
あらかじめ断わっておきますが、これは悲観的な物の見方ではありません。むしろ前向きな考え方。
年末年始、帰ってきたうちの坊主たちが冗談半分に「人生とは何か」なんて話をしていて、真面目半分に何やら語り合っていた。酒飲みながらそれを横で聞いていて、もっともだな、とは思いつつ、やっぱりハタチそこそこの言うこと、どこかで見聞きしたのを口伝えにしゃべっているのだろうな、と感じた次第。
自分が同じような年の頃、小難しいことを考え抜き、目上の人に伝えてもなかなか分かってもらえないことが多かった。それはやはり、経験に裏打ちされていなかったからだろうと、今さらながら思う。
だから、いろんな苦労しながら年をとるというのは、いいものなのかもしれない。若い頃に言ったことと同じことを言っても、ちゃんと聞いてもらえるものだ。年とった人の言葉には、その分それだけの重みがあるのだ。
そうしてやがて人は死んでゆく。死ねばそれでおしまい、という考え方もあるし、そのあと別の世界でまた新たな人生が始まる、という考え方もある。僕は後者だと思っているが、それは死んでみなければ分からないことで、これも楽しみ。
別の人生が始まったとして、この世で会うことのできなかった祖父や吉田兼好、もう一度話をしたかった恩師や親友、それにデール・カーネギーなんかに会えるかもしれないかと思うと、楽しみで仕方ない。
以上、ひとつの考え方として。
