JAA(関節調整鍼)
「慢性疾患」というのは近年「生活習慣病」という表現をする場合が多くなりましたが、生活習慣病でなくても慢性的な疾患はあります。
たとえば、心臓病、関節リウマチ、糖尿病等がそれに当るのですが、それら以外にも多くの慢性疾患があります。
その慢性的な疾患にも整体鍼(チョンチョンと軽い鍼で筋肉を整え、関節を調整する方法)は効果を発揮することがわかってきました。
整体鍼は短時間でできる治療法で、患者さんも一緒に変化を確認できる方法なので、整体鍼を入れたほうがいいと思われる患者さんには、整体鍼を入れるようにしています。
そして何人からも「整体鍼は脊椎まで整うんですね」と報告がありました。
この「整体鍼で脊椎まで整う」ということは、6月の臨床実践塾のテーマにする予定だったのですが、先に臨床で経験している方がいますので、テーマを少し変えて、「慢性疾患の治療」にすることにしました。
慢性疾患の治療には、長置鍼法や頭蓋JAAが威力を発揮するので、「長置鍼法と頭蓋JAAを含めた整体鍼」の講習をする予定です。
先日の臨床で驚いたのは、整体鍼をした後に頚椎を調整するつもりで、瘂門穴(後頭部正中線上)に刺鍼したら、頸椎が整っているのです。
整体鍼をする前と比べると、瘂門穴が1㎝近くも動いたようになっていたのです。
この方は、何度も治療に来ていますが、こんなことは初めてです。
う~ん。
股関節や仙腸関節の調整で頚椎がそこまで動くとはビックリです。
後頭骨と仙骨の関係は前々から言われていますが、もしかしたら「後頭骨と仙骨」と言うより、「後頭骨と仙腸関節や股関節」と言ったほうがいいかも知れません。
いずれにしても、慢性的な疾患になっている人は、多かれ少なかれ頸椎の歪みがあるので、整体鍼で股関節や仙腸関節を整えたほうがいいようです。
順序としては、最初に七星論の基本鍼法や頭蓋JAAで症状を治めて、整体鍼で股関節や仙腸関節を整え、その後に長置鍼法で臓腑を整えればいいということになるわけです。
鍼灸や漢方は慢性疾患の治療に適しているので、歴史的にも多くの治療法があります。
ただ、時間がかかるという難点がありますので、「短期間に治す方法」を考えているわけで、今までの臨床からすると、頭蓋JAA、整体鍼、長置鍼法を組み合わせることで、それが可能になると考えられます。