出の追い風、③経済学者は5ケ月先のことさえ予測できないと書き、「アメリカ人が雇用の先行きに希望を持てないのは自然である。しかし、そうした常識の方が間違いの可能性があると書いていた。

冒頭のフア―ガソン教授は、「米国債の買い手は2つに過ぎない。1つは09年第2四半期に発行した国債のかなりの部分を買いとった米FRBともう1つは3,800億ドルの国債を購入した外国投資家だ」と指摘している。買い手不在がドルの不安材料であると示唆した。

16日、米FOMC(連邦公開市場委員会)は政策金利を現行の0から0.25%、公定歩合0.5%据え置きを決めた。注目の声明文では「景気は回復(pick-up)を続けている。雇用への悪影響は消えつつある。」「住宅ローン担保証券の買い取りを年初に終了する。」と書いた。

NYダウはFOMC発表前は前日比35ドル上げていた。発表後は10ドル下げ10,441ドルで取引を終了した。シティ―株がアブダビ関連の損失を材料に3.1%下げたことも全般の地合いを悪化させた。11月の新規住宅件数の8.8%増の好材料は無視された。「FOMCの決定と声明文の内容はマーケットの予想の範囲内、サプライズはなかった」と一部関係者の感触を今朝のWSJ紙は紹介していた。

NY外国為替市場は、ドルが買われたが、「1ユーロ=1.45ドル、1ドル=90円の壁を破れなかった。米FRBの利上げのタイミングを計りかねている。」マーケットの注目は米FRBの利上げのタイミングに絞られてきた。「目標金利のFFレートは据え置き、現在、0.5%の公定歩合の0.25%上げから開始する」との一部の見方を今朝のWSJ紙は紹介していた。

一方、原油(WTI)先物相場は、足元の在庫減少を材料に上げ、バレル72.66ドルで取引された。金相場は小幅反発、オンス1,136ドルで取引された。しばらく休憩していた水鳥が商品相場に戻る気配を伺わせている。ドル先安の匂いが消えていないからだろう。(了)

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