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SECのゴールドマン告発は、米中間選挙に向けた政治的思惑か(学校で教えてくれない経済学)

2010-04-19 07:26:20 | 経済学
米証券取引委員会(U.S .Securities and Exchange Commission、略してSEC)が、ゴールドマン・サックスを詐欺容疑で告発(charge)したとのニュ-スを受けて、先週末、NYダウが125ドル安と急落、ユーロ相場が、対円で1.5%、対ドルで0.5%値下がりした。

日本では、一般紙でも今回のニュ-スは結構大きく取り上げられた。週明けの東京市場でも、株式、外国為替市場ともに影響が出そうだ。今回のSECの告発には、米金融改革法案の早期成立を狙うオバマ政権の政治的思惑が背景にあると見られている。

17日付けのWSJ紙は、「米金融大手のゴールドマンが、大手ヘッジファンドのポールソン・アンド・カンパーが損失補てんのための反対取引、CDS(Credit DefaultSwapの略)を行っていることを知りながら、サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)を裏付けとした債務担保証券(CDO)に組み入れて販売していたと、SECはゴールドマンを告発したと書いていた。

WSJ紙によると、ゴールドマン・サックス・インターナショナル執行役員のト―ル氏が、友人に宛てた電子メールで「CDO市場はいつ崩壊してもおかしくないと」書いていた。投資家にこの事実が知られるとCDOが売れなくなる。投資家にはCDOを勧めながら、自らは売って利益を上げた。正に詐欺行為であるとSECは断じたと書いていた。
 
返済不可能な顧客と知りながら、サブプライムローンを始めたことが、今回の世界金融危機のそもそもの原因である。住宅の値段が上がっている間は問題が表面化しなかった。ところが住宅価格が下がり、回転が効かなくなった。売るから値段は下がる。下がるから売りがかさむ。決まり切った転落のパターンである。

11月の米中間選挙では民主党苦戦が予想される。オバマ大統領は先日なり振り構わず健康保険法案を成立させた。核安全サミットもクリアした。一気加勢に金融規制改革法を成立させて、米中間選挙劣勢を挽回しようとオバマ陣営は政治生命をかけていると伝えられる。

17日のWSJ紙は、銀行がデリバティブ取引で巨額の利益を上げた。金融規制改革法案の目玉がデリバティブ規制である。ところが、ガイトナー財務長官は、店頭販売デリバティブは禁止の対象だが、大手銀行によるデリバティブ取引禁止には言及していないと書いていた。SECはゴールドマンを告発する。一方、デリバティブで大手銀行をガス抜きする。

SECは、日本語では、証券取引委員会と訳すが、アメリカの株式や公社債などの証券取引を監督・監視する連邦政府の機関である。エンロンやワールドコムの粉飾決算を暴いてきた。2009年に女性初の委員長に就任したMarySchapiro氏の存在に注目しておきたい。(了)

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