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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

ホイッスルが鳴るまでは

2011-08-07 09:49:55 | こころ
 
 W杯優勝フィーバーもやや落ち着いたとはいえ、なでしこリーグには多くの観客が詰め掛けているそうだ。頑張った甲斐があろうというもの。
 彼女たちに共通するのは、ファウルだと思って気を抜いたり、オフサイドだと思って足を止めたりしないこと。ホイッスルが鳴るまで集中してプレーしている。(余談ながら、審判にアピールばかりしている選手ってのは、甘ったれているようで好きになれない)

 NHKの教育、いやEテレで朝6時55分から「0655」という番組をやっており、その中に「進め!よんきびう隊の歌」というのがある。

 実際見てみないことにはその脱力系の良さは分からないのだが、カメやカブトムシ、ペンギンなどの動物が一文字ずつ書かれたプラカードを持って行進するというもの。
 歌詞をちょっと書いておくと、
  ♪おれたちは進む 胸に使命いだいて
   調子合わせ進む しぶいビートに乗って
   遅れるなカメ カブトムシ カピバラ
   とにかく前へ進め 号令かかるまで
 そしてそのあとは、
  ♪そろそろ鳴るか ホイッスル    と続く。

 このカメたちと同じく、僕らも仕事にしろ人生にしろ前に進むしかない、〈審判〉がホイッスルを鳴らすまで。
 僕もまた一定の責任ある職務に就いているわけだが、上司なり会社の上の方から「あいつじゃダメだ」と言われるまでは、仕事やらざるを得ない。それはいちいちアピールするわけじゃないけれど、仕事ぶりってのは黙っていたって分かるもの。
 「辞めろ」と言われるまでは、進むしかない。

 人生だって、誰が審判なのかは知らないけれど、ホイッスルが鳴るまでは生きなきゃいけないだろうと思う。自分でプレーを止めるのではなく。
 それにしても、松本山雅(元横浜Fマリノス)の松田直樹選手は気の毒。ファンというわけではなかったが、あまりに早すぎるホイッスルだった。

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