NY原油先物市場でWTI相場はバレル1.37ドル上げ59.94ドルで取引された。今週末カタールで開催予定のOPEC臨時総会で日量100万バレルの減産が討議されることが材料にされた。また日量270万バレルの世界三位の生産国ノルウエーが10%の減産になる怖れがあるとの材料を蒸し返しているとの見方もある。
原油相場は7月につけた史上高値バレル78.40ドルから25%下げた。ガソリン相場も米国の話であるが、スタンド売りで一時ガロン3ドルを越えていたが現在は2.5ドル台へ下落している。値段が下がれば米国人の常、節約心を失い、米国の石油消費は減らないだろう。
OPECが減産を実施すれば2004年12月以来となる。当時原油相場はバレル40ドルであった。現在はバレル60ドルであう。状況が全く違うことから、OPEC加盟国間で足並みが揃わないだろうとの見方が強い。OPECは実際には日量2,900バレル生産している。100万減産してはじめて生産枠が名実ともに2,800万に落ち着くに過ぎないとの見方もある。
一方、ブッシュ米大統領は、10月12日、ミズリー州、セントポールで開かれたエネルギーフォーラムの会合で演説し、エネルギーは米国経済発展の要である。エネルギーに対するアメリカ国民の考え方を変えることなくして米国が将来とも世界のリーダーとして存在できないと語った。
ブッシュ大統領は、演説の中で、このところのガソリン相場の値下がりを歓迎する。しかし、現在の値下がりは米国のエネルギー問題の実態を隠していると語った。米国民は石油のみにこだわることなくエネルギー源を幅広く探求する必要があると代替エネルギー開発の必要性を改めて強調した。
ブッシュ大統領の演説草稿をWSJ紙オンラインで通読すると、原油が中国、インドに流れている中で、米国は原油の国内消費の60%を輸入に依存している。それが原油相場を引き上げた。原油高騰は米国の国際競争力を低下させると指摘している。
演説の中で低燃費車の開発の必要性と同時に代替エネルギーとして具体的にエタノールに限定して多くのページを割いている。政府は開発促進のための税制上の優遇措置を用意して積極的にとうもろこしからのエタノール増産を支援すると強調している。
WSJ紙によると、米国のとうもろこし全てをエタノールにまわしても米国の消費エネルギーの12%にしかならない。焼け石に水との冷めた見方も紹介している。今回のブッシュ演説は農民を意識した選挙臭が強く出ていた。米国人の節約意識の変革には時間がかかる。ガソリンが下がれば再びガソリン消費が増える。これの繰り返しが米国の歴史である。(了)
江嵜企画代表・Ken
原油相場は7月につけた史上高値バレル78.40ドルから25%下げた。ガソリン相場も米国の話であるが、スタンド売りで一時ガロン3ドルを越えていたが現在は2.5ドル台へ下落している。値段が下がれば米国人の常、節約心を失い、米国の石油消費は減らないだろう。
OPECが減産を実施すれば2004年12月以来となる。当時原油相場はバレル40ドルであった。現在はバレル60ドルであう。状況が全く違うことから、OPEC加盟国間で足並みが揃わないだろうとの見方が強い。OPECは実際には日量2,900バレル生産している。100万減産してはじめて生産枠が名実ともに2,800万に落ち着くに過ぎないとの見方もある。
一方、ブッシュ米大統領は、10月12日、ミズリー州、セントポールで開かれたエネルギーフォーラムの会合で演説し、エネルギーは米国経済発展の要である。エネルギーに対するアメリカ国民の考え方を変えることなくして米国が将来とも世界のリーダーとして存在できないと語った。
ブッシュ大統領は、演説の中で、このところのガソリン相場の値下がりを歓迎する。しかし、現在の値下がりは米国のエネルギー問題の実態を隠していると語った。米国民は石油のみにこだわることなくエネルギー源を幅広く探求する必要があると代替エネルギー開発の必要性を改めて強調した。
ブッシュ大統領の演説草稿をWSJ紙オンラインで通読すると、原油が中国、インドに流れている中で、米国は原油の国内消費の60%を輸入に依存している。それが原油相場を引き上げた。原油高騰は米国の国際競争力を低下させると指摘している。
演説の中で低燃費車の開発の必要性と同時に代替エネルギーとして具体的にエタノールに限定して多くのページを割いている。政府は開発促進のための税制上の優遇措置を用意して積極的にとうもろこしからのエタノール増産を支援すると強調している。
WSJ紙によると、米国のとうもろこし全てをエタノールにまわしても米国の消費エネルギーの12%にしかならない。焼け石に水との冷めた見方も紹介している。今回のブッシュ演説は農民を意識した選挙臭が強く出ていた。米国人の節約意識の変革には時間がかかる。ガソリンが下がれば再びガソリン消費が増える。これの繰り返しが米国の歴史である。(了)
江嵜企画代表・Ken