ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

5年ぶり米雇用減、米大幅追加利下げ迫る(学校で教えてくれない経済学)

2008-03-08 20:07:46 | 経済学
 米労働省は、3月7日、2月の米雇用数(非農業部門)が、1月の2万2,000減についで、予測の2万5,000増に対し、5年ぶりの2ヶ月連続減の6万3,000減と発表した。2月の失業率が、1月の4.9%から0.1%減り、4.8%と発表した。雇用も減ったたが、失業率も減った。

米国の失業率は4つの要素、①仕事を自ら辞める(自発的失業者・Quit)、②解雇される(layoff)、③労働市場に新規に参加する(例:新卒学生)、④待機している、以上4つの要素から構成されている。

米国の政府統計では、積極的に職探しをしないと、雇用数にカウントされない。待機しているとされる、45万を失業者に含めると、失業率は、5.1%へ増加するとの指摘もある。失業者が増えると、米GDPの70%を占める個人消費に直接影響する。

待機していたとされる45万人はどこに消えたのか。6.5万ドルから8.5万ドル(660万~860万円)の稼ぎが、不景気で、4.5万ドルから5万ドル(459万~510万円)へ年収が大幅に減った。年金生活の方が働くより身入りがいいという声も出てきたとブログにある。

2006年の米国の成人就業人口統計によれば、2億3,300万である。このうち、15%が外国生まれである。外国生まれの就業者は、2000年から2006年の間に、47%増加した。外国からの出稼ぎ労働者の動き抜きにしては、より正確な米雇用動向はつかめない。

WSJ紙のブログによれば、ある建設会社の友人の話を紹介している。2年前、65人の大工が働いていた。それが現在、3人になった。全員、メキシコに帰った。米国での住宅ブームの恩恵を受けて、メキシコから大量の大工が米国国境を越えた。ところが、住宅不況の深刻化で、居場所をなくして帰国していると書いている。

クリントン,オバマの間で、熾烈な米民主党候補者争いが続いている。ヒラリー・クリントンは、スペイン語を話すアメリカ人(ヒスパニック)の鼻先に、医療保障というニンジンをぶら下げ、彼らを取り込み、形勢逆転をねらっているようだ。

2月の米雇用統計は、エコノミストに限らず、米金融関係者に、想像以上のショックを与えたようだ。エコノミストの中には、米FRBは、3月18日のFOMCを待たずに利下げを断行すると予測した。FFレート先物は、0.75%の追加利下げで年2.25%と予測している。

2月米雇用統計を見て、米FRBは、総額2000億ドル(20兆4,000億円)の資金をマーケットに供給すると3月8日発表した。米国は、巨額の資金供給と同時に追加利下げも敢行する気配だ。利下げは、ドル安という副作用を伴う。激震に耐えなければなるまい。(了)

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NY原油105ドル、ユーロ建てでは横這いの68ユーロ(学校で教えてくれない経済学)

2008-03-07 09:38:25 | 経済学
 NY原油先物市場で、3月6日、WTI(軽質油)は、一時、バレル105.97ドルまで値上がりし、前日比0.9%高い、105.47ドルで取引を終了した。

一方、NY外国為替市場で、同じ日、ドルは、対ユーロで値下がりし、1ユーロ=1.5374ドルで取引された。ドルが対ユーロで値下がりすると、原油相場はつれて値上がりするパターンが定着している。

NY原油相場を、ユーロ建てで計算すると、3月6日の相場は、バレル68.60ユーロである。前日の値段は、68.47ユーロだから、上げてはいるが、ほぼ横這いだ。ドルベースで見ていると、原油相場は、天井知らずに上げ続けるように騒いでいるが、視点を変えて、ユーロという鏡に姿を写してみると違った景色が見えてくる。

NY外国為替市場で、ドルは、対円でも値下がりし、1ドル=102.69円まで円高が進んだ。円建てで原油相場を計算すれば、バレル105.47ドルは、バレル10,830円である。昨日の円建ての原油相場は、10,865円だから、ユーロ建て値段と同様、値上がりしていない。

分母に弱い通貨を置き、分子に原油相場を置いて割り算する。価値をキープしょうとすれば、ドル建て値段を上げざるを得ない。一概には言えないだろうが、原油が上がっているのではなく、ドルの値打ちが下がっているから原油相場が上がっているように見えるのだろう。

金相場も小麦、大豆相場も史上最高値を更新している。いずれもドル建て値段である。ECB(欧州中央銀行)のトリシェ総裁は、3月6日、EUの政策金利を4.0%で据え置いた。彼は、インフレ(自国通貨価値の目減り)が国を滅ぼす元だと思っているかもしれない。

元プロ野球選手の江夏豊さんが、テレビでの野球解説で、日本のピッチャーは、子供の頃から、ストライクを投げる練習ばかりしている。ボールをしっかり投げられるような練習をもっとやるべきだろう。ストライクは2球だが、ボールは3球投げられると話しておられて、妙に感心した。何が何でもストライクだという捉え方がいかにも日本人らしいところだ。

日本人は、古来、田んぼの中で草むしりばかりして、暮らしてきた。雑草を一本でも減らせばそれだけ米の収穫が増えるからだ。日本人の勤勉さはそこから生まれたが、隣の田んぼの動きに目が向かなくなったと、司馬遼太郎さんは、「十人との対話」の中で書いている。

欧州で買い物をすれば実感するが、円は対ドルでは円高だが、対ユーロでは大幅な円安だ。今の子供に、くじら尺だ、かね尺といっても、何のことかと、いぶかられるのが落ちだが、物指しを、たまには変えてみて、物を見ることも、一興かもしれないと思う次第である。(了)

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米原油在庫大幅減、NY原油104ドル史上最高値(学校で教えてくれない経済学)

2008-03-06 12:42:11 | 経済学
 JR神戸線の窓から明石海峡がよく見える。明石海峡といえば、潮流が早く、日本で最も船の往来が激しいことでも有名だが、3月5日、風速8メートル,視界良好、昼日中の午後3時前に、3隻が衝突、貨物船が沈没、フィリピン男性1名が死亡し、3名が行方不明という事故が起こった。

 詳しい調べを待つべきだろうが、衝突したオーシャンフェニックス号の乗組員は、「舵を切ったが間に合わなかった」と供述している。どこかで先日聞いた話と同じだが、3隻のうち2隻が、衝突直前まで自動操舵を続けていたと報じられた。

 NY原油先物市場で、3月4日、WTI(軽質油)相場が、バレル5ドル上げ、104.95ドルと終値で史上最高値を更新した。ブレント原油(重質油)も値上がりし、バレル101.70ドルで取引された。

原油急騰の背景は、①米エネルギー省が発表した在庫統計が、アナリストの予測の230万バレル減が310万と減少幅が大きかった,②OPEC総会で、日量2,967万バレルの生産枠を据え置きを決めたことが指摘できる。

相場の世界では、まだはもうなり、もうはまだなりという格言がある。バレル100ドルを越えたところで、もう100ドルとみるか、まだ100ドルと見るか、見方が分かれている。100ドルを突破したことで一息入れて、原油相場は、99ドル台まで値下がりしていた。

原油バレル100ドルは、いいところまで来たとの見方には、米住宅市場の改善には時間がかかる。米景気はこの先さらに減速する。米景気減速から世界的な原油需要が下落するとして、OPECも生産増産見送りの表向きの論拠に使った。

原油高騰を支えてきた要素のひとつに、ユーロが対ドルでの相次ぐ史上最高値更新が指摘できる。NY外国為替市場で、3月5日、一時、1ユーロ=1.5305ドルで取引された。ECB(欧州中央銀行)トリシエ総裁は、本心では、対ユーロでのドル安・ユーロ高を歓迎している。

OPECは、口先では、世界的な原油需要減を唱えて、生産枠据え置きを決めた。しかし、本心では、原油需要は落ちないと踏んでいる。見かけ上の枠は据え置くと言いながら、実生産は継続する。トラの子の100ドル相場定着は離さない冷めた計算が見え隠れしている。

ところで、日本ではどうか。リスク感覚ゼロの、空疎な論戦が続く、国会での審議が全てを象徴している。超過密航路の明石海峡で、自動操舵で事故を起こした。機械任せ、他人任せの風潮が蔓延している。触診を疎んじる今の医療現場も同じリスクを犯している。(了)

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口先介入で、ドル安、一端停止(学校で教えてくれない経済学)

2008-03-05 09:44:57 | 経済学
 「口は禍の門」(孔子家語)と言うことばがある。広辞苑によれば、「うっかりはいた言葉から禍を招くことがあるから、言葉を慎むべきである」と説明している。

 バーナンキ米FRB議長は、先月末、二日続けて米議会で証言した。初日、彼は、米景気の改善を最優先し、インフレ進行に対する懸念を二次的に捉える発言をした。二日目は、中小の銀行が破綻する怖れがあると、米下院議員との質疑応答の際、口を滑らせてしまった。

 バーナンキ発言に勢いづいたのはマーケットである。次回3月18日開催予定の米FOMC会合で、0.25%程度の小幅の追加利下げが行われることは織り込み済みだった。ところが、先日の発言の後、0.75%大幅利下げを期待するディーラーまで出てきた。

バーナンキ発言で、大幅利下げが実施されれば、利回りから見て、ドルはとても買えない。ドルが売られ、ユーロが史上最高値の1ユーロ=1.53ドル目前まで買われた。つれて、日本円も、1ドル=102.65円まで急騰した。

ドル相場の推移と原油相場は、お神酒徳利のように見事に連動している。原油が上がればドルが下げ、ドルが下げれば原油は上げた。ドルが下げれば金が上がり、金が下がればドルは値下がりした。3月3日、NY金先物相場は、トロイオンス992 ドルまで急騰し、原油(WTI)は、バレル103.95 ドルと史上最高値を更新した。

バーナンキ議長は、3月4日、フロリダ州、オーランドでの米銀行協会の会合で、「問題を抱えている家主をさらに助ける必要である。政府と民間金融機関は、不必要な破産を減らすことが出来るし、減らすべきである。」と発言した。

この日は銀行協会での集まりでもあり、平たく言えば、銀行は、家の持ち主に、もっとお金を貸してやって、これ以上の破産を食い止めて欲しいと、バーナンキさんは訴えたかったのであろう。事実、住宅ローン金利は年6%台をキープしている。むしろ、焦げ付きを怖れた金融機関の貸し渋りが目立っている。

NY外国為替市場では、ドルは、1ユーロ=1.5208ドルで取引された。NY原油先物相場は、原油在庫増を材料に反落、一時、バレル99.44ドルまで値下がりした。ドルの底堅い動きを受けて、金相場も20ドル以上値下がりし、トロイオンス966ドルまで値下がりした。

ドルは、対ユーロで、一端、下げ止まった。しかし、これはECBのトリシエ総裁やポールセン米財務長官による、ドル安阻止の「口先介入」の要素が強い。「口は禍の門」というように、口先だけで行動が伴わない人には、良し悪し抜きで用心した方がよさそうだ。(了)

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ECBトリシエ発言でドル安にブレーキかかる(学校で教えてくれない経済学)

2008-03-04 11:45:23 | 経済学
 日本画家の森田りえ子さんは、椿の花の絵を描くとき、葉や幹を丹念に描く。むしろ、花は添え物だ。自分の描いた絵を見る人が、幹の下に、地中奥深く手足を伸ばして、息づいている根の姿をイメージしてもらえるような絵を描きたいと、常々、話される。

 重篤の患者を見て、植物人間のようだ、という言葉を軽率に使う方が結構、日本人には多い。今から35億年前に生命が誕生以来、植物と動物は、お互いが、手を携えて生きてきた。動物は動けるが、植物は動けない。動けないという表面的な姿だけ見て言うのであろうが、これほど植物に対して失礼な言葉もないであろうと、いつも思う。

 NY商品先物市場で、3月3日、金、プラチナが、史上最高値を更新した。銀は27年ぶりの高値を記録した。金は、一時、トロイオンス992ドルをつけたあと、前日比9.2ドル高、984ドルで取引を終えた。銀は、トロイオンス20.74ドルで取引きされた。

プラチナはオンス60ドル上げ、2,245ドルと、史上最高値を更新した。一年前は、1,203ドルであった。一年前、金は700ドル、銀は12ドルだった。NY原油先物市場で、WTI(軽質油)は、一時、バレル103.95ドルの後、103.40ドルで取引を終えた。穀物、その他商品相場全てが値上がりした。

金や銀や原油に目は向かいがちになる。しかし、それは花の姿である。花は葉や幹が育てる。一番肝心なところに根があることを忘れている。根には、ドル安観測があった。3月18日開催の米FOMC会合で、0.75%下げるとの観測も出てきた。ただ、冷静に考えれば、原油100ドル、金1000ドル、ユーロ=1.52ドルは、いいところまで来たのかもしれない。

NY外国為替市場では、ISM(Institute for Supply Management)製造業景気指数が、1月の50.7から2月度、48.3へ、50ポイントを割り込んだとの発表を嫌気して、ドルは、史上最安値の一時、1ユーロ=1.5276まで値下がりした。ただ、1.5182ドルまで戻した。

なぜ、ドルは、対ユーロで値を戻したのか。今朝のWSJ紙は、ECBのトリシエ総裁(Jean-Claude Trichet)が、「強いドルは、アメリカの国益であると米国政府が再々、確認したことは、極めて重要であると、私は考える。」と発言した後、ドル相場は反発したと指摘している。行き過ぎたドル安を欧米トップが足並みを揃えて、けん制した意味は大きい。

金や原油はドル安の反面教師である。ドル相場さえ落ち着けば、無理して、金やプラチナを買い求める必要はない。行き過ぎが一番いけない。過ぎたれば、なお及ばざるが如しとの論語の言葉もある。本質を見失い、花のみ追いかけていると、墓穴を掘るだろう。健康も経済も自己責任である。他人任せの生活パターンから脱却しないと身が持たない。(了)

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米利下げ(モルヒネ)の副作用で円103円台へ(学校で教えてくれない経済学)

2008-03-02 09:47:30 | 経済学
 サブプライムローン問題は、返済出来ないことを承知で、お金を貸して家を建てさせ、家の値段が下がって、返済出来なくなった、なれの果ての姿である。

病気が治らないのは、医者が悪いからだと、という人に時たま出会う。他人任せにしておいて、責任を他に転嫁する典型的なケースである。お金を借りた人間(患者)の自業自得であるが、返せぬと分かっていて貸した銀行(医者)が悪いと難癖をつけている人が結構多い。

獣医さんから以前聞いた話であるが、最近のペットの病気は、人間の病気とほとんど同じだそうだ。ご主人様が用意してくれた食事を安心して食べた結果、病気になったペットこそ犠牲者である。そのことを飼い主はなかなか認めたがらないから、眞に始末が悪い。

人間も動物だから、自然治癒力を備えている。ところがいつの間にか、薬を飲めば病気が治る、病気になれば医者に診てもらえればいいと平気で言うようになった。薬には、副作用がつきものである。神ならぬ身、全てが万能でないように、医者もまた、間違いを起こす。

サブプライムローン問題が原因で、次々と、米大手金融会社が、昨年10~12月期決算で巨額の損失を発表している。しかし、ポールソン米財務長官は、自らのミスで損失を出した金融機関を救済することは出来ないと、公的資金の投入に、米国は、応じていない。

ポールソンの尻拭いをさせられているかに見えるのが、バーナンキさんである。彼自身、利下げをすればドルの値打ちが下がることを熟知していながら、5.25%まで上げた短期の目標金利を昨年8月以降、3.0%まで下げた。追加利下げも視野に見える。モルヒネ(利下げ)は一時の痛みを和らげるための処方であるが、副作用を伴う。それが為替市場で出てきた。

NY外国為替市場で、2月29日、ドルは、特に対円で下げ足を早め、1ドル=103.90円まで値下がりした。わずか4日間で1ドルについて4円値下がりするという異常事態である。日本は6000億ドルの米債券を保有している。1円で6000億円の損が発生する。

円は対ユーロでも上昇し、1ユーロ=160.40円から157.86円へ値上がりした。対ユーロでの円高が、ドルの対ユーロ相場に波及し、1ユーロ=1.5214ドルから1.5181ドルへ引き上げた。円借りキャリートレード巻き戻しで、ドル、ユーロを売り、円を買った結果である。

日本はゼロ同然の金利を13年間も続けている。経済もからだも同じで、異常な状態を長年続けているとからだのあちこちでゆがみが生じ、それが原因で病気になる。バーナンキさん(医者)はゼロ金利にばく進している。日本は金融の世界でも米国のペットである。(了)

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ドル安進み、金972ドル、NYダウ315ドル安(学校で教えてくれない経済学)

2008-03-01 12:07:51 | 経済学
 1980年9月22日、イランイラク戦争が始まった。原油相場は、急騰し、史上最高値のバレル40ドルを突破した。その時の値段を、インフレ率を勘案して計算すれば、バレル103.76ドルに相当するが、2月28日、NY原油先物市場で、WTI(軽質油)の値段はバレル103ドルを突破し結果、名実共に過去最高値を更新したことになる。

 物の値段は、基本的には需給で決まる。しかし、ドルが対ユーロで、1ユーロ=1.52ドル突破をきっかけに、商品相場全てが急騰したように、ドルの目減り(インフレ)が、ドル建て商品の相場全てを押し上げたことがはっきりしている。

 ドル安に加えて、投機マネーの流入が指摘できる。今朝のWSJ紙によれば、本来小さいマーケットである、商品先物EFT市場に、1,750億ドルから2,000億ドルの資金が流れ込んできたことと、最近の傾向として、電子取引が増えた結果、完全にファンダメンタルズを無視した、バブル状態に転換した。NY原油先物市場では、91%が電子取引と言われている。

原油相場は、今年に入り、バレル90ドルから100ドルまで11%値上がりにとどまっている。しかし、後塵を拝していた、天然ガスは26%、石炭56%、プラチナ41%、小麦32%、ココアは38%上昇した。原油以外の値上がりがきついと今朝のWSJ紙は紹介している。

原油相場が100ドル突破に刺激され、ガソリンスタンド売りの値段が、ガロン3.20ドルまで急騰、夏場のドライブシーズンに入れば、ガロン4ドルまで値上がりする。ガソリンの値上がりは、個人消費全体にブレーキをかけ、住宅不況で深傷を負った米景気に追い討ちをかけるとエコノミストは警告している。

バーナンキ米FRB議長が、昨日、米議会で証言し、米景気悪化に加えて、ドル安が、輸出、雇用、貿易赤字改善にとって、明るい展望を用意していると話したことから、ドル売りが一気に加速した。

2月29日、原油は一服したが、金先物市場では、オンス4ドル上げ、972ドルと史上最高値を更新した。ここ10数年、ブッシエル50セント前後で低迷していた小麦は、ブッシエル2.5ドルへ暴騰している。日本では、今年4月から、小麦の政府売り渡し価格を30%引き上げると発表したが、それが焼け石に水であることはデータが証明している。

ドル急落の背景の一つに、異常な低金利の日本で金を借り、米ドル資産を買っていた機関投資家が、ドルを売って、円を買い戻す動きに転換したことが、対ドルでの円急騰に拍車をかけていると今朝のWSJ紙は指摘した。NYダウは、2月28日、前日比315ドル安、12.266ドルへ急落したが、円キャリートレードが、更なるドル安・円高を助けるかもしれない。(了)

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