在阪老舗文具メーカーL社株主総会風景
江嵜企画代表・Ken
在阪老舗文具メーカーL社の株主総会が5月26日(木)午前10時から開かれた。今年2月末決算で約6,000万円の赤字を計上した。来季に向けて株主にどんなメッセージを発信するかを確かめたく楽しみにして出かけた。会場の様子をいつものようにスケッチした。画面左手にはおそらく会社関係者であろう背広姿が目に付いた。
プロジェクターに会社概要を映した後、第1号議案株式統合説明から始まった。全国の証券取引所は、売買単位の集約のため、普通株式の売買単位を100株に統一することを目指している。当社もその趣旨に習い、10株を1株に併合したい。平成28年9月1日に効力が発生する。その結果当社の発行株数は現在の4,000万株が400万株になると社長さんから説明があった。その他の議案の説明の後、恒例により株主から質問を受け付けた。
毎回必ず一番に手を挙げ、延々と時間を取り、わが物顔で質問される株主がおられる。赤字を出した経緯と今年黒字にできるか、②過去の数字は出ているが総会配布資料に将来どうなるのか出ていない。当件について特別に会長さんの意見を聞きたいと発言した。
将来の具体的数字は用意していないとの担当役員さんの回答のあと、会長さんが「久しぶりで登壇しました」との前置きのあと以下発言した。
赤字を出すことはよくないと常々こころして創業以来事業を進めてきたが今回止む無く赤字を計上した。原因はいろいろある。急激かつ大幅な円安が進んだことが大きな原因であるが、特に大手通販での値上げが通らなかったことが影響した。厳しい環境が今後も続くが全ての事業部門に黒字化を厳しく要請した。
今年1~3月、4月、5月と業績は確実に改善してきている。本来なら大幅な役員給与カットや宣伝広告費の削減を進めるところだが、一切やらなかった。当社の方針として、やる気のある人には意欲的に仕事をしてもらいたい。指示待ち人間はいらない。ここへきて新製品の開発の成果が出てきた。来年の株主総会では必ず黒字化して株主の皆様のご期待に応える。ご安心いただきたいと答えた。
いつもベトナム事業について質問しているがと前置きして二番目に筆者が①ベトナム事業で過去一年特筆すべき事項があれば聞きたい、②配布資料に海外市場開拓が着実に進んでいるとあるが、それがどこで何かを教えてほしいと聞いた。
担当役員さんから①について、部品加工をベトナム工場で新たに始めた。成果が出てきていると答えた。②については、アジアに加えてオセアニア市場へ販売を拡大した。特に書類が取り出しやすいアクアドロップ商品が売り上げをのばしているなどと答えた。
三番目に手を挙げた株主は、株主割引制度がなぜないのか。株主総会で売り場で買えば2割安く買えることをやらないのかと聞いた。担当役員さんが当社は安定配当を基本に考えて今までやってきた。今回のご提案を参考に検討したいと答えた。
土産に『水彩画を描く人に新たなご提案』として、いままでなかった画用紙に差し替えが出来る「スケッチブック」、アートシリーズ一冊とファイルの指一本でファイルがワンタッチで開くとじ具が配られた。
当社の株価は一株170円で低迷している。はぐれカラスのようで不憫でならない。しがない1000株株主だが今回の株主総会では会長さんの言葉に勇気をもらった。有言実行を切に期待している。(了)