第24回東西4大学OB合唱連盟演奏会風景
知人のKさんから時間許せばいかがですかと案内があり兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールで7月30日(日)午後2時から開かれた第24回東西4大学OB合唱連盟演奏会に出かけた。久しぶりだったせいか演奏会場の立派なことに改めて驚いた。開演30分ほど前に会場に着いた。いつものようにスケッチを描く。この日は全景を想定してレイアウトした。
大ホールロビーでは、団仲間か、家族、友人であろうか、和やかな雰囲気で、同窓会さながらの光景がそこここで見られた。今回はコロナの影響で4年振りの開催となる。開演直前には会場は満席となった。いつものように開演までの時間を利用して席に着くなり少しづつつ鉛筆を走らせはじめる。Kさんはいつも描きやすい場所を予約くださり感謝している。
第1STAGEにKさんが所属する慶應義塾ワグネル・ソサイエティOB合唱団が登壇を終え、指揮・宮本益光氏、ピアノ:高田恵子さんを入れて鉛筆デッサンを済ませあとは演奏に集中した。自宅で色鉛筆で彩色した。
会場入り口で配布された資料によると、Kさんは1960年入団、一番若い2019年入団の方と59年の年差があることを知った。Kさんから届いた手紙で今回が最後となるとあった。お疲れさまでしたと、この場を借りて敬意を表したい。私事ながら筆者も大学時代、混声合唱団に所属していた。声も出ない。楽譜も読めない。いまや昔の物語である。
4大学とは、慶応義塾大学、同志社大学、早稲田大学、関西学院大学である。1952年に4大学が集まって毎年演奏会を開くことを決めた。1977年に東西四大学OB合唱連盟演奏会を2年に一度、東京と京阪神で交互に開き45年を超えたと配布資料にあった。
演奏会は4大学が登壇、校歌斉唱で始まった。全員退場の後、第1STAGEは慶応義塾大学「水の命」。瑞々しい響きが心にしみわたった。
第2・Sの同志社大「まぼろしの薔薇」。迫力ある元気な歌声に元気をもらった。15分のインターミッションのあと、第3・Sは早稲田大「幻の薔薇」から始まった。指揮者の小林研一郎氏が演奏の前の3分間と言葉をかけたあと、歌詞のドイツ語の原語の魅力をユーモアたっぷりに語りかけ会場を盛り上げた。
歌詞の中身は、恋人が自分を裏切ってあの人の元に嫁いでいく。傷心のもとさすらいの旅に出る物語である。爆発的な前半が一転して後半、終わりにかけて苦しみの静寂に変わる。感情の起伏がリズムよく伝わった。
第4・Sは関西学院「柳河風俗詩」。柳河は北原白秋の生まれ故郷。歌詞は白秋の詩を元にしている。歌詞の一つ一つ一つの言葉が耳によく届いた。清澄な歌声が男性合唱団であることをふと忘れさせたくれた。声楽日本一の知る人ぞ知る実力校のOBの皆さんの演奏に圧倒された。
最後に合同演奏「月光のピエロ」、アンコール曲を堪能してお開きとなった。
最後の合同演奏では4大学、慶応(115人)、同志社(73)、早稲田(107)、関西学院(108)総勢403名が登壇した。見事にハーモニーされた演奏が強く印象に残った。
素晴らしい機会をいただいたKさんにひたすら感謝である。(了)