成長を維持しながらインフレを抑えることが、2011年から始まる中国五カ年計画の喫緊の課題となる、と5日付けのWSJ紙に、AAronBack記者、BobDavis記者が記事冒頭に書いていた。
中東、北アフリカ不安が、失業した若者の参加が引き金になったことに、中国指導部は、80年代末の天安門事件と重ね合わせて神経を尖らせているとBank of America-Merill Lynchエコノミスト、LuTing氏のコメントを紹介していた。
全人代での温家宝首相の演説は、低所得者向け住宅建設、最低賃金の2ケタ増、国有企業の配当引き上げが経済政策の基本となっている。過去30年、中国の成長率はほぼ9%を維持した。
昨年は11%成長したが今後は輸出と国営企業への投資から国内に投資比重を移すと同時にインフレを抑えることを目標にするため、経済成長は7%台へ低下すると温家宝首相は演説した。
一人当たり可処分所得は、都市の2万元に対して農村は5千元と格差は拡大している。税制改革の一環として、課税対象所得の限度額を現行の月2千元から3千元(457ドル)への引き上げが議論されるとWSJ紙は紹介していた。
今年1月の中国の消費者物価指数は前年比4.9%増加したが、これは世界的な食料品価格上昇を反映、非食料品価格も同2.6%増と13年来の高さに達したと紹介、このところの物価急騰が引き金に一気に政情不安に発展することを警戒していると書いた。
別ページにDavis記者が書いた、「全人代」初体験記が面白かった。オバマ米大統領は米議会で7,000語の年頭教書を読み上げた。喝采のために80回中断した。「全人代」で温首相は、15,000語の演説2時間中、喝采はわずか24回だった。温首相が大げさなジェスチャーをしたのは2回。「よりよい未来」という言葉を2回、「慎重に(pludently」を7回、「変化(change)」を8回使ったと書いていた。
「インターネットの普及」という言葉を使ったとき議会に何一つ喝采がなかった。ひよっとしたら翻訳ミスかもしれないとDavis記者は特記している。中東情勢、中国での改革派デモについて一切なし。ただ1回、「慎重に政治改革を前向きに進める」とだけ触れた。演説の草稿は1週間前に配布される。率直にいえばbizarre(奇怪な)と全人代の印象を記した。
WSJ紙は[China real time]というコーナーを持つ。5日付けの記事では13人の担当記者の顔写真が出ていた。日本の報道機関がどの程度記者を派遣しているか不案内だが、記者の数だけでは短絡的といえ、アメリカが中国に大きな関心を持っていることを示している。
中東、北アフリカに見られる民主化の動きの中、世界が中国の動向に注目している。(了)
中東、北アフリカ不安が、失業した若者の参加が引き金になったことに、中国指導部は、80年代末の天安門事件と重ね合わせて神経を尖らせているとBank of America-Merill Lynchエコノミスト、LuTing氏のコメントを紹介していた。
全人代での温家宝首相の演説は、低所得者向け住宅建設、最低賃金の2ケタ増、国有企業の配当引き上げが経済政策の基本となっている。過去30年、中国の成長率はほぼ9%を維持した。
昨年は11%成長したが今後は輸出と国営企業への投資から国内に投資比重を移すと同時にインフレを抑えることを目標にするため、経済成長は7%台へ低下すると温家宝首相は演説した。
一人当たり可処分所得は、都市の2万元に対して農村は5千元と格差は拡大している。税制改革の一環として、課税対象所得の限度額を現行の月2千元から3千元(457ドル)への引き上げが議論されるとWSJ紙は紹介していた。
今年1月の中国の消費者物価指数は前年比4.9%増加したが、これは世界的な食料品価格上昇を反映、非食料品価格も同2.6%増と13年来の高さに達したと紹介、このところの物価急騰が引き金に一気に政情不安に発展することを警戒していると書いた。
別ページにDavis記者が書いた、「全人代」初体験記が面白かった。オバマ米大統領は米議会で7,000語の年頭教書を読み上げた。喝采のために80回中断した。「全人代」で温首相は、15,000語の演説2時間中、喝采はわずか24回だった。温首相が大げさなジェスチャーをしたのは2回。「よりよい未来」という言葉を2回、「慎重に(pludently」を7回、「変化(change)」を8回使ったと書いていた。
「インターネットの普及」という言葉を使ったとき議会に何一つ喝采がなかった。ひよっとしたら翻訳ミスかもしれないとDavis記者は特記している。中東情勢、中国での改革派デモについて一切なし。ただ1回、「慎重に政治改革を前向きに進める」とだけ触れた。演説の草稿は1週間前に配布される。率直にいえばbizarre(奇怪な)と全人代の印象を記した。
WSJ紙は[China real time]というコーナーを持つ。5日付けの記事では13人の担当記者の顔写真が出ていた。日本の報道機関がどの程度記者を派遣しているか不案内だが、記者の数だけでは短絡的といえ、アメリカが中国に大きな関心を持っていることを示している。
中東、北アフリカに見られる民主化の動きの中、世界が中国の動向に注目している。(了)