白鶴美術館風景
江嵜企画代表・Ken
こちら神戸、時に寒い日もあったが、さすが4月である。ぽかぽか陽気となった。
自宅マンションを出てほぼ満開の桜を見ながら歩くこと約30分、本日お目当ての
白鶴美術館の屋根が見えた。
どこに構えて描くか。物色していたところ、たまたま、住吉川沿い左手に縦約70センチ
横約1.5メートルほどの結構目立つ看板に気づいた。看板最下段にインド領事邸と
あった。
人生すべからくご縁である。これ幸いと、失礼ながらインド領事邸の石垣に
腰を下ろし、画面中央に美術館を入れてスケッチした。
白鶴美術館は、昭和9年(1934),白鶴酒造7代目,嘉納治兵衛によって建てられた。
昭和13年(1938)7月、神戸大水害、昭和20年(1945),3月、5月、6月大空襲、
平成7年(1995)1月、阪神淡路大震災全て乗り越えた不死身の建物である。
美術館入口近くに神戸大水害で住吉川が氾濫したときの水位を記す標識が建っている。
六甲の山は大水害の前までははげ山だった。雨は7月2日から降り始め、4日まで降り
続いたという。住吉川はじめ六甲から大阪湾に流れる全ての川が氾濫した。
余談ながら、筆者は水害の直前の6月29日に神戸三宮で生まれた。神戸大水害の状況は
谷崎潤一郎「細雪」に詳しい。(了)